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28話
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約十三時間のフライトを終えた俺らは日本の地へと足を踏み入れた。
武器などは持っているが、なんか小細工をしたらしく感知されない。
色々済ませたら、まず空港を出た。快知とは既に分かれている。
「なんか、もっと自衛隊とかがわんさかいて、隠れながら進むのかと思ってたけど誰一人としていないんだな」
「まぁね、私たちがニューヨークにいるって知られてる以上日本をガチで警備しようとしても無意味だしね。って、思ってた時期も私にはありました。後ろ斜め35度に物陰から私らのことを見ている人がいる」
「自衛隊・・・・って、わけでもねぇな。あの格好は」
「日本って意外と治安悪いんすね」
「ま、そんな事よりどうする?確認できる範囲的には1人だけど、裏路地に誘い込んで倒す?」
「うん。そっちの方が後々楽だな。どうせ俺らは日帰りだし」
そして俺らは歩き出す。あえて裏路地に入り、俺らを着けてきたやつをおびき寄せた。
「俺らになんの用か?」
こいつだ。こいつが俺らの事を着けてきた奴だ。こいつは意外と身体がガッチリ出来ていて如何にも戦闘員って感じだ。
無言を貫き通すそいつは表情一つ変えない。
「上の奴らには報告した?」
「・・・・した」
その言葉を聞いた途端、俺はナイフケースからナイフを取り出しつつ、地を蹴り一気に距離を詰めて首元にナイフを当てる。
「殺してもいい?」
そいつは未だに眉一つ動かさない。肝が据わりすぎてる奴だな。
途端、俺の手をつかもうとしてきた。寸前で躱し、逆に手を掴み、背負い投げをする。
「すっげぇな、悪魔の能力者は」
「確か、あなたは最年少で公安の特務組織犯罪対策室室長の滝光太」
夕貴が呟くようにして言う。公安・・・警察のエリートって感じだったか?まぁ、わからんけど、特務組織犯罪対策室って事は俺らDESTROYERSもその言葉に当てはまるな・・・
「流石、元警察の上層部の人間だね・・・・よし、決めた!君たちの仲間になるよ」
突如そんなことを言い出す滝光太。俺らは驚きを隠せない。
「は?」
「体術には自信があったのにこんなあっさり背負い投げされたのは久しぶりだよ。それに、俺は君たちがやってる事が間違いとは思わない。自ら望んだ力でもないのに怖いから祖国から命を狙われるなんてね、とても理不尽だ」
「ちょっと、タイム」
俺は夕貴とハロンの所まで戻り、会話する。
「んで、どうするよ?」
「悩むわね・・・」
「待って、英語にしてもらわないと俺言葉の意味わかんない」
そう言うハロンを無視して俺らは話を続ける。
「公安、特務組織犯罪対策室の室長だ。俺らとしては欲しい人材ではある。・・・・でも、奴が工作員だったらな」
「考えてもみなさいよ。公安の室長よ?この情報は確か。工作員を送り込むなら下っ端とかの方が有効のね?」
「だーかーらー、日本語じゃわからんって!」
「悪い、手が滑った」
そう言い、ハロンの頭にチョップを叩き込む。これは五月蝿い!という意味だ。
「痛い・・・」
涙目になりながら俺を見つめてくるハロン。これが女の子だったらいいのにな・・・
「まぁ、一応取っとく。そして、怪しい動きがあったら殺すって感じでいいじゃんか。今の俺らに盗まれて困るようなものないし」
「そうね」
「痛い」
考えがまとまった俺らは滝光太に向かって言う。
「着いてこい。DESTROYERSとしてお前を仲間にしてやる」
数分後、警視庁付近の裏路地にて、俺らは岩元さんと会っていた。
「はい、これ。能力増強剤500錠」
「あざます」
少し大きめの巾着を受け取る。その中は白い薬でいっぱいだ。あ、薬物じゃないよ!
