あのときは泣きたかった。

さとなか達也

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エピソード124

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「監督が..?」
突然の発表に驚く5年生の選手たち..期待にも見えたが、これまでから考えられる勝利の先は随分遠くなった気がする..。
(5年生には課題の残る監督の交代だな..。)
上川はそれを感じていた..いや、多くの同級、次に入る下級のことで感情が流れる..。
上川はボールの動きに見えた..。同時にこれまでの一年を振り返り、涙がこぼれる..。
jrの監督はヘッドコーチが就任したが、動揺は6年よりも5年にあった..。
厳しい、春の始まりだ..。それは同時に誰がチームを引っ張っていくか、自立の質を問われるのは、俺たち5年かもしれない..。
「監督、ありがとうございました。」
上川は涙をこらえ監督に謝意を述べた。
「よく言った。新監督のもと、次は君たちの時代だ..。」
「期待は大きいぞ。」
「はいっ」
上川はしっかりと答えた..。書いてみれば選手だが、場面的には人間性を問われているのだ..。
この地方でも、すでに、雪があっても、グランドでは野球をしているようだった..。
 
..上川を見つめる山口..。
 
..1年違うだけでこうも違うかね..。
成長は誰が引っ張っていくのか..先輩として言葉を掛けるべきだけど..そこまで、1年の差の人間が言うことじゃない..。
プロの球場で後輩と合宿をしたのを思い出す..。
監督のことは監督の言葉を受けるのがまずは大事..。
ホリーも同じようなことを考えていた..。
全国大会に期待する結果が出せなかったのは、首脳陣が代わるとこうも露呈してしまうのか..。
 
まっ、来年プレーでそれが分かるさ。
そんな言葉をホリーが言うと周りが和んだ..。さすが、キャプテンの協力的な言葉だ..。
..俺はそんなに言いきれないけどな..。
やはり、ホリーの成長は具体性があった..。自立性のある成長を見せてくれたのがホリーだ。
 
「ホリー。ホエールズでも頑張っていくぞ。」
山口が言う。
「おう。」
力強く答える堀。
「次は、全国制覇だ。」
「はは、正明は目標が高すぎ..。」
山口は笑って言った。
もうすでに次へのマウンドを踏む場所を理解しているものに見えた..本当にそう見えたのだ..。
..北海道の山口か..。
ホリーは思っていた。
 
「いやあ、暇だね。上川君・・。」
「家族で東京旅行も考えたけれど・・やっぱり、地元から中学になる前に、ほれ、都会だ、あれ、都会だ言いたくないよな。だって、俺達まだ小学生なんだから・・。」
 山口は言う。
「まだ、東京のチームを意識することはないですよ・・。山口先輩、ひとつ年齢が上がって、校舎が変わって、ボールの大きさは多くなる・・。」
「山口先輩には、道内の打三振新記録を作ってもらえなくちゃ・・。」
「それが中学のときにやることですよ。」

「ねえ、ヒットで出たら代走を送るホリーさん・・。」

「そうだ、ヒットを打たなければ・・。」

「ホエールズは後半の打撃に結果が悪くなる・・。もちろん、冬場で鍛え上げた身体はどのチームでも投手優先地位と言ってもおかしくはありません。」

「上川君、甘いな・・。」
山口は言った。

「男なら、代走して、ベンチに帰るんじゃなくて、サードランナーコーチャーで思いっきり、ホームへ帰すんだ・・。」

「なあ、ホリー。」

「・・そうだな・・。徹底的な格差の違いで弱くなっているわけじゃない・・。」

「進路の考えに不安を抱いているだけだ・・。」
「まさに、一回に守備でついていくのをずっと感じているようだ・・。」
「それにしても、康太。」

「真琴ちゃんはどうするの?東京に会いに行かないの?」
「あったじゃないか・・。この夏に・・。」

 「しっかり投球を見てくれたよ・・。」

 「人間性の向上はきっと、人生の向上・・。」
 「おっ強気だね。」

 「不安があるのは俺も一緒だよ。」
 山口は答えた・・。
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