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一年生・一学期
デートに着ていく服がない
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4月28日 自宅 晴れ
みなさんこんばんは、進藤まひろです。明日は祝日で、いわゆる大型連休が始まるわね。このゲームの発売時は、ギリギリで「昭和の日」でなく「みどりの日」だったような。
さて、おさらいを兼ねてここ数週間の行動を説明するわね。まず、ここは本来男性向けである恋愛ゲームの世界。すでに紹介した「如月桃」を始め、十数人の攻略対象が存在するわ。その彼女らを、どうしたかって?
あまね攻略の邪魔にならぬよう、すでに全員の好感度を最低にしておいたわよ。アタシはこのゲームを、何百何千回とやり込んでいる。何なら、内部のプログラム解析まで行ったわ。あまねと結ばれるENDの可能性が、少しでも残されていないかと思ってね。全くの、徒労であった訳だけれど。
だから、攻略対象である彼女らについては熟知している。数週間で好感度を底辺にするくらい、児戯にも等しき事よ。後は、あまねのオーガズム…。もとい、アルゴリズムを解析するのみね。本来あり得ないので、全くの未知数ではあるけど…。いいじゃない、却って燃えてくるわ。
特に勉強せず部活にも入らず、アルバイト一筋に頑張る事にしたわ。ちなみに、本来このゲームにアルバイトと言う行動はない。そもそも、お金の概念すら無かったのだけれど…。どうにも、アタシと言う異分子の存在によって現実世界から色々と流入したようね。でも、むしろ好都合。
アタシ、人生において最も必要なパラメータは「金」だと思っているから。続いて「運」、「メンタル力」と言った所かしら。その辺りが揃っていれば、体力やら容姿なんて後から付いてくるものよ。中でも、学力なんて…やめとこう。色々と言いたい事はあるけど、またの機会に委ねるわね。
そんな事を考えていたら、机に置いていたスマホから音が鳴った。愛しのあまね♡から、LIMEが届いたようね。ちょうど、こちらからも送りつけようと思っていた所よ。
『よう!連休の予定は、何かあるのか?まさか、ずっとバイト?』
『そんな寂しいお前に、ダブルデートの機会を設けてやったぜ!嫌とは言わないよな?』
『日にちは5月5日こどもの日、場所は…』
ダブルデートの誘いは、このゲームにおいて規定の行動。そろそろ、連絡が来ると思っていた頃よ。もちろん、二つ返事で承諾したわ。それは、置いておいて…。
今更だけど、LIMEが…。と言う以前に、スマホがあるのね。この世界。
○沼さんのデビュー当初と言う情報から、ある程度の時代を察してね。このゲームの発売時期は、今ほどスマホは普及していなかった。一応販売はしていたのだけれど、まだまだ世間ではガラケーが一般的だったわね。ちなみに、LIMEサービスはまだ開始すらしていなかったわよ。
なので、このゲームで連絡を取り合う方法も基本はガラケーの通話やメールだった。もっと時代を遡れば、固定電話やポケベルになっていたのかしらね。ポケベルって…今の人、分かるのかしら?
まぁいい。これも、アタシによって流入された概念かしら。特に、なんの問題でもない。むしろ、便利になったと言えるでしょう。って言うか、LIMEで連絡して来るあまねってのもなかなかに新鮮だわ。めっちゃスタンプ多用するのね、可愛い♡
さて、入学から一ヶ月にしてやっとの初デート(あまねとの)だわ。ここからが、恋愛ゲームとしての本領発揮と言えるかしらね。アタシも、本腰を入れて臨まなければ…。と思い、部屋のクローゼットを開けた所。
私服、ダッセェェェェ!
…現実世界でのアタシも、あまり服に気を使うタイプではなかったけれど。それを差し置いても、あまりにひどい。バイト三昧で、容姿のステータスをカケラも上げていなかったから?それとも○年前のゲームなので、今とはオシャレのセンスが色々と違う?もしくは、その両方?
…どっちでもいいわ。マズい。このままでは、非常にマズい。そう、この状況はまさに…。
「デートに着ていく服がない」
ってやつね!まさか、我が人生で体験する機会があるとは思わなかったわ。いや、転生してるんだけど。
…いえ、待って。待つのよ、アタシ。まだ、慌てるような時間ではない。逆に考えるんだ、服を買いに行くチャンスと考えるんだ。素晴らしい、発想の転換!ヨシ、早速あまねにLIMEを送りつけるのよ!
