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第3章
第28話 『(今回は)カメラはありませんわ!』
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――数日後。
今日は『アヘ顔ダブルピース』の方たちと撮影の日。
しかし、温めている卵に何かあるといけないからと、生配信ではなく動画の撮影に変更された。
内容も素材集めメインの……本当に誰かが言っていた、お花摘み動画となってしまった。
「それが噂の卵ですか? 孵化に魔力が必要とは……不思議ですね」
Sランク探索者の星奈さんも知らなかったらしい。
「楽しみだね~、ミコリン☆ どんな子になるのかなぁ~」
「ミコリン? とは何だ?」
「何って、ウチとりおっちの子だからミコリンに決まってんじゃん☆」
「……ミコ、凜音さんに失礼なことを言うな。確かに凜音さんは優しいが――」
この世界の女性、卵産める人多くない?
「ミコ、そう言う冗談禁止。凜音さんが困ってる」
「え?」
おや珍しい。雪さんが誰かに強く言ってるところを始めてみたかも。
「えー! りおっち気にしてないっしょ~?」
「まぁ――」
「ダメ。凜音さんが困ってる」
いや困ってはないが……。
頑なに譲らない様子の雪さん。心なしか、眉毛の角度も少しだけ斜めになってる気がする。
やっぱり気のせいかも知れない。いつもフラット眉毛。
「はっは~ん☆」
「な、何……?」
「べっつにぃ~☆ ……あはっ! 雪もついに――もふぉっ!?」
雪さんがむしっていた草や花をミコさんの口に突っ込んだ!?
「ぺっ、ぺっ! ちょっと! さすがにひどくない!?」
「別に~――もっ!?」
今度は逆に、雪さんの口から綺麗なお花が咲いた。
「――ぺっ。よろしい、ならば戦争だ」
「私に勝てるもんかぁー!」
悲惨だ。踏みしめられた草花は舞い散り、僕らの積み上げてきたものは全て無に帰す。
戦争はいつだって悲惨だ。
「あぁ、もったいない。せっかく集めたのに……」
「ははは、申し訳ございません。時折彼女らはああやって騒ぐのが好きで……前のメンバーともああして過ごす事が多かったのですよ」
「いや、楽しそうで何よりですよ。俺にはそういう友達がいないので少し羨ましいくらいです」
何せ同性がほとんどいないからね……!
「とりゃあーーー!」
「わっ! ミコさん!?」
しゃがんで花を採っていたところに急に大量の草を振りかけられた!
「おいミコ! 何やってるんだ!」
「そりゃー!」
立ち上がりかけた俺を、そのまま押し倒すミコさん。下は草でふかふかだから痛くはないが。
「へっへー!」
楽しそうな笑顔を見たら何も言えない。もしかしたら、星奈さんと俺の話が聞こえてたのかも知れない。
「私たちもう友達でしょっ☆ ちゅっ!」
「ミコさん……」
それはどうだろうか。いやもしかしてセフレということ……さすがえちえちギャル!
