あのときは泣きたかった。

エピソード133

　・・同級生？幼馴染み？

　茜の謎は深まっていた。
 
　そして、一行は店を後にした・・。
 

　・・なんだ、一番前じゃない・・。後の方が、お得だとか言ってたくせに・・。
　康君も変わったね・・。
　

　私は、決して、この中には入らない・・。既に心の中に私はきっと、彼らと一緒にあると、この足賀田の限定グッズをしている康太を見て思った・・。

　年が上がる度にどんどん距離が遠くなっていくね・・。

　たった、一日の差だったのに・・。
　偶然なんて信じないけど、つながりは信じたい・・。その先にきっと私と彼の道が重なる・・。私は決して彼の中には入らない・・。

　それが、きっと、彼の中にある私なら、それでいい・・。
　「ここの店よかったです。」

　「そう？ありがと。昨日は北海道から新一年生が来たんだよ・・。」

　親父は説明をする・・。余計なことを・・。
　「そうですか・・。」

　「また、来てください・・。ここでの思い出をこんなに若い世代が来るなんて、うちの息子の野球部も見習わなきゃな・・。」

　・・確かに・・。

　そして、一行は去って行った・・。
　・・これは偶然じゃない・・。
 
　何かの縁があり、このグッズを持っていた二人が店に一日違いに来店をした・・。
　これは偶然ではない・・。
 
　後に、このラーメン屋と山口はマスコミにも注目されるほどの存在になることは、偶然ながらもこの野球チーム達と、同じ、同郷の女子生徒の一日遅れの、来客で、その存在が見えないような未来だったのかもしれない・・。

　ただ、そこに集合写真が、それを静かに伝えていた・・。茜はこの伝えるための写真が、繋げるための写真にあっけをとられていたのかもしれない・・。


　彼の進学する中学校では野球部は５年連続、初戦敗退のチームだ・・。

　新しい、先生が来るそうだけど・・。
　せっかくの全国大会の出身のチーム・・一度、野球部員に写真を見せて、祈願をするのも勝つためには必要・・。

　しかし、この男女は一体・・？

　謎が深まる中、今日の営業も終わった・・。


　同郷か・・。


　まだ、横浜から部活でも手伝いでも小学生でも全国へ行ける人なんてそうはいない・・。
　閉店して、一時間半後ぐらいに茜は気づいた・・。