あのときは泣きたかった。

エピソード147

「これ、これ。」

　東京。
「北海道エアローズのホームページ..。」
　パソコンの画面を見る真琴の同級生..。
「７月1日、道内代表大会、ラビットズカップ予選開幕日..午後６時１５分、始球式、北海道ホエールズ..。」
「これ、ラビットズカップって中学の硬式野球チームでしょ..。」
「そうね。」
　真琴は答える..。
「嘘ついてた?」
「ごめん..。」
「やっぱり、すごいわ。私の別の学校の友達が、男子で山口くんのことを知ってたわ..。」
「じゃあ、あの、横浜ラーメンのイケメンって..。」
「あなたが見た通り、初恋のイケメンよ。」
「真琴ちゃんってホント悪だねえ..。」
「思えない、思えない..。」
「はは。」
　同級生は笑う..。
「そういう部分が成長なのね、双方の..。」
「この二人、才能だけじゃないわ。きっと..。」
「で、ホリーって子は..。」
「あんまり、言わないでよ。」
「わっ、真琴、恋の頬とはこういうことね..。」
「きっと、光の速さでその山口くんにも伝わってるわ..。」
「..そうね。」
「そこは素直なんだ..。」
「真琴ってホントはかわいいんだ。」
「そうよ、女だもん..。」
「わっ、かわいい。」

「へー、これが日本記録の掛かった北海道の中学陸上大会か..。」
　放送欄が空き、今一番注目の大会をそれぞれ、放送していた..。