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食べちゃいたいくらいだわ〜
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職場の先輩、ネキニキさん…。もとい、ジェニファーさんでした。一人でスマホを眺めてニヤついていたのを、見られやしなかったか?
とりあえず、大雅くんの高校生時代の動画見てたのなんてバレたら偉い事だ。職場全体に、言いふらされるぞ。こっそり、待ち受け画面に戻して…。って、その待ち受け画面も大雅くんやねん!つい関西弁がうつりましたが、なんとかスマホの画面自体を切ってポケットに入れました。セーフか…?
「八尋ちゃん、マスクを外したのね。その方が、イケメンさんなのが良く分かっていい感じよ~。それに、最近何だかとっても楽しそう」
「あぁ、マスクですか?いい加減、自分でも鬱陶しいなと思っていたので。別にそんな、楽しい事なんて一つもないですよ…」
「またまたまたぁ~!アレでしょ、例の彼でしょ。関西弁の彼氏。素っ敵な子じゃない。センターの女の子たちから、大人気よ?八尋ちゃんの恋人じゃなかったら、アタシが食べちゃいたいくらいだわ~♡」
「いえいえそんな、恋人とかじゃ。たまたま知り合う機会があって、職探ししてるのを知ったので。それで、紹介キャンペーンを使ったまでで」
「あらあらあらぁ~?そんな言い訳しなくったって、いいのにねぇ~。まぁいいわ、そう言う事にしときましょ。八尋ちゃん、元彼さんと別れてから新しい恋を探す様子も無いので気になってたのよ~」
なんで一言も言ってないのに、僕に元彼がいて別れた事まで知っているんでしょう。僕の顔にでも、書いているのかな?まぁ、いいです。とりあえず、元彼と別れた理由についてはジェニファーさんと言えど絶対に知られる訳に行かない。そして、大雅くんと今同居してるって事も。
センター内で仲良く話しかけてくるのは仕方ないとして、帰る時間は多少ずらすようにしています。そもそも僕のいる受電ブースは時間を延長する事が多いので、自然とそうなるんですけどね。
「新しい恋ですか。そんなのが、見つかるといいですね…。僕、そろそろ休憩時間が終わりなので行かないと」
そう言って、そそくさと休憩室を立ち去りました。彼女…じゃなくて彼の休憩時間はまだ残っているので、流石に追いかけてはきません。いい加減僕も気持ちを切り替えて、受電に戻らないと。
言い忘れてたけど、執務室と休憩室は別の階にあるんですよね。だけど一階離れているだけなので、みんなわざわざエレベーターを呼ばず非常階段を使って行き来します。僕も、階段を登って執務室に戻ろうとしました。
その前に、執務室にはスマホを持って入る事が出来ません。お客様の個人情報を盗みだそうとする、不逞の輩が後を絶たないからですね。先にロッカールームに行って、スマホを置いていかないと…。と思っていたら、何やらポケットに入れたそのスマホから音が流れてきました。
『○○高校の文化祭名物、浪速のウォーターボーイズ達ですね。登場しました。部員たちがみな劣らぬ、見事な肉体美を披露します~』
さっきまで見てた動画だ!ポケットの中で擦れたか何かして、間違って再生されてしまったんだ。しかもミュートで聞いていたのに、音まで流れて…。そうはならんやろって?今現在、こうやって実際になっとるやろがい!
つい関西弁で突っ込みましたが、こんなの同僚にでも聞かれたら偉い事だ。何だか僕、さっきからこればっか言っているような。と、とりあえず早くこの動画を切らないと。
慌ててポケットからスマホを取り出すと、勢いで手からすっぽ抜けてしまった。空中に飛んだスマホを掴もうとして、腕を伸ばした所…。盛大に、階段から足を踏み外した。言い忘れてたけど、最上段あたりにいたんです。
自分の身体が、踊り場へと落下して行くのを感じました。ふと手の中のスマホを見ると、待ち受け画面の大雅くんが微笑んでいた事まで覚えています。
そうはならんやろって?今現在こうなっているのだから、仕方…ない…(ドンッ)。
とりあえず、大雅くんの高校生時代の動画見てたのなんてバレたら偉い事だ。職場全体に、言いふらされるぞ。こっそり、待ち受け画面に戻して…。って、その待ち受け画面も大雅くんやねん!つい関西弁がうつりましたが、なんとかスマホの画面自体を切ってポケットに入れました。セーフか…?
