「復讐の相手」

著恋凛

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7話

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相手は飛び道具を持っているで、接近戦は不利。普通じゃ、考えられない。でも、俺は飛び道具なんぞ持ってないし、コピーで一時的に使うとしても数分が限界。だから、俺は地を蹴り一気にペルー人の間合いに入る。左肩から右脇腹向けて日本刀を振り抜こうとするが、ナイフで受け止められる。ローキックが来たのでジャンプで躱すが、俺の着地点に銃口が向けられる。このまま着地すれば確実に被弾するだろう。だから、3式を使って自分の近くの重力を破壊する。無重力状態になった俺は宙に浮く。
完全に落ちてくると思っていたペルー人は俺の着地点だった誰もいない所に発砲、もちろん誰にも当たらず、地面に銃弾がめり込むだけだ。ペルー人の持ってる銃がシングルアクションで良かった。ハンマーを押している間に3式を解除し、足払いをする。それが綺麗に決まり、受身を取れなかったせいか分からないが、頭を強く打ち気絶した。
エマさんの方を見ると嬉しそうにこちらへと歩み寄ってくる。
「ホントに無傷で勝つなんてすごいです!でも、ジャンプして着地点に銃口を向けられた時はヒヤヒヤしましたよ。」
「別に他にも手はあったよ。日本刀を地面に刺して滞空時間を伸ばすとか。」
そう言うとエマさんは目をキラキラさせながら、
「歩希さんの事これから師匠で呼びますね。私の事はエマとお呼びください、師匠。」
と、言う。
師匠?なんか変なあだ名?が付けられたがまぁ、いいとしよう。
「奥に仲間がいるらしいから行くぞ、エマ。」
「はい!師匠!」
そう言いエマは俺の後ろを付いてくる。



2、3分歩くと独房に入ったハロンを見つけた。
「よ!調子はどうだ?」
「訳も分からず車に連れ込まれ、気づけばここにいた。調子がいいように見えるか?」
そう言いながら、俺たちに1番近い鉄の棒の壁に近づいてくる。
「お前が言うには俺がお前の人生を壊した。そんな俺がお前をここから救ってやる。だから、仲間になれ。」
「ハハッ」
と、ハロンは笑ってから言う。
「それじゃ、プラマイゼロだろ。でも、入ってやるよ。お前らの仲間に。その代わりに俺に戦い方を教えろ。それが最低条件だ。」
「いいだろう。ようこそ、俺らの仲間へ。」
そう言いながら、俺はハロンの独房の鉄の棒を曲げる。そこから、ハロンは出てきて俺らの仲間が増えた。これで組織は4人。最低でも50人ぐらいは欲しいところだ。
完全な分隊数個を作らなければ日本の陸上自衛隊能力部隊は壊滅できなさそうだしな。
「師匠、この子がハロンですか?」
「あぁ、そうだ。」
「可愛いですね。私一人っ子だったので弟が欲しかったんですよ。」
嬉しそうに言うエマにハロンを少し距離をとる。
「この女の人はエマって言うのか。てか、なんで師匠なんだ?」
その問いに俺は頭を悩ませる。が、結果はもちろん。
「分からん。」
「ま、俺も戦い方を教えてもらう身だし、師匠って呼ばせてもらうぜ。」
待って、このままじゃ完全に俺の呼び名が師匠になる。
「まぁ、好きにしろ。ほい、じゃぁー今から俺のもう1人の仲間の所に戻るから着いてこいよ。」
そして俺たちは歩き出す。



俺は2人の仲間を連れてアタッシュケースをふたつ乗っけた上に座っている夕貴の所まで戻って来た。
「謎に増えてるんだけど・・・」
困惑したようにこちらを見てくる夕貴。
「まぁ、色々あったんだよ。」
「そうなのね。」
すると、エマが夕貴に右手を差し出す。
「初めまして、私はエマ・ジョンソン。師匠に助けられてからこの組織に加わることになりました。これからはエマとお呼びください。」
その差し出された手を掴む。
「私は波崎夕貴。これからよろしくね。」
そう万遍の笑みで言った。そしたら、エマがこちらを見てきて、
「師匠、私妹も欲しいと思ってたんですよぉー。」
いやぁ、ギスギスした空気にならなくてよかっt・・・
「おい、師匠。師匠の仲間ってこいつか?ガキじゃねぇか。」
ああああああ、こいつの事忘れてた。完全に変な空気になるやつだ。それだけは避けたい。だから、俺が犠牲になるしかないか…
「何言ってんだハロン。夕貴は可愛くて、頭も良くて、優しくて、そして能力ありの戦いならワンチャン俺より強い。そしてこの組織のボスは夕貴なんだぞ。」
「本当か?師匠。」
「ああ。」
そう言うとハロンは夕貴に頭を下げて、
「すみません。ボス!」
と、言う。お?これはもう夕貴のあだ名はボスに決定か?
「別にいいわよ。初対面なんだから外見で判断する事が普通だし。それよりよろしくね、ハロン。」
「師匠が言った通り優しいですね。ボス。」
俺は外を見る。船は既に出航しており、だいぶ時間も経っていたのでオーストラリア大陸は全くもって見えなくなってしまった。これからどうなるのか俺には全く予想がつかない。
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