「それでツッコミどころがいっぱいあるからツッコンでいい?」
「良いっすよ」
「なんで夕貴ちゃんの頭銀髪なの?なんで滝がここにいるの?なんで知らん男の子がここにいるの?」
「なんでって、髪染めるのめんどくさくなったからよ」
「なんでって、数分前に仲間になったからだよ」
「俺、日本語分からない・・・」
ハロン以外はまともな回答をしたせいか岩元さんの頭はパンクした。
「この人は元俺の上司で一応手助けしてくれてる仲間だよ」
英語でハロンに言うとウンウンと2回頷く。
「え?師匠の元上司って事は警察の人?え?見た目ヤクザなのに?」
「おいおい、ヤクザは酷いだろ・・・おじちゃん泣いちゃうぞ」
岩元さんは頭も良かったな・・・・英語なんておちゃのこさいさいか。
「てか、最近の日本はどうなってるんですか?」
一応スマホは持っているが、ちゃんとした情報が分からないので岩元さんに訊く。
「最近か・・・・・お前らDESTROYERSがアメリカにいることが分かり、日本の警備は相当緩くなったな。でも、お前らを狙ってるのはもう陸自の奴らだけじゃない。防衛大臣がホントにお前らの事を殺そうしている。公安やSAT、各都道府県の特殊部隊例えばSIT、MAAT、SISなどもDESTROYERS殲滅作戦に強制参加させられている。DESTROYERS殲滅作戦と言ってもDESTROYERSの主な人数や誰がいるかなんて殆ど知られてないんだけどな。まだ夕貴ちゃんと歩希、そして元オーストラリア秘密警察FOAのエマ・ジョンソンしか知られてないんだけどな」
「そうなんすか、陸自だけじゃなく、SATなどの特殊部隊まで動いてくるとはな・・・」
「大丈夫。お前はそんなヤワじゃないだろ?なんせ、俺が一ヶ月も面倒見てなったんだからな!」
「まぁ、負けるとははなっから思ってないですけど、人数が多いとめんどいなぁ、って」
「お、すごい自信だな。あ、それと悪い報告だけじゃないぞ。今じゃ、お前らの第一級危険人物外せとの声も出てきているぞ。お前らのおかげで戦争などが起こらなかったからな。俺も声を大にして言いたいんだけどな、妻や子供がどうしても不安で・・・・・でも、少し落ち着いたら手助けに行くから待っててくれ」
「まずは岩元さん本人と奥さんや子どもが第一!俺らの事はその次の次ぐらいでいいですから」
「ハハッ、やっぱ歩希は歩希だな。それじゃ、そろそろ俺は仕事に戻るよ。じゃぁな」
そうして岩元さんは警視庁に戻って行った。
俺らが消えて警視庁はどう変化したのか・・・・少々気にはなった。
武器などは持っているが、なんか小細工をしたらしく感知されない。
色々済ませたら、まず空港を出た。快知とは既に分かれている。
「なんか、もっと自衛隊とかがわんさかいて、隠れながら進むのかと思ってたけど誰一人としていないんだな」
「まぁね、私たちがニューヨークにいるって知られてる以上日本をガチで警備しようとしても無意味だしね。って、思ってた時期も私にはありました。後ろ斜め35度に物陰から私らのことを見ている人がいる」
「自衛隊・・・・って、わけでもねぇな。あの格好は」
「日本って意外と治安悪いんすね」
「ま、そんな事よりどうする?確認できる範囲的には1人だけど、裏路地に誘い込んで倒す?」
「うん。そっちの方が後々楽だな。どうせ俺らは日帰りだし」
そして俺らは歩き出す。あえて裏路地に入り、俺らを着けてきたやつをおびき寄せた。
「俺らになんの用か?」
こいつだ。こいつが俺らの事を着けてきた奴だ。こいつは意外と身体がガッチリ出来ていて如何にも戦闘員って感じだ。
無言を貫き通すそいつは表情一つ変えない。
「上の奴らには報告した?」
「・・・・した」
その言葉を聞いた途端、俺はナイフケースからナイフを取り出しつつ、地を蹴り一気に距離を詰めて首元にナイフを当てる。
「殺してもいい?」
そいつは未だに眉一つ動かさない。肝が据わりすぎてる奴だな。
途端、俺の手をつかもうとしてきた。寸前で躱し、逆に手を掴み、背負い投げをする。
「すっげぇな、悪魔の能力者は」
「確か、あなたは最年少で公安の特務組織犯罪対策室室長の滝光太」
夕貴が呟くようにして言う。公安・・・警察のエリートって感じだったか?まぁ、わからんけど、特務組織犯罪対策室って事は俺らDESTROYERSもその言葉に当てはまるな・・・
