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第3章
第39話 金色に輝くダンジョン踏破報酬
しおりを挟む「さて、宝箱の中身は……おっ!」
そこにはいかにも何かしらのご利益がありそうな金色の盆栽が。しかも箱から取り出すと2メートルほどの大きさになった。
これは初めての当たりかもしれないと期待がかかる。
「『鑑定によると、黄金でできた盆栽ですわん! つまり……ただの飾りとも言えますわん!』」
「……嘘ぉ」
いつになったらまともな報酬が手に入るのか。
「『あらぁ~、それなら高く売れるかもぉ~? そちらの可愛い子ちゃんにあげたらどうかしらわん♪』」
「あぁ、確かに爆弾にかかった費用の足しになるかな?」
「えっ……? そんな……」
金の相場なんて知らないけども。
「『まあ! それならお嬢様が買い取ると言っておりますわん! せっかく凜音様が手に入れた報酬ですし、我が家のお客様用出入口にでも飾っておきましょうわん!』」
「う、売らない。私が貰ったんだから……飾るのはいいけど」
こんな金ピカな盆栽があったらドン引きするよ、お客さんも俺も。
「『だけど、およそ1000万円かけて報酬がこれじゃあ……やはり現代兵器を投入してのダンジョン攻略は厳しいですわん』」
「『道中もあるからねぇ~……』」
「『報酬が当たれば多少は帰ってきますが、それでもコスパを考えると結局……といったところですわん』」
リアたちの3頭がしみじみ……といった感じで感想を述べる。
ボスも結局生きてはいたしね。
「さて、それじゃあ……本題のダンジョン破壊に移ろうか」
「……うん」
唇をキュッと結び、いかにも緊張している様子の雪さん。
彼女としては初めての、探索者の協定で厳しく制限されているはずのダンジョン破壊。
緊張するのはおかしなことではない。
「そりゃっ!」
といって気にしても仕方がないので、スパッとダンジョンの箱を破壊。
いつものように赤いゲートが出現し、それを潜る。
「……これは……!」
「『前回わたくしたちも触れてみましたが、うんともすんとも言いませんでしたわん』」
中の光景に目を光らせながら、機械のパネルやらなんやらを操作する雪さん。
本当に機械とかそういったもものが好きらしい。
「聞いていたと通りパネルを押せた感触はあるけど何も反応がない。解除に必要な操作があるのかも……パネルを押す組み合わせやタイミングとか……そもそもこの部屋に入る方法に問題がある可能性も……」
「雪さん」
嬉々として色々なものに触れながら考察している彼女を眺めるのは嫌いじゃないけど、それは残念ながら今じゃない。
今度一緒にアキバにでも行こう。
「あっ……ごめん……気持ち悪くてごめん……」
「前にも言ったけど、『かわいい』以外の感想はないよ。けど今回は目的が違うからさ」
「……うん。コア、だよね」
機械的なモニターやパネルとは対象的に、ファンタジー要素強めの、部屋の中央で宙に浮いているクリスタルのようなコア。
「じゃあ破壊するよ……一応こっちに来てくれる?」
「う、うん……」
雪さんを外套に包みながら、ブラックハイネスで魔力の斬撃を飛ばす。
<警告。警告。当ダンジョン、レベル5蜘蛛種ダンジョンのコアが破壊されました。迷宮内部の挑戦者を排出。これより最終試練を開始します。ご武運を>
「……この声……ダンジョンって一体誰が作ったんだろうね」
「ん~、多分神的な存在かも」
女神はダンジョンが『用意された』と言っていた。その可能性は高い。
「神様――わわっ!?」
「おっと」
対して言葉を交わせる間もなく、すぐに浮遊感に襲われ……気がつくと外に放り出されていた。
「あれは……壊したはずのコア? その周りに何かが集まってきている!」
「『お気をつけくださいわん。常識では考えられない存在が現れますわん!』」
緊張か恐怖か、リアたちを抱きしめながら震える雪さん。
今までと同じ法則ならば、蜘蛛タイプの超巨大モンスターが出現するはず。
現にうっすらと形作られつつある体の輪郭はミスリルゴーレムと同じくらいに広がっている。大体100メートルくらいだったか。
「ど、動画で見るよりも迫力が――あっ!」
雪さんが驚きの声を上げた瞬間。
「グぎゃギャギャ……ギシャアアアアーーー!!!」
例に漏れず、巨大なコア・ビーストがこちらを睨みつけながら現れた!
蜘蛛の体、そして人間の女性の上半身を持つモンスター!
「『顕現しました! どうかお気をつけを――わん!』」
「『撮影モード、スイッチオン完了だよぉ~♪』」
「『『鑑定』……アラクネ・コア。強靭な足は鋼鉄よりも硬く鋭い。無数の蜘蛛を使役する。吐き出す糸は強度、伸縮性に加えて魔力伝導率に非常に優れており、さながら伸び縮みするミスリル……ですわん!』」
いつもよりも情報の精度が高い。
これが鳳凰によって力を分け与えられたチカの力!
……あれ、何だか違和感が……。
「じゅルルる……ギャシャアアアアアッッ!!!」
「あぶねっ!」
「うわぁああっ!?」
鋼鉄よりも硬いとされる前足を思いっきり振り下ろすアラクネ・コア!
雪さんを抱えて避けることはできたが、地面には底が見えないほどの穴が空いている。
「……余計な考えは後だ! アラクネ・コア、討伐開始する!」
「うんっ!」
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