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29話
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「やる事終わって、飛行機までは時間がある。どうする?」
「フライトまでは3時間近くあるし、どこか行きたいところでもある?」
日本でやりたい事か・・・・うーん、一応家には帰ってみたいかな。でも、約3ヶ月半も家賃滞納してるから平気かな?
「とりま、滝。お前は家帰って、パスポート持ってこいよ。2時間半後に成田空港な」
「ほいほーい」
そう言いながら、のらりくらりと歩いていく滝。
「んで、俺らはどうする?」
「もう、暇だし。自由行動とかでいいんじゃない?全員スマホは持ってるし」
「リョーかいっ。ハロン、はしゃぎすぎるなよ。そんじゃ、2時間後な」
俺は家の方に歩き出した。
何の変哲もないただのアパート、ここには死ぬほどお世話になった。家賃は安いし、都心部だし、大家さんも優しい。そんなアパートが俺の住処だった。
ドアノブを捻ると意外にも開いた。
「え?」
日本から出て行って約3ヶ月半とちょっと。普通なら既に追い出されている。鍵が掛かってて当たり前だ。
部屋の中に入るとテレビの音が鳴っていることに気づいた。
あ、これ新しい人が入ったんだな・・・・そう推測した俺はバレないように部屋から出ようと背を向け、玄関の方に歩き出そうとした瞬間に1つの声が反響した。
「お兄・・・・ちゃん?」
その一言で、声音で誰なのか理解する。
そいつは一歩一歩俺に歩を進ませ、後ろから抱きしめてくる。
俺は呆然と立ち尽くすことしか出来ない。この状況は予想外何をしたらいいのかも分からない。
「お兄ちゃんだよね?どうしてここにいるの?帰ってきたの?・・・・ねぇ、答えてよ。お兄ちゃん」
穂乃果の声は震えていて、今にも泣きがしそうだ。俺は・・・・なんて答えたらいい?分からない。
「ただ、ちょっとだけ・・・・数時間だけ帰ってきた」
「また、行っちゃうの?」
「あぁ」
「嫌だよ、行かないで。ただでさえ約5年間離れ離れだったのに・・・・また、また離れ離れになっちゃうの?」
嗚咽混じりに放った穂乃果の声。俺はこの言葉で日本で隠居生活すればいいのかもと・・・・・思うことは無かった。
「悪いな・・・・俺は絶対に復讐する。この国に・・・・俺と夕貴を裏切った日本に。今では仲間も出来て、苦労のない暮らしが送られているから心配はしないでいいぞ・・・・いつか、いつか分からないけど、俺たちが日本を破壊したら、どこか遠い所で一緒に仲良く暮らそうな・・・」
「私も・・・私もお兄ちゃんの仲間になりたい。日本を敵に回してもいい。世界を敵に回してもいい。だから、私もお兄ちゃんの仲間になりたい」
俺は1泊の間も開けずに答える。
「ダメだ。俺らの組織は危険なんだ。いつ死んでもおかしくない。そんな危険な組織・・・・そんな所に穂乃果を連れていくことは出来ない」
数秒の沈黙、この場に流れるのはテレビの音だけ。そして、穂乃果は口を開いた。
「わかった・・・待ってる。だから、絶対に生きて戻ってきてね。兄妹喧嘩はあの時で最後って、お兄ちゃん言ってたもんね。それじゃ、頑張ってきてね」
俺の背中から穂乃果の体温が消えていく。
流れかけた涙を手で擦り取り、俺は玄関の扉を開けて走り出す。
残りの時間は裏路地で姿を隠してながら過ごすのだった。
みんなと別れてから2時間後、俺は約束の場所まで戻ってきた。
「師匠、遅かったな・・・ってかなんか目赤くね?」
「あ?ただ欠伸しただけだよ」
「そっか」
