あのときは泣きたかった。

エピソード72

　「ホリー。」
　「はい監督。」
　「今年は６で勝負だ・・。」
　「はい。」
　背番号は、ホエールズJrの数える、１、３、６・・。北の大地の伝統の番号を示しているのは確かだ・・。そしてその中に、５年生の一人が入る・・。未だ、そこに誰が入るかは未定だった・・。そんな中の一年で週末は野球・・。このチームの野球好きには一般的には実はちょっと違っているものだ・・。そこに６番を担うのには、それなりのリーダーシップを持てる選手が必要だ・・・。だから、憧れの選手とは違うスタイルの番号に別に思いを寄せることもなかった・・。実は、これからのシーズン週末だけでは予定が詰まっているのも確か・・。堀にとっては、今は週末よりも、平日の学校生活での、過ごし方に気を配っているのが日常的生活分野での能力の伸びに関するトレーニングだ・・・。そんな彼とは対象的にある、ホエールズJrの１番を背負う山口康太・・。それを達成するためには、日頃の学習では学べないことを学びたい・・。ほぼ、ホリーと一緒だけれど・・それが、このチームにとっての一番である・・・。もちろん、道内地元のプロチーム、北海道エアローズの活躍も気にはなるが・・。その選手もまた、この道内だけ、出身県内だけで戦っていこうなどと考えている高校生はあまり見受けはできない・・。それは小学生から、シニアリーグ、そこから、高等学校の監督の一声の待つ間に、その県内の思いは全国、甲子園に思いが運ぶもの・・。それが、多くの選手の野球の進路だと思っている・・。その流れは変わりつつあるけれど、地元を離れ、高等学校へ、進学する北海道ホエールズの選手も多い・・。野球のできない冬場を離れ、年を越す時しか帰ってこない先輩も多かったのだ・・・。