「復讐の相手」

著恋凛

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17話

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「いやぁ、予想通り予想通り。部下を犠牲にしたかいがあったね。」
さっきまでとは違い、月が出ているので多少は明るくなった。そのせいで多良喜の顔がよく見える。多良喜は今口元をニヤつかせながら笑っている。何がそんなに面白いのかわからない。
「正直もう蓮兎なんてどうでもいい。俺はお前、前村歩希と戦いたい。久しぶりに出逢えた本気で戦えるやつ。もう何年も逢ってないが、ようやく現れた。さぁ、戦える。前村歩希。」
そいつは狂気にも似たような笑顔で俺を指刺す。
「だそうだ。もう船は創っといたからお前らは先に行ってろ。」
そして俺は近くにいたハロンに持っていた荷物を渡す。日本刀を取り出す。それとコートの下に付けてあるチェストホルスターにグロックがちゃんとあるか確認しする。変えの弾もある。完全装備ってやつだ。
「準備はできたか?」
そう言う多良喜は未だに狂気じみた笑顔でこちらを見てくる。とりあえず、キモイからその笑顔やめて欲しい。
「あぁ、出来たぜ。DESTROYERSが相手してやるよ。」
鞘から刀を出す。相手は完全この日本刀で攻撃してくると思っているだろう。だから、瞬時にグロックを取り出し発砲。ギャングとの戦闘と時とは違い、エマに死ぬほど指導を受けたので命中率は高くなっていると思う。まだ完璧ではないが。
発砲された3発の銃弾は一直線に多良喜の身体目掛け飛んで行くが、懐から出したナイフで1つの銃弾は弾かれ、残り2つは避けられた。
やっぱり只者ではないな。この攻撃を受けきるとは。
今度は一気に近づき、近接戦をする。俺の日本刀を多良喜はナイフで捌き切る。
くっそ、やっぱりすごいな。
「お前は強いよ。俺もお前とは本気で殺り合いたかった。でも、こっちには時間が無いんだよ。悪いな。」
そして、俺は地面を蹴る。海ということはここは砂浜だ。俺が地面を蹴ることによって大きな砂埃が舞う。 
俺は大きくバックステップで後ろに飛ぶ。多良喜は砂が目に入り、視界が塞がれている。
そんな時、3つの発砲音。それは俺が撃ったのでは無く、船から撃ったものだ。そこにはレイルから顔と銃だけが出ている蓮兎の姿があった。
3つの発砲は多良喜の両足と右肩に被弾する。すると、多良喜は声にならない声で叫ぶ。
「ぐ  あ゛あ゛あ゛」
「ホントに済まなかったな。俺だってできることなら最後まで1体1で戦いたかった。ホントに済まない。でも、俺は最初に言ったぞ。“DESTROYERS”が相手をするって。お前は部下の事を駒としか思ってないんだろ?だから、今ここに誰も助けに来ない。仲間ってのはよ、ピンチな時ほど頼りになる存在なんだぜ。もし、次があるのなら、ちゃんと部下は大事にするもんだぜ。うちのボスみたいにな。それじゃ、また戦える機会があったら戦おう。」
悶え苦しんでる多良喜にそう言い残して俺は船へと向かう。




俺が船に飛び乗ると同時に船は出航する。いやぁ、ホントに助かった、アベルが船の操縦できて。
「ありがとな、蓮兎。」
あの攻撃は特に話し合ったものでは無く、完全なアドリブだ。俺は蓮兎の姿が見えたから多良喜の動きを止めた。そしたら蓮兎が撃ってくれたのだ。
「別に俺は何も。快知さんがパトカーの音が聞こえるって言ったから手伝っただけですよ。」
「手伝ってるやん。」
と、ツッコミを入れ、俺らはみんながいるであろう場所へ向かった。
「お、無事だな。良かった良かった。」
そして、俺らは約7時間の船旅が始まった。始まったと言っても夜なので寝たら着くんだけどな。




「・・・たよ・・・・つ・・・たよ・・・・・着いたよ!」
その声と同時に俺は目を覚ます。
「んぁ、夕貴か。ってもう着いたのか。」
ホントに寝たら着いたよ。これが現代科学か。
「はいはい、さっさと起きて!早く新しい拠点に行くわよ。」 
「新しい拠点に行くって?」
辺りを見渡すとそこには夕貴以外誰も居ない。置いてかれたってわけではないだろう。
「歩希は疲れてるだろうから少しだけみんなには先に行っといて貰ったのよ。まぁ、いいから行くわよ!」
そして夕貴は歩き出す。それに追いつくように俺も小走りで夕貴の隣りに向かうのだった。
船からおり、俺は自由の国アメリカに踏み入った。
そこから少し歩き、街に出る。建物、人、食べ物、全てが日本より大きく、俗に言うアメリカンサイズだ。
「てか、ここどこ?」
アメリカって事はわかるが、何州かはわからない。生活していくに当たって不便がない所だったらいいが・・・・
「ここはカリフォルニア州ね。アメリカの中で1番人口が多い州よ。」
カリフォルニア州・・・・聞いたことはある!
と、まぁ、そんな感じで歩いていき、俺たちの新拠点の入口に着いた。
「やっぱり、山の中なんだな。」
新拠点はペルーの時同様警備されてない山の中。バレはしないんだろうが、不便で仕方ない。
「仕方ないでしょ。街中に急に家が出来たら警察呼ばれるだろうし、それにここら辺じゃ、地下は使い放題なのよ。中に入ってみれば分かるわよ。」
その言葉通り、俺は中に入ると絶句するのだった。
「・・・・なんじゃこりゃ!」
中は一切合切変わっていなかった。リビングに部屋、何も変わってない・・・
「ちゃんと拠点中見てきなさいよ。」
夕貴に言われるがまま、俺は拠点中を歩き回る。それで変わった場所があった。
「・・・訓練所・・・」
娯楽室の奥にそのようなプレートと扉がある。その先に行ってみると、そこは広く、警視庁の地下3階のような場所だった。
「快知に頼んどいたのよ。いちいち外に行って、森の奥で街に銃声が届かない場所で訓練するのは少しめんどくさいでしょ?ここは完全防音、夜中でも明け方でもいつでも使っていいわよ。それと、次に訓練する時は私も誘いなさいよ。」 
完全防音でいつでも使えるのは嬉しいが、それ以上に最後の一言が気になった。
「ふぇ?」
「これは私と歩希の復讐劇よ。いつまでも後方で頭脳戦を繰り広げてるなんてごめんよ。次から戦う時は前線で作戦を伝えながら戦うの。だから、銃やナイフなどをもっと使いこなさないといけない。そのために私も訓練するって言ってるのよ!」
そう言う夕貴はいつもよりも幼く見える。けど、その眼はとても真剣だった。
俺はたまに忘れてしまう。夕貴がまだ16歳だって事を。ま、なんにせよ、また始まるのだ。アメリカと言う新天地でDESTROYERSのレベル上げが。

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