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第2章
第11話 姿が見えないからと言って油断してはいけない
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外套で姿を誤魔化し、コソコソと移動しながらで十数分ほど歩き、目的の場所へとたどり着く。
「ここは探索者ギルドです! ここでは素材の売買や各種事務手続きが行える場所となります。ステータスを調べたりダンジョンの情報や特別依頼の受注や発効と言ったことも取り扱っております」
一見すると普通のビルだが、看板にデカデカと探索者を示すマークが刻まれている。剣と杖がクロスした絵の上に初代ギルドマスターである宝条氏のトレードマークである王冠が描かれているレリーフだ。
「おぉ……!」
よくゲームとかであるような小汚い印象とは異なり、役所に似た感じの雰囲気だ。受付のお姉さんもデパートの受付嬢みたいな服を着ている。
そして受付や待合スペースの反対側には色々な武器や防具、傷薬などが販売されているようだ。
「他にも――」
「あれ? 男の人……?」
「マジだ! どうしてこんなところに!?」
「やだ、今日ノーメイクなんですけど!」
ギルド内にいた人たちに俺の存在がバレ、騒ぎになりつつある。
この流れ……さっきもあったぞ! もう今日は女性に気を使うのは疲れたんですけど!
「む! ミコ、個室を取ってきてくれ!」
「はいは~い☆」
俺の精神安定剤であるミコさんが受付へと行ってしまった。早く戻ってきて!
「ランクが一定以上のパーティは会議などのために個室が使えるようになるんですよ」
「そうなんですね。俺のせいで……ありがとうございます!」
いいから、ミコさんはまだ!?
「空いてるって! 案内してくれるみたいだよ~☆」
「行きましょう」
ミコさんの元へ……!
「凜音さん? 子犬みたいな顔してどったの?」
「わ――わっはっは! 子犬系男子目指してますんで!」
危ない危ない、身も心も犬になるところだったわん!
「なにそれ~、ウケるんですけど! よしよししてあげるっ☆」
「わん――ダフルな手つきですね!」
……厳しいか。
「よしよし、誤魔化し方が下手っぴね~☆」
「……」
これが、ギャル!
「おいミコ! 大事な雇い主である凜音さんに何してるんだ!」
「あはは、ごめんなさ~い! ……また後でね☆」
「わ――はっは、構わないよ。頭の1つや2つ」
なんてことをしてても話が進まないし騒ぎが余計大きくなるので、受付嬢さんに続いて奥の部屋へと向かう。
案内された部屋は6畳ほどの大きさ、ソファとテーブルが中央にあり、端にパソコンが置いてあった。
「こちらのパソコンで各種登録やステータスの確認などもできます。プライバシー保護の為、防音も完璧です。ここでは何をされても……そう、美人な受付嬢とかわいい探索者さんとの情事も周りに漏れることはありません」
澄ました顔で何を言っているんだろうか、この受付嬢さんは。
「ありがとう。時に凜音さん、探索者登録はお済みですか?」
「実はまだでして……」
「ではこのまま登録しちゃいましょうか。操作は私にお任せを」
案内してくれた受付嬢さんがそのままパソコンで俺の情報を入力してくれるようだ。どことなく不安。
「ステータスを測れば、それがそのまま反映されますがいかが致しますか?」
「それは大丈夫です」
今測れば第2覚醒のことが知られてしまうからね。
「では手動で入力しましょう。お名前と年齢、固有スキルをお願いします」
「天城凜音、16歳。固有スキルは……」
言わなきゃダメ?
「『絶倫』。精力や性的能力などが非常に優れている、常時発動型スキル」
「……」
今まで黙っていた雪さんがここぞとばかりに説明する。
何で少しドヤ顔なの?