「流石、元警察の上層部の人間だね・・・・よし、決めた!君たちの仲間になるよ」
突如そんなことを言い出す滝光太。俺らは驚きを隠せない。
「は?」
「体術には自信があったのにこんなあっさり背負い投げされたのは久しぶりだよ。それに、俺は君たちがやってる事が間違いとは思わない。自ら望んだ力でもないのに怖いから祖国から命を狙われるなんてね、とても理不尽だ」
「ちょっと、タイム」
俺は夕貴とハロンの所まで戻り、会話する。
「んで、どうするよ?」
「悩むわね・・・」
「待って、英語にしてもらわないと俺言葉の意味わかんない」
そう言うハロンを無視して俺らは話を続ける。
「公安、特務組織犯罪対策室の室長だ。俺らとしては欲しい人材ではある。・・・・でも、奴が工作員だったらな」
「考えてもみなさいよ。公安の室長よ?この情報は確か。工作員を送り込むなら下っ端とかの方が有効のね?」
「だーかーらー、日本語じゃわからんって!」
「悪い、手が滑った」
そう言い、ハロンの頭にチョップを叩き込む。これは五月蝿い!という意味だ。
「痛い・・・」
涙目になりながら俺を見つめてくるハロン。これが女の子だったらいいのにな・・・
「まぁ、一応取っとく。そして、怪しい動きがあったら殺すって感じでいいじゃんか。今の俺らに盗まれて困るようなものないし」
「そうね」
「痛い」
考えがまとまった俺らは滝光太に向かって言う。
「着いてこい。DESTROYERSとしてお前を仲間にしてやる」
数分後、警視庁付近の裏路地にて、俺らは岩元さんと会っていた。
「はい、これ。能力増強剤500錠」
「あざます」
少し大きめの巾着を受け取る。その中は白い薬でいっぱいだ。あ、薬物じゃないよ!
「それでツッコミどころがいっぱいあるからツッコンでいい?」
「良いっすよ」
「なんで夕貴ちゃんの頭銀髪なの?なんで滝がここにいるの?なんで知らん男の子がここにいるの?」
「なんでって、髪染めるのめんどくさくなったからよ」
「なんでって、数分前に仲間になったからだよ」
「俺、日本語分からない・・・」
ハロン以外はまともな回答をしたせいか岩元さんの頭はパンクした。
「この人は元俺の上司で一応手助けしてくれてる仲間だよ」
英語でハロンに言うとウンウンと2回頷く。
「え?師匠の元上司って事は警察の人?え?見た目ヤクザなのに?」
「おいおい、ヤクザは酷いだろ・・・おじちゃん泣いちゃうぞ」
岩元さんは頭も良かったな・・・・英語なんておちゃのこさいさいか。
「てか、最近の日本はどうなってるんですか?」
一応スマホは持っているが、ちゃんとした情報が分からないので岩元さんに訊く。
「最近か・・・・・お前らDESTROYERSがアメリカにいることが分かり、日本の警備は相当緩くなったな。でも、お前らを狙ってるのはもう陸自の奴らだけじゃない。防衛大臣がホントにお前らの事を殺そうしている。公安やSAT、各都道府県の特殊部隊例えばSIT、MAAT、SISなどもDESTROYERS殲滅作戦に強制参加させられている。DESTROYERS殲滅作戦と言ってもDESTROYERSの主な人数や誰がいるかなんて殆ど知られてないんだけどな。まだ夕貴ちゃんと歩希、そして元オーストラリア秘密警察FOAのエマ・ジョンソンしか知られてないんだけどな」
「そうなんすか、陸自だけじゃなく、SATなどの特殊部隊まで動いてくるとはな・・・」
「大丈夫。お前はそんなヤワじゃないだろ?なんせ、俺が一ヶ月も面倒見てなったんだからな!」
「まぁ、負けるとははなっから思ってないですけど、人数が多いとめんどいなぁ、って」
「お、すごい自信だな。あ、それと悪い報告だけじゃないぞ。今じゃ、お前らの第一級危険人物外せとの声も出てきているぞ。お前らのおかげで戦争などが起こらなかったからな。俺も声を大にして言いたいんだけどな、妻や子供がどうしても不安で・・・・・でも、少し落ち着いたら手助けに行くから待っててくれ」
「まずは岩元さん本人と奥さんや子どもが第一!俺らの事はその次の次ぐらいでいいですから」
「ハハッ、やっぱ歩希は歩希だな。それじゃ、そろそろ俺は仕事に戻るよ。じゃぁな」
そうして岩元さんは警視庁に戻って行った。
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