発情監禁ルーム - 発熱オメガはスパダリ隊長の番にされる -

雪兎

文字の大きさ
12 / 18

第12話 お前だけに、触れてほしい夜

しおりを挟む
「ねぇ、カイル……」

珍しく、レイの方から声をかけてきた。

夜。部屋は薄暗く、非常灯のオレンジ色がぼんやりと空間を照らしている。
発情期は峠を越えたはずなのに、レイの体はまだ少し熱を帯びていた。

「どうした?」

「……その、こっち、来てくれる?」

いつものようにベッドの端で身を丸めていたレイが、布団を少しだけ開いて差し出す。
その仕草はあまりに恥ずかしげで、しかしどこか決意に満ちていた。

カイルはゆっくりと歩み寄り、レイの隣に腰を下ろす。

「今日は、どうした? 熱でもぶり返したか?」

「違う。ただ……あんたの匂い、欲しいなって思った」

その一言に、カイルの喉がかすかに鳴った。
それはΩの本能が求める“αの匂い”。そして、レイ自身の意志でもあった。

「レイ……本当に、いいのか?」

「……うん。少しだけ、触れて」

カイルは、言葉よりもずっと優しく、そっとレイの頬を撫でた。

レイは目を伏せたまま、その手に身を任せる。

「……ずっと怖かった。番になったら、また壊されるかもしれないって」

「壊さない。俺は、お前を守る番になる」

カイルの声は低く、穏やかだった。
その響きに、レイの肩から力が抜けていく。

「んっ……」

彼の指が首筋をなぞると、微かに咬み跡の痕が熱を持った。
そこが、“番の証”だということを、レイの体が思い出す。

「……カイル、もう少し、強くしてもいいよ」

「……レイ」

カイルの手が、ゆっくりとレイのシャツのボタンを外していく。
慎重に、恐れないように。触れるたびに、レイの瞳が潤んでいく。

「っ……やっぱり、恥ずかしい……」

「大丈夫。今日は、お前が望んだ夜だ。俺はそれに、応えるだけだ」

唇が重なる。呼吸が交じる。
甘く湿った吐息が、薄暗い部屋の空気を震わせる。

その夜、レイは初めて“自分の意志で”カイルを求めた。
触れて、委ねて、繋がっていく。

番であることの重みと優しさを、全身で確かめながら。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

貧乏Ωが御曹司αの将来のために逃げた話。

ミカン
BL
オメガバース

ネガティブなΩがスパダリαから逃げる

ミカン
BL
オメガバース

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

若頭の溺愛は、今日も平常運転です

なの
BL
『ヤクザの恋は重すぎて甘すぎる』続編! 過保護すぎる若頭・鷹臣との同棲生活にツッコミが追いつかない毎日を送る幼なじみの相良悠真。 ホットミルクに外出禁止、舎弟たちのニヤニヤ見守り付き(?)ラブコメ生活はいつだって騒がしく、でもどこかあったかい。 だけどそんな日常の中で、鷹臣の覚悟に触れ、悠真は気づく。 ……俺も、ちゃんと応えたい。 笑って泣けて、めいっぱい甘い! 騒がしくて幸せすぎる、ヤクザとツッコミ男子の結婚一直線ラブストーリー! ※前作『ヤクザの恋は重すぎて甘すぎる』を読んでからの方が、より深く楽しめます。

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜

レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」 魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。 彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。

のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした

こたま 療養中
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

処理中です...