124 / 149
オーディアス攻略作戦
化け物なタイプのJK
しおりを挟む
「よし、それじゃあそろそろ攻略を再開するか!」
全員がホットサンドを食べ終えると、シマーズさんが意気揚々と立ち上がった。皆もそれにならって立ち上がる。
「ちなみにシュクレちゃん、何か新しい情報はあったりする?」
ヨイニの質問に、シュクレが申し訳なさそうに眉をひそめて首を左右へと振って口を開く。
「いえ、特には……」
休憩前にボス戦をした時は、HPバーを削り切ってから全回復をされてしまった。原因が分かれば良かったけど、IAFの考察ガチ勢であるシュクレに分からないなら現状、この世界にわかる人間はいない。
「じゃあまぁ、とりあえずボッコボコにしながらかんがえよっか!」
私はそう言って、扉を蹴り開ける。
門の先には、つい数時間前に見たのと同様の光景が広がり"悪魔付き"は既に門の前で待ち構えていた。
"悪魔付き"全身を真っ黒な忍者装束に身を包み、身体中からドス黒いオーラが滲み出している。
「スゥ――ハァ――」
悪魔付きは私たちの様子を伺う様にまだ動かない。私は一度、多いく深呼吸をして見つめ返した。
さあ、ボス戦の始まりだ!
「「セット、リボルビングパイル!」」
私の発声に合わせて、両腕へトリガーの付いたトンファーの様な釘打ち機が生成される。
「影踏み!」
スキルで悪魔付きの影へ移動し、防御を掻い潜るように小さくアッパーを繰り出して、同時に釘打ち機のトリガーを引く。
「キヒヒ!」
空間に衝撃波が生じる。攻撃は防がれたけど、その防御を抜いて悪魔付きへ確実にダメージを与えられた。
悪魔付きは負けじと、反撃の掌底を放つ。
「あまぁい」
私はイナバウアーの様に回避し、眼前を通り抜ける腕を抱き抱える。そのまま尻尾で全身を支えながら1回転。
休憩時間の間、父との戦いを経てから……私の中で何かが変わった気がする。まるで、何かのセーフィテーが外れたみたいだ。
「キャノン流忍術」
思いついた連続技のイメージに抗わず、体を考えるままに動かす。体は忠実に従って動いた。全身の関節を一瞬だけ外して、身体中の筋肉を一塊のバネのように使う。地面を垂直に蹴り、上空へ上がる。
風間流裏秘技の1つ、空蝉返しだ。
「そのに!」
空中で腕を掴んだ悪魔付きを放り投げる。反作用で私は更に高度を上げて、悪魔付きを眼下に捉えた。
放物線の最高到達点、上昇ベクトルと重力が拮抗して速度が0になったタイミング。空中で体を回転させながら縦方向へかかと落としを叩き込む!
これを空中回転かかと落としか、縦向きの逆回し蹴りが。どう表現するのが伝わりやすいかは微妙なところ。
これも風間流裏秘技の1つ、鷹穿ちだ。
「ジェネシック」
眼前で地面へ向かって落下していく悪魔付きを置き去りに"トンズラ"のスキルで地面へと先に移動する。
「エメラルド」
頭上の悪魔付きへ、ダメージが0の代わりにスタンと吸い寄せる効果のあるスキル"アトラクとボール"を放つ。
「キャノン」
両腕に生成された釘打ち機のシリンダーが前方へ移動する。トリガーを引き絞ると、魔力で生成された釘が放出された。
空蝉返し、鷹穿ち、トンズラ、アトラクトボール、リボルビングパイルのフルバーストを組み合わせた連続技だ。
「バスター!」
錐揉み回転しながら吹き飛んでいく悪魔付きのHPを確認すると、ここまでで既に半分近く削っていた。
「なんか、休憩挟んだらアニーちゃんが一段とアニーちゃんしているんだが?」
シマーズさんが唖然とした様子で口を開ける。
「まぁ、アニーさんですし」
すぐ近くにいたクダンちゃんが頷いて答える。
「ある意味で、いつも通りっすね!」
ムエルケさんまでそれに続いた。なんだか、化け物扱いももう慣れてきたね。まぁ……彼らの評価は正しい。
「あれ、アニーちゃんいつもの言わないのか?」
ゴングマンさんが覗き込むように私の方を見る。私は其れに小さく歯を見せて笑って答えた。
「化け物扱いするな! って?」
「そうそう、それ!」
強さだけじゃない。
普通の人から見れば私の様な精神性の存在は、確かに化け物なんだろう。数時間前ならその事を素直に認められなかった。
「化け物だって――」
だけど、今は違う。
「人と共存できるんだよ」
全員がホットサンドを食べ終えると、シマーズさんが意気揚々と立ち上がった。皆もそれにならって立ち上がる。
「ちなみにシュクレちゃん、何か新しい情報はあったりする?」
ヨイニの質問に、シュクレが申し訳なさそうに眉をひそめて首を左右へと振って口を開く。
「いえ、特には……」
休憩前にボス戦をした時は、HPバーを削り切ってから全回復をされてしまった。原因が分かれば良かったけど、IAFの考察ガチ勢であるシュクレに分からないなら現状、この世界にわかる人間はいない。
「じゃあまぁ、とりあえずボッコボコにしながらかんがえよっか!」
私はそう言って、扉を蹴り開ける。
門の先には、つい数時間前に見たのと同様の光景が広がり"悪魔付き"は既に門の前で待ち構えていた。
"悪魔付き"全身を真っ黒な忍者装束に身を包み、身体中からドス黒いオーラが滲み出している。
「スゥ――ハァ――」
悪魔付きは私たちの様子を伺う様にまだ動かない。私は一度、多いく深呼吸をして見つめ返した。
さあ、ボス戦の始まりだ!