俺の頬にキスをし、再び俺から離れて雪さんのところへ行くミコさんを見送る。
「え……? ミコ、今キスしませんでした……?」
「ききき、気のせいですよ! 舌打ちでもしてたんじゃないですかぁ!?」
「そう、ですか……そうですね! こらミコ! 何で凜音さんに舌打ちなどしたんだ!」
信じちゃった。ミコさんもキョトンとしてるよ。
「すみません、後でキツく言っておきますのでお許しを!」
「いや……ちょっとした冗談みたいなものですので気にしないでください」
星奈さんもなぁ、素直すぎるんだよなぁ~。
「……ぐぬぬ」
「仲良くなりたいならこのくらい大胆に行かなきゃだめだよっ☆」
◆◇◆◇◆◇
「ねぇねぇ~、りおっちぃ~」
「……ん?」
気だるさを感じながら、甘く囁くような声に返事をする。
何をしていたかと問われれば、室内運動とだけ言っておこう。なぜなら露出の趣味はないからだ。
「……へへっ! ちゅっ!」
「ん」
ミコさんはキスが好きらしく、行為中だろとなかろうとしてくるのだ。
「……ね、配信がある日だけじゃなくてさ……いつでも呼んでよ。すぐ飛んでくよっ☆」
「……」
口調は軽いが……なんというか、どことなく真剣な声。
「そりゃあ……奥さんに比べたらまだまだ下手っぴだろうけどさ! 頑張るから……ね?」
「……」
確かに、初めてしたときよりも随分とうまくなってる気がする。
それだけじゃなく、こちらを労ってくれる気持ちも感じられる。
前の世界で浮気の話が絶えないのは、こういう一生懸命な癒やしに弱い男性が多いからだとなんとなく思った。
「ミコさんがよければ――あ、電話だ」
「えっ! ちょっと! 今なんて言おうとしたのっ!?」
「フランだ……出るね」
「それは仕方ないね」
怖いものなし感のあるミコさんも、フランには絶対服従らしいからね……。
「もしもし?」
「『お楽しみ中のところ失礼しますわ!』」
どこかにカメラでもあるのかと周囲を見回してみるが、見つからない。
「『引っ越しの日時が決まりましたので至急お知らせしなければと……ちなみにカメラ等はございませんのでご安心を』」
「……へ!?」
「『ですから、カメラはございませんのでご安心を、と』」
そっちじゃない! いや、それも気になるけど!
「引っ越し!? 誰が!?」
まさか……遂に愛想を尽かして出ていくつもりじゃあ……!
「『誰って……凜音様含めて全員ですけれど……まさか、真里愛様からお聞きしていませんの?』」
「……聞いていない」
真里愛ぁぁぁ!!! 抜けてると思ってたけど……そんな大事なことまでっ!
「『……詳しいお話はこちらに戻ってからにいたしましょうか。あぁ、1つだけ……今度のお家はとても大きいですので、そこにいるメスギャ……ではなく、ミコさんをお呼びすることも――』」
「行くっ! 絶対行くっ! 私も一緒に住みたいっ!」
話が聞こえてたようで、ミコさんが食い気味に返事をする。
「『……人の話を遮るとはどういうことでしょうか。もしかしてわたくしの話など不要だと? でしたらこの話はなかったことにしましょうか』」
「うぅ~……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
礼儀って、大事だよね!
今日は『アヘ顔ダブルピース』の方たちと撮影の日。
しかし、温めている卵に何かあるといけないからと、生配信ではなく動画の撮影に変更された。
内容も素材集めメインの……本当に誰かが言っていた、お花摘み動画となってしまった。
「それが噂の卵ですか? 孵化に魔力が必要とは……不思議ですね」
Sランク探索者の星奈さんも知らなかったらしい。
「楽しみだね~、ミコリン☆ どんな子になるのかなぁ~」
「ミコリン? とは何だ?」
「何って、ウチとりおっちの子だからミコリンに決まってんじゃん☆」
「……ミコ、凜音さんに失礼なことを言うな。確かに凜音さんは優しいが――」
この世界の女性、卵産める人多くない?
「ミコ、そう言う冗談禁止。凜音さんが困ってる」
「え?」
おや珍しい。雪さんが誰かに強く言ってるところを始めてみたかも。
「えー! りおっち気にしてないっしょ~?」
「まぁ――」
「ダメ。凜音さんが困ってる」
いや困ってはないが……。
頑なに譲らない様子の雪さん。心なしか、眉毛の角度も少しだけ斜めになってる気がする。
やっぱり気のせいかも知れない。いつもフラット眉毛。
「はっは~ん☆」
「な、何……?」
「べっつにぃ~☆ ……あはっ! 雪もついに――もふぉっ!?」
雪さんがむしっていた草や花をミコさんの口に突っ込んだ!?
「ぺっ、ぺっ! ちょっと! さすがにひどくない!?」
「別に~――もっ!?」
今度は逆に、雪さんの口から綺麗なお花が咲いた。
「――ぺっ。よろしい、ならば戦争だ」
「私に勝てるもんかぁー!」
悲惨だ。踏みしめられた草花は舞い散り、僕らの積み上げてきたものは全て無に帰す。
戦争はいつだって悲惨だ。
「あぁ、もったいない。せっかく集めたのに……」
「ははは、申し訳ございません。時折彼女らはああやって騒ぐのが好きで……前のメンバーともああして過ごす事が多かったのですよ」
「いや、楽しそうで何よりですよ。俺にはそういう友達がいないので少し羨ましいくらいです」
何せ同性がほとんどいないからね……!
