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加藤仁成
完全な人間なんてもなぁ、そんなもん世の中にはおらんよ
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てな訳で沙都子さんのポルシェに迎えに来てもらい、彼を伊勢嶋邸にご招待した。雪兎くんのクラスメートかつご友人であるゆえ、とても話が早かったよ。
沙都子さんの手料理に舌鼓を打って、加藤くんと男同士の付き合い♂をはかるため一緒に風呂へ…。入ろうと試みたが、断固として拒否されたよ。見られて困るもんが、ついてる訳でもなかろうに。この子、学校での着替えとかどうしとるんじゃ…?
まぁ、ええわい。風呂は別々に入って、特にすることもないので後は就寝するのみとなった。これは自室(客室)にて、一緒に寝ることに相成ったよ。
雪兎くんの、着古しのパジャマに身をまとった加藤くんの姿を見とると…。何だかこう、彼シャツめいた色気があるのう。風呂上がりで顔は若干紅潮しておるし、これは暴漢が襲いたい気持ちも分かるわ…。って、これだとワシがまるで節操なしにひ孫くらいの年の少年に欲情しとるようじゃぞい!
「…どうか、しました?そんなに、ジロジロ見てきて」
「え?いや、そのう…。何でもないわい。そうじゃ。君って、今をときめく歌姫のAquaちゃんなんじゃと?誰にもバラしやせんから、ちょいとその歌声とやらを聴かせてもらえんかのう」
「ボクは構いませんが、夜分にいいんですか?まぁ、小声で歌うとしましょう。いきますよ…」
そう言って、加藤くんが英語の何やら分からん歌を歌い始めた。ちなみに屋敷は防音が効いておるので、もっと大声でも構わんかったと思うぞい。
いやぁ、これは…。シルヴィ・バルタンもかくやじゃな。歌詞は何を言っとるか分からんが、この胸に訴えかけてくる情感は何じゃ。トオイが、惚れ込むのも分かるわい。
トオイか…。そういや、Aquaちゃんとのセッションを求めておったのう。ワシが口利きをすれば何とかなるじゃろうが、それだと本当に彼のためにはならん気がするぞい。まぁ、同じ学校の生徒なんじゃ。きっと、いつかは邂逅する機会もあろうな…。
「お粗末さまでした。お聴かせする程の腕前でも、なかったと存じますが」
「いやいや。何を謙遜しとるんじゃい。久々に、したたか胸を打たれたぞい。しかし本当に見た目も相まって、男性とは思えんのう…。などと言ったら、流石に失礼かの」
「構いませんよ。ボク自身にも、どちらか分かってませんから。いや。身体も心も、れっきとした男ですよ。でも…。毎朝起きた時に、感じるんです。あぁ。今日は男性が何%で、女性の部分が何%だなって」
「加藤くん…?」
「生まれてこの方、先ほどのような変質者に絡まれ続けたこともありますが。自分自身のことを、自分が一番分かっていない。こんな中途半端な自分のことが、大嫌いです…。ごめんなさい。寝る前に、変な話をして」
「い、いや…。打ち明けてくれて、嬉しいぞい。君自身の気持ちも、少しは軽くなろうの。その話は、レオ君には…?」
「しましたよ。『男と女と両方楽しめて、お得じゃん。オレ、両方イけっから』だそうです」
「何ともまぁ。彼の言いそうな事じゃ」
「はい。殴ってやろうかとも、思いましたけど。でも…彼にそう言ってもらえるのが、結局一番嬉しいんですよね。こんな不完全なボクですが、彼のような人間に受け入れられて本当に良かった。願わくば、今と変わらぬお付き合いを続けていきたいと思っています…」
「加藤くん…。いや、きっとそうなるよ。何せ、レオ君は君にゾッコンLOVE!じゃからの。それに、一つワシからのアドバイスじゃ。完全な人間なんてもなぁ、そんなもん世の中にはおらんよ。みんな不完全で、半端な気持ちを抱えておる。だけどそう言う奴らだからこそ、みんな支え合って生きておるのではないかね」
「そうですね。あなたが言うなら、きっとそうなんでしょう。それじゃあいい加減、夜も遅くなってきたので寝ましょう」
そう言った加藤くんの顔には、心なし笑みが湛えられておった気がするぞい(見えないけど)。彼ならばきっと、もう大丈夫じゃ。見た目ほど、やわいタマではなかったようじゃぞい。きっと彼氏のレオ君とともに、どんな困難でも乗り越えて行くであろうの。
偉そうな事を言ったが、本当の意味で教えられたのはワシじゃ。若返ってまだ、一ヶ月にも満たぬが…。色んな、男子高校生に出会った。彼らは皆、それぞれの悩みや事情を抱えて生きておったよ。だけど誰一人、くじけてはおらんかった。きっとそれぞれの悩みや事情と上手く付き合いながら、これからも生きて行くんじゃと思うぞい…!
