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第4章
第50話 かけがえのない物のためにかけがえのない者を差し出す勇気
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――とある休日。
自分の部屋で寝ていると突然の来客が。
「この度は突然のご訪問を受けてくださり誠にありがとうございます」
「こんにちは~! なの!」
「あ、はい。こんにちは。挨拶できて偉いね」
一応ちゃんと案内されて来たらしい2人組は、20代中頃くらいの女性と、小さい女の子。
女の子の方はなんとなく聞き覚えのある声のような……。
「はいなの! 未来の旦那様にきちんと挨拶できたの! 褒めて褒めて~!」
「?」
旦那様イズ誰?
よくわからんけど頭を撫でてあげよう。
「えへへ~♪」
「……ん」
純粋無垢な子どもの相手をするのは悪くない。こちらまで心が洗われるような気分になる。
こちらが寝起きだということと、この少女が誰かわからないことを考えなければ。
「お礼に飴ちゃんあげるの!」
「ありがと」
少女から受け取った飴を口に放り込む。
寝起きの嫌な気分の口内をさっぱりさせてくれる爽やかな飴ちゃんだ。
「おいしいよ」
「はいなの! 『我々紀伊國製菓自慢の飴ちゃん』なの!」
「へ~……そう、なんだ」
糖分が頭に回ったからか、思考がだんだんはっきりしてきた。
まずは始まりにして最も重要なところを聞こうじゃないか。
「ところで、お嬢ちゃんたちは誰?」
「申し遅れました、私は紀伊國製菓を経営しております、紀伊國杏子、それと娘の紀伊國愛空と申します」
「よろしくなの! 旦那様♪」
おっと、最も重要なところが更新されてしまったようだ。
「旦那様って言うのは? まさか――」
「もちろん凜音さまのことですよ」
「ですよねー」
あれ、これってやはり不審者ってやつじゃね?
それに少女はまだ年端もいかない見た目だし。
くりんとした瞳に茶色の長いツインテールがいかにも幼女。
となりの杏子さんとやらは大きなおっぱいにも拘らず体はとても細い美人さん。おっぱい大きいってことは不審者ではないか。
「……えと、とりあえずね? お嬢ちゃん何歳?」
「はちー! なの!」
「愛空、10の位を忘れてるわ」
「あっ! そうだったぁー! じゅーはちー!」
「騙されるかっ!」
どうみてもただの8歳児じゃないかっ!
「あのね、お嬢ちゃん。お兄さんには既にお嫁さんがいてね」
「だめなの?」
そんな上目遣いで見られても……。
「うん、ごめんね」
「そう言わずに凜音様。今なら会社とえちえちな母親もセットでついてきますのでどうかご再考くださいませ」
「いや8歳の娘の前で何言ってんの」
えちえちな母親とか。てか会社って何?
「これは失礼しました。会社を差し出しますのでどうか私を性奴隷にしてください」
「ひどくなってる!」
性奴隷とか! 子どもの前で言うなし!
「……お願いしますぅぅ~! 会社経営にもう疲れ果てまして! 後凜音きゅんの配信見てたらムラムラが抑えられなくってぇぇ~!」
「ちょっといい加減にしてよ! そもそもあんたじゃなくて愛空ちゃんを結婚させに来たんじゃないの!?」
「親子丼、いかがですか?」
「……」
おかしいな、製菓というくらいだからお菓子の会社じゃないのだろうか?
「できれば後10――いえ8――やはり5年ほど待って頂ければ親子揃って一生懸命ご奉仕しますから! それまで私だけでもお願いします!!!」
娘を俺と結婚させたいのか自分のためなのかわからんね。
どっちもお断りですけど。
「凜音様、実は紀伊國製菓さんには我々は日頃お世話になっていまして……」
「真世さん?」
いつの間にか、そして既に愛空ちゃんの耳を塞いでいた真世さんが割って入ってくれた。
「真里愛様が1日に1度は食されるほど好んでいらっしゃる『水飴夕張メロンがけ特上ふわとろチョコマシュマロメロンパン』を販売していらっしゃる紀伊國製菓さんですが――」
何そのカロリーの爆弾みたいなモノ。最近お腹あたりのプニプニ感が増した気がするのは勘違いじゃなかったらしい。
「我が社は倒産寸前なのです!」
「……ということで、会社を宝条財閥に買収して欲しい、ついでにお2人をお嫁さんにして欲しいと先日から何度もご挨拶頂いておりまして……それを耳にした真里愛様が……許可されました」
真里愛ァァァ! メロンパンの為に俺を売りやがったなぁぁッッ!!!
「凜音きゅんが学校卒業前に、鳳凰院様に何人もの女性を引き合わせたられたことを覚えていますか?」
「鳳凰院……あぁ、理事長さんか。まぁ覚えてるけど」
「その時に娘もいたのですが……並み居る大企業ご令嬢や名うての探索者の方々の間に割ってはいるのに無茶しちゃいまして! 参加費とか!」
「えっそれで倒産寸前なの!?」
社員さんがかわいそ過ぎる!
「はいっ!」
「『はい』じゃねぇ!」
もうやだ、この人と話しているととても疲れる。
絶対に寝起きで話していい人じゃない。寝起きじゃなくても嫌だけど。
「とりあえず今日の所はお引き取りを!」
「嫌ですぅ~! 会社の吸収や私とのおセッ○スや娘との婚姻の話が決まるまで帰りませぇ~ん!」
「要求多っ!」
しかも会社うんぬんは今日1日で決まらんでしょ!
「でしたらとりあえず私とのおセッ○スだけでもお願いしますぅ! この前からムラムラして仕方がないんですぅ!」
「ムラムラ言うなし! この前とか知らんから!」
「あの大きなワンちゃんに剣を突き立てたように! 私にもそのぶっといの突き刺してぇぇ~!」
「あんた娘の前で何言って――」
……ん?
何で漆黒堕天騎士モードのことを!?
自分の部屋で寝ていると突然の来客が。
「この度は突然のご訪問を受けてくださり誠にありがとうございます」
「こんにちは~! なの!」
「あ、はい。こんにちは。挨拶できて偉いね」
一応ちゃんと案内されて来たらしい2人組は、20代中頃くらいの女性と、小さい女の子。
女の子の方はなんとなく聞き覚えのある声のような……。
「はいなの! 未来の旦那様にきちんと挨拶できたの! 褒めて褒めて~!」
「?」
旦那様イズ誰?
よくわからんけど頭を撫でてあげよう。
「えへへ~♪」
「……ん」
純粋無垢な子どもの相手をするのは悪くない。こちらまで心が洗われるような気分になる。
こちらが寝起きだということと、この少女が誰かわからないことを考えなければ。
「お礼に飴ちゃんあげるの!」
「ありがと」
少女から受け取った飴を口に放り込む。
寝起きの嫌な気分の口内をさっぱりさせてくれる爽やかな飴ちゃんだ。
「おいしいよ」
「はいなの! 『我々紀伊國製菓自慢の飴ちゃん』なの!」
「へ~……そう、なんだ」
糖分が頭に回ったからか、思考がだんだんはっきりしてきた。
まずは始まりにして最も重要なところを聞こうじゃないか。
「ところで、お嬢ちゃんたちは誰?」
「申し遅れました、私は紀伊國製菓を経営しております、紀伊國杏子、それと娘の紀伊國愛空と申します」
「よろしくなの! 旦那様♪」
おっと、最も重要なところが更新されてしまったようだ。
「旦那様って言うのは? まさか――」
「もちろん凜音さまのことですよ」
「ですよねー」
あれ、これってやはり不審者ってやつじゃね?
それに少女はまだ年端もいかない見た目だし。
くりんとした瞳に茶色の長いツインテールがいかにも幼女。
となりの杏子さんとやらは大きなおっぱいにも拘らず体はとても細い美人さん。おっぱい大きいってことは不審者ではないか。
「……えと、とりあえずね? お嬢ちゃん何歳?」
「はちー! なの!」
「愛空、10の位を忘れてるわ」
「あっ! そうだったぁー! じゅーはちー!」
「騙されるかっ!」
どうみてもただの8歳児じゃないかっ!
「あのね、お嬢ちゃん。お兄さんには既にお嫁さんがいてね」
「だめなの?」
そんな上目遣いで見られても……。
「うん、ごめんね」
「そう言わずに凜音様。今なら会社とえちえちな母親もセットでついてきますのでどうかご再考くださいませ」
「いや8歳の娘の前で何言ってんの」
えちえちな母親とか。てか会社って何?
「これは失礼しました。会社を差し出しますのでどうか私を性奴隷にしてください」
「ひどくなってる!」
性奴隷とか! 子どもの前で言うなし!
「……お願いしますぅぅ~! 会社経営にもう疲れ果てまして! 後凜音きゅんの配信見てたらムラムラが抑えられなくってぇぇ~!」
「ちょっといい加減にしてよ! そもそもあんたじゃなくて愛空ちゃんを結婚させに来たんじゃないの!?」
「親子丼、いかがですか?」
「……」
おかしいな、製菓というくらいだからお菓子の会社じゃないのだろうか?
「できれば後10――いえ8――やはり5年ほど待って頂ければ親子揃って一生懸命ご奉仕しますから! それまで私だけでもお願いします!!!」
娘を俺と結婚させたいのか自分のためなのかわからんね。
どっちもお断りですけど。
「凜音様、実は紀伊國製菓さんには我々は日頃お世話になっていまして……」
「真世さん?」
いつの間にか、そして既に愛空ちゃんの耳を塞いでいた真世さんが割って入ってくれた。
「真里愛様が1日に1度は食されるほど好んでいらっしゃる『水飴夕張メロンがけ特上ふわとろチョコマシュマロメロンパン』を販売していらっしゃる紀伊國製菓さんですが――」
何そのカロリーの爆弾みたいなモノ。最近お腹あたりのプニプニ感が増した気がするのは勘違いじゃなかったらしい。
「我が社は倒産寸前なのです!」
「……ということで、会社を宝条財閥に買収して欲しい、ついでにお2人をお嫁さんにして欲しいと先日から何度もご挨拶頂いておりまして……それを耳にした真里愛様が……許可されました」
真里愛ァァァ! メロンパンの為に俺を売りやがったなぁぁッッ!!!
「凜音きゅんが学校卒業前に、鳳凰院様に何人もの女性を引き合わせたられたことを覚えていますか?」
「鳳凰院……あぁ、理事長さんか。まぁ覚えてるけど」
「その時に娘もいたのですが……並み居る大企業ご令嬢や名うての探索者の方々の間に割ってはいるのに無茶しちゃいまして! 参加費とか!」
「えっそれで倒産寸前なの!?」
社員さんがかわいそ過ぎる!
「はいっ!」
「『はい』じゃねぇ!」
もうやだ、この人と話しているととても疲れる。
絶対に寝起きで話していい人じゃない。寝起きじゃなくても嫌だけど。
「とりあえず今日の所はお引き取りを!」
「嫌ですぅ~! 会社の吸収や私とのおセッ○スや娘との婚姻の話が決まるまで帰りませぇ~ん!」
「要求多っ!」
しかも会社うんぬんは今日1日で決まらんでしょ!
「でしたらとりあえず私とのおセッ○スだけでもお願いしますぅ! この前からムラムラして仕方がないんですぅ!」
「ムラムラ言うなし! この前とか知らんから!」
「あの大きなワンちゃんに剣を突き立てたように! 私にもそのぶっといの突き刺してぇぇ~!」
「あんた娘の前で何言って――」
……ん?
何で漆黒堕天騎士モードのことを!?
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