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EPISODE98

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「この前見たく、ヤンキーに絡まれてるヒロインを純赤のレッドが救うストーリーでいいんじゃない?」
「ふぁ?」
俺が本能と戦っていたら、突如そう呟く実莉に俺は変な声を出してしまった。
「ダメだった?」
「い、いや、いいと思う」
正直、どんな内容か聞いてなかったけど、俺はそう返す。
「それじゃ、脚本係の田中本田くんに渡しとくね」
田中本田・・・・言っちゃ悪いが、めっちゃ変な名前。




1週間後・・・本格的に劇の練習が始まって来た。
「ハハハ、オレタチハ純赤ノレッド。ソコノオ前、少女ヲ離セ」
「カットカット!ちょっと、遠藤くん。もっと心を込めて」
俺は1週間でチキンへと戻っていた。
「いや、だって・・・・めっちゃ見てくるし・・・・」
大勢に見つめられると鼓動が早くなって、変な気分になるよね?それが緊張です。
「OK、それじゃ、一旦今役のない人は教室から出てくよ。それでやって見て」
田中本田がそう言うとクラスみんなは廊下へと出ていく。
あれ?こいつらって、意外といいヤツら・・・・?
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