『実は、デートに着ていく服がなくって…。よかったら、あまねが見つくろってくれないかな』
ポチッとな!我ながらすごい直球だけど、あまねにはこれくらいでいいでしょう。多分、あまり捻った会話を好むタイプではないだろうしね。ほら、秒でOKの返事が来たわ。
ダブルデートに先駆けて、ショッピングモールにてあまねとの初デート。えへへ、今から楽しみになってきたわ。
みなさんこんばんは、進藤まひろです。明日は祝日で、いわゆる大型連休が始まるわね。このゲームの発売時は、ギリギリで「昭和の日」でなく「みどりの日」だったような。
さて、おさらいを兼ねてここ数週間の行動を説明するわね。まず、ここは本来男性向けである恋愛ゲームの世界。すでに紹介した「如月桃」を始め、十数人の攻略対象が存在するわ。その彼女らを、どうしたかって?
あまね攻略の邪魔にならぬよう、すでに全員の好感度を最低にしておいたわよ。アタシはこのゲームを、何百何千回とやり込んでいる。何なら、内部のプログラム解析まで行ったわ。あまねと結ばれるENDの可能性が、少しでも残されていないかと思ってね。全くの、徒労であった訳だけれど。
だから、攻略対象である彼女らについては熟知している。数週間で好感度を底辺にするくらい、児戯にも等しき事よ。後は、あまねのオーガズム…。もとい、アルゴリズムを解析するのみね。本来あり得ないので、全くの未知数ではあるけど…。いいじゃない、却って燃えてくるわ。
特に勉強せず部活にも入らず、アルバイト一筋に頑張る事にしたわ。ちなみに、本来このゲームにアルバイトと言う行動はない。そもそも、お金の概念すら無かったのだけれど…。どうにも、アタシと言う異分子の存在によって現実世界から色々と流入したようね。でも、むしろ好都合。
アタシ、人生において最も必要なパラメータは「金」だと思っているから。続いて「運」、「メンタル力」と言った所かしら。その辺りが揃っていれば、体力やら容姿なんて後から付いてくるものよ。中でも、学力なんて…やめとこう。色々と言いたい事はあるけど、またの機会に委ねるわね。
そんな事を考えていたら、机に置いていたスマホから音が鳴った。愛しのあまね♡から、LIMEが届いたようね。ちょうど、こちらからも送りつけようと思っていた所よ。
『よう!連休の予定は、何かあるのか?まさか、ずっとバイト?』
『そんな寂しいお前に、ダブルデートの機会を設けてやったぜ!嫌とは言わないよな?』
『日にちは5月5日こどもの日、場所は…』
ダブルデートの誘いは、このゲームにおいて規定の行動。そろそろ、連絡が来ると思っていた頃よ。もちろん、二つ返事で承諾したわ。それは、置いておいて…。
今更だけど、LIMEが…。と言う以前に、スマホがあるのね。この世界。
○沼さんのデビュー当初と言う情報から、ある程度の時代を察してね。このゲームの発売時期は、今ほどスマホは普及していなかった。一応販売はしていたのだけれど、まだまだ世間ではガラケーが一般的だったわね。ちなみに、LIMEサービスはまだ開始すらしていなかったわよ。
なので、このゲームで連絡を取り合う方法も基本はガラケーの通話やメールだった。もっと時代を遡れば、固定電話やポケベルになっていたのかしらね。ポケベルって…今の人、分かるのかしら?
まぁいい。これも、アタシによって流入された概念かしら。特に、なんの問題でもない。むしろ、便利になったと言えるでしょう。って言うか、LIMEで連絡して来るあまねってのもなかなかに新鮮だわ。めっちゃスタンプ多用するのね、可愛い♡
さて、入学から一ヶ月にしてやっとの初デート(あまねとの)だわ。ここからが、恋愛ゲームとしての本領発揮と言えるかしらね。アタシも、本腰を入れて臨まなければ…。と思い、部屋のクローゼットを開けた所。
私服、ダッセェェェェ!
…現実世界でのアタシも、あまり服に気を使うタイプではなかったけれど。それを差し置いても、あまりにひどい。バイト三昧で、容姿のステータスをカケラも上げていなかったから?それとも○年前のゲームなので、今とはオシャレのセンスが色々と違う?もしくは、その両方?
…どっちでもいいわ。マズい。このままでは、非常にマズい。そう、この状況はまさに…。
「デートに着ていく服がない」
ってやつね!まさか、我が人生で体験する機会があるとは思わなかったわ。いや、転生してるんだけど。
…いえ、待って。待つのよ、アタシ。まだ、慌てるような時間ではない。逆に考えるんだ、服を買いに行くチャンスと考えるんだ。素晴らしい、発想の転換!ヨシ、早速あまねにLIMEを送りつけるのよ!
『実は、デートに着ていく服がなくって…。よかったら、あまねが見つくろってくれないかな』
ポチッとな!我ながらすごい直球だけど、あまねにはこれくらいでいいでしょう。多分、あまり捻った会話を好むタイプではないだろうしね。ほら、秒でOKの返事が来たわ。
ダブルデートに先駆けて、ショッピングモールにてあまねとの初デート。えへへ、今から楽しみになってきたわ。
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