「「セット、リボルビングパイル!」」
私の発声に合わせて、両腕へトリガーの付いたトンファーの様な釘打ち機が生成される。
「影踏み!」
スキルで悪魔付きの影へ移動し、防御を掻い潜るように小さくアッパーを繰り出して、同時に釘打ち機のトリガーを引く。
「キヒヒ!」
空間に衝撃波が生じる。攻撃は防がれたけど、その防御を抜いて悪魔付きへ確実にダメージを与えられた。
悪魔付きは負けじと、反撃の掌底を放つ。
「あまぁい」
私はイナバウアーの様に回避し、眼前を通り抜ける腕を抱き抱える。そのまま尻尾で全身を支えながら1回転。
休憩時間の間、父との戦いを経てから……私の中で何かが変わった気がする。まるで、何かのセーフィテーが外れたみたいだ。
「キャノン流忍術」
思いついた連続技のイメージに抗わず、体を考えるままに動かす。体は忠実に従って動いた。全身の関節を一瞬だけ外して、身体中の筋肉を一塊のバネのように使う。地面を垂直に蹴り、上空へ上がる。
風間流裏秘技の1つ、空蝉返しだ。
「そのに!」
空中で腕を掴んだ悪魔付きを放り投げる。反作用で私は更に高度を上げて、悪魔付きを眼下に捉えた。
放物線の最高到達点、上昇ベクトルと重力が拮抗して速度が0になったタイミング。空中で体を回転させながら縦方向へかかと落としを叩き込む!
これを空中回転かかと落としか、縦向きの逆回し蹴りが。どう表現するのが伝わりやすいかは微妙なところ。
これも風間流裏秘技の1つ、鷹穿ちだ。
「ジェネシック」
眼前で地面へ向かって落下していく悪魔付きを置き去りに"トンズラ"のスキルで地面へと先に移動する。
「エメラルド」
頭上の悪魔付きへ、ダメージが0の代わりにスタンと吸い寄せる効果のあるスキル"アトラクとボール"を放つ。
「キャノン」
両腕に生成された釘打ち機のシリンダーが前方へ移動する。トリガーを引き絞ると、魔力で生成された釘が放出された。
空蝉返し、鷹穿ち、トンズラ、アトラクトボール、リボルビングパイルのフルバーストを組み合わせた連続技だ。
「バスター!」
錐揉み回転しながら吹き飛んでいく悪魔付きのHPを確認すると、ここまでで既に半分近く削っていた。
「なんか、休憩挟んだらアニーちゃんが一段とアニーちゃんしているんだが?」
シマーズさんが唖然とした様子で口を開ける。
「まぁ、アニーさんですし」
すぐ近くにいたクダンちゃんが頷いて答える。
「ある意味で、いつも通りっすね!」
ムエルケさんまでそれに続いた。なんだか、化け物扱いももう慣れてきたね。まぁ……彼らの評価は正しい。
「あれ、アニーちゃんいつもの言わないのか?」
ゴングマンさんが覗き込むように私の方を見る。私は其れに小さく歯を見せて笑って答えた。
「化け物扱いするな! って?」
「そうそう、それ!」
強さだけじゃない。
普通の人から見れば私の様な精神性の存在は、確かに化け物なんだろう。数時間前ならその事を素直に認められなかった。
「化け物だって――」
だけど、今は違う。
「人と共存できるんだよ」
11
あなたにおすすめの小説
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。
癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。
branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位>
<カクヨム週間総合ランキング最高3位>
<小説家になろうVRゲーム日間・週間1位>
現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。
目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。
モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。
ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。
テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。
そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が――
「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!?
癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中!
本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ!
▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。
▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕!
カクヨムで先行配信してます!
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!
くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作)
異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる