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第4章
第59話 慰めた後は……
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ランチョンは……AIじゃない……!?
「そん、な……っ!?」
「いえ、AIも搭載してるのですけれども。実は今までの会話のやり取りなどは、マニュアル操作で我々が直接行っていたのですわ! ランチョンの時は主にわたくしですが!」
なん……だって……?
「ランチョンを出して頂いてよろしいですか?」
「あ、あぁ……」
頭がうまく回らない中、言われるがままランチョンを取り出してフランに渡す。
「ここの……お尻のところを7秒ほど長押ししますと――」
「『オートモードに切り替えます。デバイス情報の確認――ペン。通信状況――ペン。周囲の状況の確認――完了ペン。おはようございます、凜音様。ご指示をお願いしますペン』」
抑揚のない、文字通り機械的な音声が流れ始めた。
「……」
「まあ今は置いておきまして、問題はここからですわ」
置いてかないでくれ……! 事態が飲み込めない!
「配信終了後、わたくしは席を外しました。その後ランチョンの起動を知らせるアラームが鳴ったのですが――」
「魔人のとき、だね」
「はい。その時対応してくれたのが、ちょうど操作盤の近くにいた……まひるなのですわ」
「……」
そういう、ことか。
あの時俺はランチョンに魔人の情報を求めたが、芳しくない反応にすぐに『収納』してしまった。そのことでまひるちゃんを傷つけてしまったのだ。
「……あたし……ごめん、なさい……」
「いや! まひるちゃんが謝ることじゃない! 俺の配慮が――」
「あたし……! 凜音様が必要な時に……! 力になれなかった……」
……違った。
「魔人は怖い存在だって、そればっかりで……必死に戦おうとする凜音様の助けになれなくて……あたし……」
再びすすり泣く声だけが部屋に響く。
冷たくされたからじゃない。まひるちゃんは……俺の力になれなかったと思い込んで落ち込んでいるんだ。
「……通信が途絶えた後、まひるはわたくしを呼び、真世に緊急車両の手配をしてくれたのです。その時の表情は……」
「……」
俺が死ぬかも知れない。そんな状況でまひるちゃんは……。
「その後真世から凜音様の無事を知らされて、ご覧の状況ですわ!」
「……もう、あたしには凜音様にお仕えする資格が……ありません……」
……まいったな。まいった。どうしようもない。
本当にまいった。
「ごめん、こんな事言うのはどうかしてるかも知れないけど……まひるちゃんが愛おしくてたまらない」
「……えぇ?」
「こんなにも想ってくれてありがとう。後悔してくれてありがとう。改めて、これからも支えて欲しい」
「そんな……意味がわからない……」
そうだろうそうだろう。しかしそうとしか言えない……いや、ちゃんと伝えなきゃ。
「いつもまひるちゃんのかわいい笑顔に癒やされ、健気な姿に励まされる。そばにいてくれるだけで幸せだよ。素直じゃなさすぎて素直なところも大好きだ!」
「……けどぉ……」
「まひるちゃんは戦闘面でもサポートしたいと思ってくれてるの? それならそれで嬉しいけど」
「……それ、は……」
正直厳しいだろうけど。フランのように『鑑定』などが使える訳でも、探索者としての経験がある訳ではないのだから。
「あたし、は……」
「うん」
「……違う、かも……」
そっかそっか。
「そう。なら、今回のまひるちゃんは完璧だったんじゃない? すぐにフランや真世さんを呼んだんでしょ? そのお陰で星奈さんは助かったんだし!」
「……」
「それに直接戦いのサポートじゃなくても、『怪我しないで』とか『無事でいて』とか……この言葉にどれだけ励まされたかわかるかい?」
「あ……」
「これからも頼むよ。ずっとそばで、励ましてください」
目に涙を溜め、今にも泣き出しそうな顔で俺をじっと見つめるまひるちゃん。
きっと、その涙はさっきまでと違うものだ。
「……こんな、あたしでもいいの……?」
「まひるちゃんだからいいんだよ」
まひるちゃんを抱きしめる。
落ち込む必要などない。後悔する必要もない。ただいてくれるだけで嬉しいんだと思いながら。
「……キス、して」
「うん」
そっと、力強くまひるちゃんの唇に触れる。そして――。
「さっ! 一件落着といきましたし、魔人についてのお話を致しましょう!」
どうしてぇっ!? これからまひるちゃんと濃厚慰めックスの流れだったじゃん!
どうでもいいよ! 魔人なんか!
「そうですね! 2度と辛い思いをしないためにも! 今度会ったらコテンパンにしちゃってくださいっ!」
「ふふ。その意気ですわよ、まひる!」
……そうだね!
「そん、な……っ!?」
「いえ、AIも搭載してるのですけれども。実は今までの会話のやり取りなどは、マニュアル操作で我々が直接行っていたのですわ! ランチョンの時は主にわたくしですが!」
なん……だって……?
「ランチョンを出して頂いてよろしいですか?」
「あ、あぁ……」
頭がうまく回らない中、言われるがままランチョンを取り出してフランに渡す。
「ここの……お尻のところを7秒ほど長押ししますと――」
「『オートモードに切り替えます。デバイス情報の確認――ペン。通信状況――ペン。周囲の状況の確認――完了ペン。おはようございます、凜音様。ご指示をお願いしますペン』」
抑揚のない、文字通り機械的な音声が流れ始めた。
「……」
「まあ今は置いておきまして、問題はここからですわ」
置いてかないでくれ……! 事態が飲み込めない!
「配信終了後、わたくしは席を外しました。その後ランチョンの起動を知らせるアラームが鳴ったのですが――」
「魔人のとき、だね」
「はい。その時対応してくれたのが、ちょうど操作盤の近くにいた……まひるなのですわ」
「……」
そういう、ことか。
あの時俺はランチョンに魔人の情報を求めたが、芳しくない反応にすぐに『収納』してしまった。そのことでまひるちゃんを傷つけてしまったのだ。
「……あたし……ごめん、なさい……」
「いや! まひるちゃんが謝ることじゃない! 俺の配慮が――」
「あたし……! 凜音様が必要な時に……! 力になれなかった……」
……違った。
「魔人は怖い存在だって、そればっかりで……必死に戦おうとする凜音様の助けになれなくて……あたし……」
再びすすり泣く声だけが部屋に響く。
冷たくされたからじゃない。まひるちゃんは……俺の力になれなかったと思い込んで落ち込んでいるんだ。
「……通信が途絶えた後、まひるはわたくしを呼び、真世に緊急車両の手配をしてくれたのです。その時の表情は……」
「……」
俺が死ぬかも知れない。そんな状況でまひるちゃんは……。
「その後真世から凜音様の無事を知らされて、ご覧の状況ですわ!」
「……もう、あたしには凜音様にお仕えする資格が……ありません……」
……まいったな。まいった。どうしようもない。
本当にまいった。
「ごめん、こんな事言うのはどうかしてるかも知れないけど……まひるちゃんが愛おしくてたまらない」
「……えぇ?」
「こんなにも想ってくれてありがとう。後悔してくれてありがとう。改めて、これからも支えて欲しい」
「そんな……意味がわからない……」
そうだろうそうだろう。しかしそうとしか言えない……いや、ちゃんと伝えなきゃ。
「いつもまひるちゃんのかわいい笑顔に癒やされ、健気な姿に励まされる。そばにいてくれるだけで幸せだよ。素直じゃなさすぎて素直なところも大好きだ!」
「……けどぉ……」
「まひるちゃんは戦闘面でもサポートしたいと思ってくれてるの? それならそれで嬉しいけど」
「……それ、は……」
正直厳しいだろうけど。フランのように『鑑定』などが使える訳でも、探索者としての経験がある訳ではないのだから。
「あたし、は……」
「うん」
「……違う、かも……」
そっかそっか。
「そう。なら、今回のまひるちゃんは完璧だったんじゃない? すぐにフランや真世さんを呼んだんでしょ? そのお陰で星奈さんは助かったんだし!」
「……」
「それに直接戦いのサポートじゃなくても、『怪我しないで』とか『無事でいて』とか……この言葉にどれだけ励まされたかわかるかい?」
「あ……」
「これからも頼むよ。ずっとそばで、励ましてください」
目に涙を溜め、今にも泣き出しそうな顔で俺をじっと見つめるまひるちゃん。
きっと、その涙はさっきまでと違うものだ。
「……こんな、あたしでもいいの……?」
「まひるちゃんだからいいんだよ」
まひるちゃんを抱きしめる。
落ち込む必要などない。後悔する必要もない。ただいてくれるだけで嬉しいんだと思いながら。
「……キス、して」
「うん」
そっと、力強くまひるちゃんの唇に触れる。そして――。
「さっ! 一件落着といきましたし、魔人についてのお話を致しましょう!」
どうしてぇっ!? これからまひるちゃんと濃厚慰めックスの流れだったじゃん!
どうでもいいよ! 魔人なんか!
「そうですね! 2度と辛い思いをしないためにも! 今度会ったらコテンパンにしちゃってくださいっ!」
「ふふ。その意気ですわよ、まひる!」
……そうだね!
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