「とりゃあーーー!」
「わっ! ミコさん!?」
しゃがんで花を採っていたところに急に大量の草を振りかけられた!
「おいミコ! 何やってるんだ!」
「そりゃー!」
立ち上がりかけた俺を、そのまま押し倒すミコさん。下は草でふかふかだから痛くはないが。
「へっへー!」
楽しそうな笑顔を見たら何も言えない。もしかしたら、星奈さんと俺の話が聞こえてたのかも知れない。
「私たちもう友達でしょっ☆ ちゅっ!」
「ミコさん……」
それはどうだろうか。いやもしかしてセフレということ……さすがえちえちギャル!
俺の頬にキスをし、再び俺から離れて雪さんのところへ行くミコさんを見送る。
「え……? ミコ、今キスしませんでした……?」
「ききき、気のせいですよ! 舌打ちでもしてたんじゃないですかぁ!?」
「そう、ですか……そうですね! こらミコ! 何で凜音さんに舌打ちなどしたんだ!」
信じちゃった。ミコさんもキョトンとしてるよ。
「すみません、後でキツく言っておきますのでお許しを!」
「いや……ちょっとした冗談みたいなものですので気にしないでください」
星奈さんもなぁ、素直すぎるんだよなぁ~。
「……ぐぬぬ」
「仲良くなりたいならこのくらい大胆に行かなきゃだめだよっ☆」
◆◇◆◇◆◇
「ねぇねぇ~、りおっちぃ~」
「……ん?」
気だるさを感じながら、甘く囁くような声に返事をする。
何をしていたかと問われれば、室内運動とだけ言っておこう。なぜなら露出の趣味はないからだ。
「……へへっ! ちゅっ!」
「ん」
ミコさんはキスが好きらしく、行為中だろとなかろうとしてくるのだ。
「……ね、配信がある日だけじゃなくてさ……いつでも呼んでよ。すぐ飛んでくよっ☆」
「……」
口調は軽いが……なんというか、どことなく真剣な声。
「そりゃあ……奥さんに比べたらまだまだ下手っぴだろうけどさ! 頑張るから……ね?」
「……」
確かに、初めてしたときよりも随分とうまくなってる気がする。
それだけじゃなく、こちらを労ってくれる気持ちも感じられる。
前の世界で浮気の話が絶えないのは、こういう一生懸命な癒やしに弱い男性が多いからだとなんとなく思った。
「ミコさんがよければ――あ、電話だ」
「えっ! ちょっと! 今なんて言おうとしたのっ!?」
「フランだ……出るね」
「それは仕方ないね」
怖いものなし感のあるミコさんも、フランには絶対服従らしいからね……。
「もしもし?」
「『お楽しみ中のところ失礼しますわ!』」
どこかにカメラでもあるのかと周囲を見回してみるが、見つからない。
「『引っ越しの日時が決まりましたので至急お知らせしなければと……ちなみにカメラ等はございませんのでご安心を』」
「……へ!?」
「『ですから、カメラはございませんのでご安心を、と』」
そっちじゃない! いや、それも気になるけど!
「引っ越し!? 誰が!?」
まさか……遂に愛想を尽かして出ていくつもりじゃあ……!
「『誰って……凜音様含めて全員ですけれど……まさか、真里愛様からお聞きしていませんの?』」
「……聞いていない」
真里愛ぁぁぁ!!! 抜けてると思ってたけど……そんな大事なことまでっ!
「『……詳しいお話はこちらに戻ってからにいたしましょうか。あぁ、1つだけ……今度のお家はとても大きいですので、そこにいるメスギャ……ではなく、ミコさんをお呼びすることも――』」
「行くっ! 絶対行くっ! 私も一緒に住みたいっ!」
話が聞こえてたようで、ミコさんが食い気味に返事をする。
「『……人の話を遮るとはどういうことでしょうか。もしかしてわたくしの話など不要だと? でしたらこの話はなかったことにしましょうか』」
「うぅ~……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
礼儀って、大事だよね!
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