「珍しいスキルですね。一体どんな効果があるのか、見せて頂いても?」
服を脱ぎだした受付嬢さん。
「貴様っ! なぜ服を脱ぐ! 冗談じゃ済まさんぞ!」
「ギルドの職員として、探索者の方のスキルは肌で体感いたしませんと……適切なサポートが行えません」
例えそれが攻撃スキルだとしても受けるのだろうか。
「ちょっと! 余計なことはしないでくれないかなぁっ!」
「これは失礼しました。凜音様も不快な思いをさせてしまい申し訳ございません」
そう思うなら服を着てくれたまえ。
「……とにかく、登録は済んだことですし今日のところは解散しましょう」
「そうしよう。早く帰りたい」
「そうですね。みなさん、今日はありがとうございました!」
雪さんじゃないけど、今日は何だか疲れたから……早く帰って寝よう。
「あ、そうだ! 凜音さん、ちょっとだけ付き合って貰っていい? 例の件で話があるのっ☆」
「ん? いいですよ」
特別任務の報酬のことかな?
ミコさんにはだいぶお世話になったからね、いいでしょう!
◆◇◆◇◆◇
「……うん、つつがなく終わったよ。やっぱり媚び媚びスタイルで問題なさそうだ」
とあるホテルの一室で、フランに電話で今日のことを報告する。
「『それは安心しましたわ! 初めてのダンジョン攻略、成功したようでわたくしも嬉しいですわ! ところで、例の協力者さんはいらっしゃいますね? 代わって頂きたいのですが』」
「……ミコさんのこと、だよね……? いるけど……今は出られないというか何と言うか」
まさかミコさんへの報酬が俺とのアレだったとは。
当人が知らなかった驚愕の事実。しかも現在進行系。
「ふぁい? ふぁふぁふぃふぁほうふぁ?」
「……お願いします」
……わざとじゃないんだ!
いたしてるときに電話がかかってきただけなんだ! 俺は待つように言ったんだ!
「もしも~し☆ フランちゃん元気~? ……え、あ、うん。いえ、はい。すみません。以後気をつけ――はい、誠に申し訳ございませんでした」
……最初は軽い感じで出たのに……一体何を話してるんだろうか。
「はい。調子に乗ってました。いえ、決してそういう訳では……本当に申し訳ございません。今後は誠心誠意頑張りますのでどうか……」
いつの間にか正座して何度も頭を下げるミコさん。裸だけど。
あ、泣き出した。
「ついかわいくて……いえ、はい、もう2度とお電話中にしません。はい……はい……」
……電話越しの行為がバレていたらしい。帰ったら土下座しておこう。
「ここは探索者ギルドです! ここでは素材の売買や各種事務手続きが行える場所となります。ステータスを調べたりダンジョンの情報や特別依頼の受注や発効と言ったことも取り扱っております」
一見すると普通のビルだが、看板にデカデカと探索者を示すマークが刻まれている。剣と杖がクロスした絵の上に初代ギルドマスターである宝条氏のトレードマークである王冠が描かれているレリーフだ。
「おぉ……!」
よくゲームとかであるような小汚い印象とは異なり、役所に似た感じの雰囲気だ。受付のお姉さんもデパートの受付嬢みたいな服を着ている。
そして受付や待合スペースの反対側には色々な武器や防具、傷薬などが販売されているようだ。
「他にも――」
「あれ? 男の人……?」
「マジだ! どうしてこんなところに!?」
「やだ、今日ノーメイクなんですけど!」
ギルド内にいた人たちに俺の存在がバレ、騒ぎになりつつある。
この流れ……さっきもあったぞ! もう今日は女性に気を使うのは疲れたんですけど!
「む! ミコ、個室を取ってきてくれ!」
「はいは~い☆」
俺の精神安定剤であるミコさんが受付へと行ってしまった。早く戻ってきて!
「ランクが一定以上のパーティは会議などのために個室が使えるようになるんですよ」
「そうなんですね。俺のせいで……ありがとうございます!」
いいから、ミコさんはまだ!?
「空いてるって! 案内してくれるみたいだよ~☆」
「行きましょう」
ミコさんの元へ……!
「凜音さん? 子犬みたいな顔してどったの?」
「わ――わっはっは! 子犬系男子目指してますんで!」
危ない危ない、身も心も犬になるところだったわん!
「なにそれ~、ウケるんですけど! よしよししてあげるっ☆」
「わん――ダフルな手つきですね!」
……厳しいか。
「よしよし、誤魔化し方が下手っぴね~☆」
「……」
これが、ギャル!