「八尋ちゃん、マスクを外したのね。その方が、イケメンさんなのが良く分かっていい感じよ~。それに、最近何だかとっても楽しそう」
「あぁ、マスクですか?いい加減、自分でも鬱陶しいなと思っていたので。別にそんな、楽しい事なんて一つもないですよ…」
「またまたまたぁ~!アレでしょ、例の彼でしょ。関西弁の彼氏。素っ敵な子じゃない。センターの女の子たちから、大人気よ?八尋ちゃんの恋人じゃなかったら、アタシが食べちゃいたいくらいだわ~♡」
「いえいえそんな、恋人とかじゃ。たまたま知り合う機会があって、職探ししてるのを知ったので。それで、紹介キャンペーンを使ったまでで」
「あらあらあらぁ~?そんな言い訳しなくったって、いいのにねぇ~。まぁいいわ、そう言う事にしときましょ。八尋ちゃん、元彼さんと別れてから新しい恋を探す様子も無いので気になってたのよ~」
なんで一言も言ってないのに、僕に元彼がいて別れた事まで知っているんでしょう。僕の顔にでも、書いているのかな?まぁ、いいです。とりあえず、元彼と別れた理由についてはジェニファーさんと言えど絶対に知られる訳に行かない。そして、大雅くんと今同居してるって事も。
センター内で仲良く話しかけてくるのは仕方ないとして、帰る時間は多少ずらすようにしています。そもそも僕のいる受電ブースは時間を延長する事が多いので、自然とそうなるんですけどね。
「新しい恋ですか。そんなのが、見つかるといいですね…。僕、そろそろ休憩時間が終わりなので行かないと」
そう言って、そそくさと休憩室を立ち去りました。彼女…じゃなくて彼の休憩時間はまだ残っているので、流石に追いかけてはきません。いい加減僕も気持ちを切り替えて、受電に戻らないと。
言い忘れてたけど、執務室と休憩室は別の階にあるんですよね。だけど一階離れているだけなので、みんなわざわざエレベーターを呼ばず非常階段を使って行き来します。僕も、階段を登って執務室に戻ろうとしました。
その前に、執務室にはスマホを持って入る事が出来ません。お客様の個人情報を盗みだそうとする、不逞の輩が後を絶たないからですね。先にロッカールームに行って、スマホを置いていかないと…。と思っていたら、何やらポケットに入れたそのスマホから音が流れてきました。
『○○高校の文化祭名物、浪速のウォーターボーイズ達ですね。登場しました。部員たちがみな劣らぬ、見事な肉体美を披露します~』
さっきまで見てた動画だ!ポケットの中で擦れたか何かして、間違って再生されてしまったんだ。しかもミュートで聞いていたのに、音まで流れて…。そうはならんやろって?今現在、こうやって実際になっとるやろがい!
つい関西弁で突っ込みましたが、こんなの同僚にでも聞かれたら偉い事だ。何だか僕、さっきからこればっか言っているような。と、とりあえず早くこの動画を切らないと。
慌ててポケットからスマホを取り出すと、勢いで手からすっぽ抜けてしまった。空中に飛んだスマホを掴もうとして、腕を伸ばした所…。盛大に、階段から足を踏み外した。言い忘れてたけど、最上段あたりにいたんです。
自分の身体が、踊り場へと落下して行くのを感じました。ふと手の中のスマホを見ると、待ち受け画面の大雅くんが微笑んでいた事まで覚えています。
そうはならんやろって?今現在こうなっているのだから、仕方…ない…(ドンッ)。
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