辺りを見渡すが、夕貴はまだ居ない。適当に壁に寄りかかり、ボケっとに手を突っ込むと何か紙が入っていた。取り出し、確認するとIDと書かれた下に数字やアルファベットがずらりと書かれてあった。
この字は見慣れた字・・・・穂乃果のだ。
「はぁ、帰ったら追加しとくか」
数分後に夕貴が来て、成田空港に向かう。その道中、ひとつの発砲音が裏路地に響く。
「チッ」
ハロンは自分の懐からナイフを取り出し、銃弾を弾き飛ばす。
この行動に俺も夕貴もビックリだ。ハロンは2ヶ月半前までは一般人だった。なのに今ではナイフで銃弾弾く程度には成長した。あれもこれも全てはハロンの努力の結果だろう。
「師匠は感動だよ・・・・俺は今狙撃した奴を無力化する。お前らは他のやつを適当にやってろ。でも、殺すなよ。殺る時は全てが終わる時だ」
そう言い、狙撃方向に思いっきりジャンプした。
廃ビルの5階、窓ガラスを割りながら入ると、そこには人が1人、防弾チョッキにSATの文字が刻み込まれた奴がいた。そいつはナイフを取り出す。それに対して俺も日本刀を抜く。
「ック、前村歩希め・・・・」
そう呟きながら突っ込んでくるSAT隊員。悪魔の能力はジャンプした時に使ってるので、特にやることがない。斬りかかって来たSAT隊員の攻撃を全て受け流した挙句、ナイフを吹っ飛ばす。
そしてがら空きになった腹にグーパン。壁に当たり、壁は数センチエグれた。
「悪いな、手足を折る。大丈夫、殺しはしないさ」
外からも戦闘音。ここまで派手にやるということは一般市民よりも俺らの事を殺すのが優先ということか・・・・それを正面するかのように少し離れた所から悲鳴が聞こえる。
「ま、いいか。それじゃ、おやすみ」
そして俺はSAT隊員の手足を明後日の方向に曲げた。てか、こんなんでSATに入れるのか?完全に雑魚、対能力者撲滅局の下の方といい勝負だ。888部隊と戦わせたら瞬殺されるぞ・・・・
「フライトまでは3時間近くあるし、どこか行きたいところでもある?」
日本でやりたい事か・・・・うーん、一応家には帰ってみたいかな。でも、約3ヶ月半も家賃滞納してるから平気かな?
「とりま、滝。お前は家帰って、パスポート持ってこいよ。2時間半後に成田空港な」
「ほいほーい」
そう言いながら、のらりくらりと歩いていく滝。
「んで、俺らはどうする?」
「もう、暇だし。自由行動とかでいいんじゃない?全員スマホは持ってるし」
「リョーかいっ。ハロン、はしゃぎすぎるなよ。そんじゃ、2時間後な」
俺は家の方に歩き出した。
何の変哲もないただのアパート、ここには死ぬほどお世話になった。家賃は安いし、都心部だし、大家さんも優しい。そんなアパートが俺の住処だった。
ドアノブを捻ると意外にも開いた。
「え?」
日本から出て行って約3ヶ月半とちょっと。普通なら既に追い出されている。鍵が掛かってて当たり前だ。
部屋の中に入るとテレビの音が鳴っていることに気づいた。
あ、これ新しい人が入ったんだな・・・・そう推測した俺はバレないように部屋から出ようと背を向け、玄関の方に歩き出そうとした瞬間に1つの声が反響した。
「お兄・・・・ちゃん?」
その一言で、声音で誰なのか理解する。
そいつは一歩一歩俺に歩を進ませ、後ろから抱きしめてくる。
俺は呆然と立ち尽くすことしか出来ない。この状況は予想外何をしたらいいのかも分からない。
「お兄ちゃんだよね?どうしてここにいるの?帰ってきたの?・・・・ねぇ、答えてよ。お兄ちゃん」
穂乃果の声は震えていて、今にも泣きがしそうだ。俺は・・・・なんて答えたらいい?分からない。
「ただ、ちょっとだけ・・・・数時間だけ帰ってきた」