「おいミコ! 大事な雇い主である凜音さんに何してるんだ!」
「あはは、ごめんなさ~い! ……また後でね☆」
「わ――はっは、構わないよ。頭の1つや2つ」
なんてことをしてても話が進まないし騒ぎが余計大きくなるので、受付嬢さんに続いて奥の部屋へと向かう。
案内された部屋は6畳ほどの大きさ、ソファとテーブルが中央にあり、端にパソコンが置いてあった。
「こちらのパソコンで各種登録やステータスの確認などもできます。プライバシー保護の為、防音も完璧です。ここでは何をされても……そう、美人な受付嬢とかわいい探索者さんとの情事も周りに漏れることはありません」
澄ました顔で何を言っているんだろうか、この受付嬢さんは。
「ありがとう。時に凜音さん、探索者登録はお済みですか?」
「実はまだでして……」
「ではこのまま登録しちゃいましょうか。操作は私にお任せを」
案内してくれた受付嬢さんがそのままパソコンで俺の情報を入力してくれるようだ。どことなく不安。
「ステータスを測れば、それがそのまま反映されますがいかが致しますか?」
「それは大丈夫です」
今測れば第2覚醒のことが知られてしまうからね。
「では手動で入力しましょう。お名前と年齢、固有スキルをお願いします」
「天城凜音、16歳。固有スキルは……」
言わなきゃダメ?
「『絶倫』。精力や性的能力などが非常に優れている、常時発動型スキル」
「……」
今まで黙っていた雪さんがここぞとばかりに説明する。
何で少しドヤ顔なの?
「珍しいスキルですね。一体どんな効果があるのか、見せて頂いても?」
服を脱ぎだした受付嬢さん。
「貴様っ! なぜ服を脱ぐ! 冗談じゃ済まさんぞ!」
「ギルドの職員として、探索者の方のスキルは肌で体感いたしませんと……適切なサポートが行えません」
例えそれが攻撃スキルだとしても受けるのだろうか。
「ちょっと! 余計なことはしないでくれないかなぁっ!」
「これは失礼しました。凜音様も不快な思いをさせてしまい申し訳ございません」
そう思うなら服を着てくれたまえ。
「……とにかく、登録は済んだことですし今日のところは解散しましょう」
「そうしよう。早く帰りたい」
「そうですね。みなさん、今日はありがとうございました!」
雪さんじゃないけど、今日は何だか疲れたから……早く帰って寝よう。
「あ、そうだ! 凜音さん、ちょっとだけ付き合って貰っていい? 例の件で話があるのっ☆」
「ん? いいですよ」
特別任務の報酬のことかな?
ミコさんにはだいぶお世話になったからね、いいでしょう!
◆◇◆◇◆◇
「……うん、つつがなく終わったよ。やっぱり媚び媚びスタイルで問題なさそうだ」
とあるホテルの一室で、フランに電話で今日のことを報告する。
「『それは安心しましたわ! 初めてのダンジョン攻略、成功したようでわたくしも嬉しいですわ! ところで、例の協力者さんはいらっしゃいますね? 代わって頂きたいのですが』」
「……ミコさんのこと、だよね……? いるけど……今は出られないというか何と言うか」
まさかミコさんへの報酬が俺とのアレだったとは。
当人が知らなかった驚愕の事実。しかも現在進行系。
「ふぁい? ふぁふぁふぃふぁほうふぁ?」
「……お願いします」
……わざとじゃないんだ!
いたしてるときに電話がかかってきただけなんだ! 俺は待つように言ったんだ!
「もしも~し☆ フランちゃん元気~? ……え、あ、うん。いえ、はい。すみません。以後気をつけ――はい、誠に申し訳ございませんでした」
……最初は軽い感じで出たのに……一体何を話してるんだろうか。
「はい。調子に乗ってました。いえ、決してそういう訳では……本当に申し訳ございません。今後は誠心誠意頑張りますのでどうか……」
いつの間にか正座して何度も頭を下げるミコさん。裸だけど。
あ、泣き出した。
「ついかわいくて……いえ、はい、もう2度とお電話中にしません。はい……はい……」
……電話越しの行為がバレていたらしい。帰ったら土下座しておこう。
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