「ところで結局、『じんせい』君?『ひとなり』君?どっちじゃ?」
「今までに、百万回聞かれました。その質問。どっちでも、あなたの呼びたい方でどうぞ」
沙都子さんの手料理に舌鼓を打って、加藤くんと男同士の付き合い♂をはかるため一緒に風呂へ…。入ろうと試みたが、断固として拒否されたよ。見られて困るもんが、ついてる訳でもなかろうに。この子、学校での着替えとかどうしとるんじゃ…?
まぁ、ええわい。風呂は別々に入って、特にすることもないので後は就寝するのみとなった。これは自室(客室)にて、一緒に寝ることに相成ったよ。
雪兎くんの、着古しのパジャマに身をまとった加藤くんの姿を見とると…。何だかこう、彼シャツめいた色気があるのう。風呂上がりで顔は若干紅潮しておるし、これは暴漢が襲いたい気持ちも分かるわ…。って、これだとワシがまるで節操なしにひ孫くらいの年の少年に欲情しとるようじゃぞい!
「…どうか、しました?そんなに、ジロジロ見てきて」
「え?いや、そのう…。何でもないわい。そうじゃ。君って、今をときめく歌姫のAquaちゃんなんじゃと?誰にもバラしやせんから、ちょいとその歌声とやらを聴かせてもらえんかのう」
「ボクは構いませんが、夜分にいいんですか?まぁ、小声で歌うとしましょう。いきますよ…」
そう言って、加藤くんが英語の何やら分からん歌を歌い始めた。ちなみに屋敷は防音が効いておるので、もっと大声でも構わんかったと思うぞい。
いやぁ、これは…。シルヴィ・バルタンもかくやじゃな。歌詞は何を言っとるか分からんが、この胸に訴えかけてくる情感は何じゃ。トオイが、惚れ込むのも分かるわい。
トオイか…。そういや、Aquaちゃんとのセッションを求めておったのう。ワシが口利きをすれば何とかなるじゃろうが、それだと本当に彼のためにはならん気がするぞい。まぁ、同じ学校の生徒なんじゃ。きっと、いつかは邂逅する機会もあろうな…。
「お粗末さまでした。お聴かせする程の腕前でも、なかったと存じますが」
「いやいや。何を謙遜しとるんじゃい。久々に、したたか胸を打たれたぞい。しかし本当に見た目も相まって、男性とは思えんのう…。などと言ったら、流石に失礼かの」
「構いませんよ。ボク自身にも、どちらか分かってませんから。いや。身体も心も、れっきとした男ですよ。でも…。毎朝起きた時に、感じるんです。あぁ。今日は男性が何%で、女性の部分が何%だなって」
「加藤くん…?」
「生まれてこの方、先ほどのような変質者に絡まれ続けたこともありますが。自分自身のことを、自分が一番分かっていない。こんな中途半端な自分のことが、大嫌いです…。ごめんなさい。寝る前に、変な話をして」
「い、いや…。打ち明けてくれて、嬉しいぞい。君自身の気持ちも、少しは軽くなろうの。その話は、レオ君には…?」
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「何ともまぁ。彼の言いそうな事じゃ」
「はい。殴ってやろうかとも、思いましたけど。でも…彼にそう言ってもらえるのが、結局一番嬉しいんですよね。こんな不完全なボクですが、彼のような人間に受け入れられて本当に良かった。願わくば、今と変わらぬお付き合いを続けていきたいと思っています…」
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