「復讐の相手」

著恋凛

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26話

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3分・・・4式を使えば30秒は何とかなるが、それはダメだ。今日はカノッシュとの戦闘でだいぶ疲れてるから下手したら頭痛がヤバくなって動けなくなる。
クッソ、あっちなら上手くいくか分からないけど何とかなるだろう。
透明になるって言っても所詮人の目から見えなくなるだけ・・・この世からいなくなる訳では無い。だから、俺はこの前公園で子供が使っていた水を生み出す能力をコピーした。四方八方へ水を飛ばす。決して威力は強くない、水鉄砲と同じくらいだ。でも、位置を確認するのには十分すぎる。
これをおかげでファッサの位置を確認できたので、特に飛び道具を持っていないファッサは脅威ではなくなった。
そして3分後、ファッサの身体が視認できるようになると同時にオーバーオールを使って、剣を地面に叩きつけるかのようにしてふり下ろす。それをファッサは水平にして防御した。ファッサの足元は衝撃波は数cmエグれる。
「師匠、大丈夫ですか?」
インカムから通して伝わるエマの声。
「・・・今の所はな」
鍔迫り合いしている日本刀に力を加えながらそう言う。ファッサは押し負けそうになると後ろに大きく跳ぶ。
「数分前・・・・888部隊でもない知らない人が山の中に入っていきました!」
888部隊でもないやつが?誰だ?知り合い・・・・では無いだろう。
「まぁ、わかった。敵なら無力化するか殺す」
それ以降はエマからの通信が切れた。
後ろに跳んだファッサを追いかけるようにして跳ぶ。空中で大きく剣を振りかぶると同時にファッサが口角を上げたように見えた。その意味を理解するには一瞬で十分だった。
急に突きをしてくるファッサ、俺はすごい勢いで跳んだので横に避ける事も出来ない。迫り来る西洋剣、俺は意外と焦ってはいなかった。対処法は必ずある。
ジリジリと近づいてくる西洋剣の剣先を俺は空中で一回転する事で避けた。
それと同時に背後につけた俺は日本刀を横に大きく振る。が、受け止められた。だが、受け止めたのはファッサではない。
「誰・・・だ?」 
俺の剣を受け止めたのは女の子。その容姿はとても整っており、可愛いなんかじゃない・・・・美しい。
「なぜここにいる?デルタフォースのリーダー、エレン・サンク」
「あら、ただ戦闘音が聞こえたからね、何があるのか見に来ただけよ」
ん?待てよ。エマが言うにはこの娘は数分前に山に入ってきたんだよな?普通にここまで来るには20分ぐらいかかるぞ。なのにこの娘は・・・・しかも、デルタフォース?俺でも名前は聞いたことあるぞ。世界の中でもトップ5には入る特殊部隊・・・・
「模擬戦は終わったのよね?なのに、なんで戦ってるの?君、説明してくれる?」
え?俺に振る?
「えぇーと、まずは模擬戦が終わって、終わり方に納得がいかないファッサが斬りかかって来たってだけです」
「やっぱか・・・」
「もういい!」
そう言いながら、ダッシュでファッサは下山していった。
「それにしてもすごいわね。あいつ、あぁ見えてもアメリカで5番目ぐらいには強いんだよ。あ、えぇーと・・・」
「歩希です。前村歩希」
「歩希くんね、日本人かな?」
「はい!」
「ただの旅行・・・・って、訳でもないよね?」
「まぁあ・・・」 
「あんな強いなら私たちの部隊、デルタフォースに入らない?」
「すみません、俺にも仲間がいるので・・・・」
とても嬉しい誘いだった。デルタフォース、とても強い特殊部隊でそこに入れば強くなるだろう。でも、今の目的は日本を潰す事。それ以外は考えられない。
「麓にいた人達ね・・・強くてカッコイイ、恋人にしたいぐらいだわ!」
突然の告白に俺は驚く。
「え?あ?」
「も、もちろん冗談ね・・・でも、気に入ったから今度少し会いに行ってもいいかな?」
 「それぐらいなら、いつでもいいですよ!」
「ありがと。それじゃ、こんな所にずっといても仲間が心配するだけだし、仲間の所に戻してあげるね」
そう言った途端、俺はみんなの所に戻った。でも、そこにエレンさんはいなかった。



「みんないるな?」
「ボスだけいません」 
「え?」
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