「因縁の相手」

著恋凛

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最終章、全面戦争・・・編

43話(161話)「畏怖」

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「能力?」
どうゆう事だ?俺の能力?
「ああ、我は体質に合った人、私利私欲のために勝利を願った者だけに現れる。1年もまたせやがって。」
ますます分からなくなってきたぞ。体質?私利私欲?
「俺は常に私利私欲のために闘い続けて来たぞ。」
そう言う俺に間髪入れずに支配者(ルーラー)は言った。
「違う。お前は今までずっと妹のために闘っていた。妹が助かるなら自分は死んでもいい。そう思って闘っていたよ。」
「・・・」
俺は黙る。図星だったからだ。
「でも、今は違う。今は自分のために闘っている。だから、我が表に出て来れた。後はお前の許可だけで我が力を貸してやる。ま、その代わりに慣れるまではお前の身体を半分操らせてもらうがな。」
力を貸す?
「その力があればあいつ・・・・・羽場雅人は倒せるのか?」
俺の質問に支配者(ルーラー)は
「余裕。」
と言った。
それでも俺は畏怖の感情に苛まれる。
自分の身体が半分自分のではなくなってしまう。少なくとも今回使用する時は。
その事から俺は羽場の能力かと思ってしまう。こうして洗脳していたのかと。
でも、その瞬間。俺の耳に奏斗さんの声が入る。
「歩希、前。」 
その声を聞いて俺は考える事ではなく、戦闘の方へと意識を向けたがもう遅い。
このナイフ達は確実に急所を狙ってくる。
心臓はもちろんな事、大動脈や腋窩動脈、頸動脈などを。
そして今回は眼球。
目を潰しに来た。
少し支配者(ルーラー)の方に意識を向けすぎたかな。
能力も使えない。でも、目を一つぐらいならくれてやる。死にはしない。
その覚悟でナイフが俺の眼球を潰すのを待っていたが、俺とナイフの間に一つの手が置かれる。
本来俺の眼球に刺さるだろうナイフはその手に刺さる。
俺の顔には生暖かい液体が飛び散る。
どうして・・・・・どうしてそんな事するんだ、
「快知!」
快知の手にはナイフが刺さっている。
「痛えな。」
そんな言葉を漏らす快知。そして
「歩希、羽場倒したらなんか奢れよ。」
と、手を抑えながら言う。
「快知、こっちに来い。」
快知は奏斗さんが言う方にナイフを躱しながら行った。
はぁ、俺はなんでこんな事を考えてんだ?俺は一つの選択肢を間違えたせいで快知の手にナイフが刺さった。
それに俺の仲間は強い。もし俺が洗脳されても殺してくれるだろう。しかも上手く行けば羽場を倒せるんだぞ。だったらあの話に乗るしかないよな?だから・・・・だから、俺の身体の半分をやるよ。その代わり、力を貸せ。支配者(ルーラー)。
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