「因縁の相手」

著恋凛

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最終章、全面戦争・・・編

44話(162話)「3式」

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「ははっ、」
と、支配者(ルーラー)は笑い、
「これで契約完了だ。」
と、言った。
そして俺が契約した瞬間、頭から悪魔のツノが生えた。
勝手に身体が動く。
「我は悪魔、支配者(ルーラー)。この闘い、我が一人で受け持つ。前村歩希の仲間はここから去れ。残った奴は全員倒す。」
俺は口を動かしていない。全て支配者(ルーラー)が言ったことだ。
「歩希?どうゆう事だ?」
当然のように田口さんが聞いてくる。
「分かりません。なんか悪魔と契約したみたいで・・・・・」
「そうか。」
そう言ってから、
「上に戻るぞ。」
と、皆に伝えた。
俺は勝手に身体が動き、ナイフを壊す。自分の身体が自分の物では無いようだ。
俺以外の皆は集まったようだ。
快知の手はまだ完全には治ってないが動かす事ぐらいは出来るぐらい治っている。
それに快知のお兄さんもいた。
何かを話している。でも、そこまでは3メートル以上ある。聞こえる筈が・・・・・あった。聞こえた。
「さぁー、上に行くぞ。」
田口さんがそう言うと快知が、
「待って、歩希はどうなるんですか?」
と、心配そうに言う。
今は自分の心配しろよ。内心そう思うが言葉には出ない。いや、出せない。
「歩希は負けない。絶対にだ。もし、歩希が負けて死んだら責任は俺が負う。だから、今は行くぞ。」
そしてみんなは扉の方に走って行き、部屋から出た。
完全に意識を向こうに向けていたので、今俺がどのような事をしているのかわからない。
意識をこちらにに向けるとナイフは既に全て壊していた。
「おい、歩希。この先はお前が使う事になるからよく身体で覚えとくんだぞ。」
支配者(ルーラー)は「すーはー」と一度深呼吸する。
羽場は驚いてはいるが能力を突破出来るわけがないと思っていて差程表情を変えない。
「悪魔式能力   3式   『破壊』」
悪魔式能力?聞いた事ない。そんな事一人も言ってなかった。
俺が考えてる間も身体は勝手に動く。
「なっ!?」
ここに来て初めて羽場はビックリしている。
ナイフを16本展開し、こちらに迫って来る。
16本のナイフ・・・・・通常じゃ5本は確実に刺さる。動体視力をどんなに上げてもだ。
でも、今の俺には一本も刺さらない。
自分でも見えない速度で日本刀を振る。
宙に浮いていたナイフ16本は32本と変わり、地に落ちた。
羽場は恐怖心まで覚える。
支配者(ルーラー)は羽場まで一直線に歩く。何度も何度も羽場は能力を使うが意味が無い。
そして羽場を壁側まで追い込んで支配者(ルーラー)は刃の方ではなく、棟で羽場を叩く。羽場は意識を無くす。その羽場の両足を折る支配者(ルーラー)、そして
「我はもう時間切れだ。」
と、言った。その刹那、俺の頭に生えたツノが引っ込んだ。引っ込んだ!?
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