発情監禁ルーム - 発熱オメガはスパダリ隊長の番にされる -

雪兎

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第14話 あの日の傷と、今の誓い

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「……本部に呼び出し、ですって?」

隔離ルームから解放されたその日。
レイは未だぼんやりとした頭で、報告に来た女性士官の言葉を反芻していた。

「はい。大尉と対象オメガの両名に、事後報告と調査のための聴取命令が出ています」

軍施設の外に出たというのに、まるで自由ではなかった。
カイルの腕の中にいたあの数日が、夢のように思えるほどに。

「……わかった。行くよ」

カイルは何も言わなかった。ただレイの背中を守るように、黙って付き添ってくれた。
そして――軍本部の一室。そこには、冷たい表情の上官たちが待っていた。

「大尉。隔離中の行動記録を確認した。……該当オメガとの交尾反応が認められる」

「……はい」

「軍の規定では、隊長職にある者の私的関係は禁止されている。
ましてや番関係にあるなど、軍規違反も甚だしい」

机を叩く音が、レイの胸に刺さる。
カイルの表情は崩れない。けれど、その両拳はわずかに震えていた。

「俺が、彼を守りたかった。それだけだ。罰を受けるなら、俺だけでいい」

「残念だが、そうはいかん。……該当オメガも、部隊を異動してもらう。君たちは――もう、別々だ」

レイの息が止まった。

「待って、そんな――」

何かを言いかけた彼に、カイルが手を伸ばす。
それは“黙っていてくれ”という合図ではなかった。
“信じろ”という、強くて優しい、番としての誓いだった。

部屋を出ると、カイルが静かに告げた。

「レイ、俺……軍を辞める」

「……なっ」

「お前が異動させられて、離れ離れになるくらいなら、俺が軍を出る。
――お前の番として、生きる道を選ぶ」

レイはその場に立ち尽くした。
ずっと夢見ていた“誰かに守られること”が、今まさに目の前に差し出されている。

「……ほんとに、それでいいの?」

「いいわけがない。軍は俺の居場所だった。だが――」

カイルは言う。
「お前が、俺の居場所になった」

レイの目から涙がこぼれた。
熱くて、重くて、そしてどこまでも優しい愛が、胸にあふれていく。
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