「また、行っちゃうの?」
「あぁ」
「嫌だよ、行かないで。ただでさえ約5年間離れ離れだったのに・・・・また、また離れ離れになっちゃうの?」
嗚咽混じりに放った穂乃果の声。俺はこの言葉で日本で隠居生活すればいいのかもと・・・・・思うことは無かった。
「悪いな・・・・俺は絶対に復讐する。この国に・・・・俺と夕貴を裏切った日本に。今では仲間も出来て、苦労のない暮らしが送られているから心配はしないでいいぞ・・・・いつか、いつか分からないけど、俺たちが日本を破壊したら、どこか遠い所で一緒に仲良く暮らそうな・・・」
「私も・・・私もお兄ちゃんの仲間になりたい。日本を敵に回してもいい。世界を敵に回してもいい。だから、私もお兄ちゃんの仲間になりたい」
俺は1泊の間も開けずに答える。
「ダメだ。俺らの組織は危険なんだ。いつ死んでもおかしくない。そんな危険な組織・・・・そんな所に穂乃果を連れていくことは出来ない」
数秒の沈黙、この場に流れるのはテレビの音だけ。そして、穂乃果は口を開いた。
「わかった・・・待ってる。だから、絶対に生きて戻ってきてね。兄妹喧嘩はあの時で最後って、お兄ちゃん言ってたもんね。それじゃ、頑張ってきてね」
俺の背中から穂乃果の体温が消えていく。
流れかけた涙を手で擦り取り、俺は玄関の扉を開けて走り出す。
残りの時間は裏路地で姿を隠してながら過ごすのだった。
みんなと別れてから2時間後、俺は約束の場所まで戻ってきた。
「師匠、遅かったな・・・ってかなんか目赤くね?」
「あ?ただ欠伸しただけだよ」
「そっか」
辺りを見渡すが、夕貴はまだ居ない。適当に壁に寄りかかり、ボケっとに手を突っ込むと何か紙が入っていた。取り出し、確認するとIDと書かれた下に数字やアルファベットがずらりと書かれてあった。
この字は見慣れた字・・・・穂乃果のだ。
「はぁ、帰ったら追加しとくか」
数分後に夕貴が来て、成田空港に向かう。その道中、ひとつの発砲音が裏路地に響く。
「チッ」
ハロンは自分の懐からナイフを取り出し、銃弾を弾き飛ばす。
この行動に俺も夕貴もビックリだ。ハロンは2ヶ月半前までは一般人だった。なのに今ではナイフで銃弾弾く程度には成長した。あれもこれも全てはハロンの努力の結果だろう。
「師匠は感動だよ・・・・俺は今狙撃した奴を無力化する。お前らは他のやつを適当にやってろ。でも、殺すなよ。殺る時は全てが終わる時だ」
そう言い、狙撃方向に思いっきりジャンプした。
廃ビルの5階、窓ガラスを割りながら入ると、そこには人が1人、防弾チョッキにSATの文字が刻み込まれた奴がいた。そいつはナイフを取り出す。それに対して俺も日本刀を抜く。
「ック、前村歩希め・・・・」
そう呟きながら突っ込んでくるSAT隊員。悪魔の能力はジャンプした時に使ってるので、特にやることがない。斬りかかって来たSAT隊員の攻撃を全て受け流した挙句、ナイフを吹っ飛ばす。
そしてがら空きになった腹にグーパン。壁に当たり、壁は数センチエグれた。
「悪いな、手足を折る。大丈夫、殺しはしないさ」
外からも戦闘音。ここまで派手にやるということは一般市民よりも俺らの事を殺すのが優先ということか・・・・それを正面するかのように少し離れた所から悲鳴が聞こえる。
「ま、いいか。それじゃ、おやすみ」
そして俺はSAT隊員の手足を明後日の方向に曲げた。てか、こんなんでSATに入れるのか?完全に雑魚、対能力者撲滅局の下の方といい勝負だ。888部隊と戦わせたら瞬殺されるぞ・・・・
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