俺の武術は異世界でも最強だと証明してやる!

ぽりまー

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6章ーMr.Freedom

43話

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パーティーも終わり、詩音たちは帰宅の準備も終え、部屋を後にしようとしていた。そのとき、



「右京詩音は居るか!!」



 憲兵隊がバンガード邸に乗り込んできた。



「右京詩音は居るかと聞いている! いるのなら即刻出頭せよ!!」



 4人は騒然とした。



「何かやったんですか!?」

「いいいいいや、何もしてないぞ俺は!!!」

「な、なら何かの間違いだと伝えねば」



 すると、部屋にマックロイが入ってきた。



「この犯罪者め! 絶対に逃がさんぞ!」

「いやだから何もしてないっての!」



 詩音をマックロイの後ろで待機していたランスロットとトリスタンが取り押さえた。



「連れていけ!」

「や、やめろぉぉぉぉぉ!!」



 そして詩音はあっという間に憲兵に連れていかれたのだった。







 裁判所ではびっくりするぐらい早く判決が出され、奴隷刑が言い渡された。そして詩音は目隠しされ、馬車にすし詰め状態で乗せられ、数日間移動した。



 そしてついた先は、巨大な闘技場だった。







 新しく入る奴隷たちを集め、看守が説明をした。



「いいか、お前ら奴隷は今から剣闘士として死ぬまで殺し合ってもらう! 恨むならここに来た自分の悪運を呪うんだな!! いいか、お前らはもう人じゃねえ! 死ぬまで戦い続ける奴隷だ! 死にたくなかったら勝ち続けることだな!! ガハハハハハハハ!」

「訳わかんねぇ」



 全く訳が分からないまま、詩音は牢屋へ押し込まれた。



「戦わない間はここで生活してもらう!! 時が来たら呼びに来るからそれまで神に祈ってるんだな!!」



 看守は大きな声で笑いながら去っていった。



「なんだったんだ…………」

「災難だったな」



 牢屋の奥にはけがをした男が座っていた。



「どういうことだ?」

「ここにぶち込まれたことだよ。ここは俺たち剣闘士同士、または猛獣と戦わせて楽しんだり賭け事をするところだ。そして俺たち剣闘士は死ぬまで戦わされる」

「さっき聞いたな」

「出る方法はない。刑期も知らされてないだろ。だから実質死刑みたいなもんだ」

「おっさんは何やったんだ?」

「おっさんじゃなくロイロだ。俺はまあ、殺人だ。そういうアンタは?」

「俺は詩音だ。そして罪状だが、なんで捕まったか分かんねえんだよな」

「どういうことだ?」



 詩音は今までのことを説明した。



「なるほど。恐らく誰かが無理やりお前を犯罪者にしてここにぶち込んだんだな」

「やっぱりか。だがここに来ちまった以上、もう何もできない」

「仲間を信じるしかないか……」

「そうだ。どうせここで暮らすんだ。そろそろ競技が始まるし、見てみるといい。おい、看守さーん!!」



 ロイロは看守を呼んだ。



「なんだロイロ!! 奴隷の分際で気安く呼ぶな!!」

「詩音はここに来るの初めてなんだ。だから詩音に競技を見せてやってほしいんだ」



 看守はすごく嫌な笑みを浮かべる。



「そうかそうか。お前は初めてだったな。手を出せ。拘束する」



 詩音は両手を出し、手錠で拘束された。



「じゃあ行こうか。よかったな新入り。面白いものが見られるぞ」



 詩音と看守は闘技場へ向かった。







 闘技場は大歓声に包まれていた。そして、中央では二人の男性が剣で戦っていた。



「どうだ。これが競技だ。お前もこの先あそこに立って戦うんだぞ」

「うわぁ」



 剣闘士同士、全力で切りかかる。詩音はあることに気付いた。



「この二人、全くの素人じゃないか。ここはなんの武も納めてない人も戦うのか?」

「あたりまえだろう。戦っているのは剣闘士、奴隷だ。奴隷に武の心得だろうが何だろうが関係ない。まあ見てろ。こっからが面白いぞ」



 一人の剣闘士が、相手の剣闘士の隙をついて右腕を斬り飛ばした。



 剣闘士は悲鳴を上げ、腕からは血しぶきが飛び、観客席からは歓声が沸いた。



「なんだよ……これ……」

「ガハハハハハ!! ビビっちまったか!? だがこんなんでビビってるとすぐに死んじまうぜ?」

「そうじゃない……これが人のすることかよ……」



 ちょうど剣闘士が相手の胸に剣を刺し、とどめを刺したところだった。



 生き残ったほうの剣闘士は涙を流しながら雄叫びを上げる。観客席は大歓声と一部賭けに負けた人たちの悲鳴で盛り上がっていた。







 牢屋に戻った詩音はひどく気が落ち込んでいた。



「どうだった?」

「人のすることじゃねえよ……」

「そうだろうな。だがここに来た以上、腹はくくらなきゃいけねえ」

「えらそうに言いやがって。お前はこんな事平気なのかよ!!!!」

「平気なわけないだろ!!!!」



 ロイロは詩音の肩に手を置く。



「俺だって平気じゃねえ。でもな、ここで生きていくにはやるしかないんだ。お前も覚悟しろ。じゃないとすぐに死んじまうぞ」

「ああ。怒鳴ってごめん」

「俺の方こそ」



 そのとき、看守が詩音の牢屋へやってきた。



「喜べ新人!! もうお前の初競技だ! 精々頑張れよ」



 詩音は看守に連れられ、闘技場へ向かった。







「この中から好きな武器を選べ」



 武器庫には剣、槍、鎌、鞭など様々な種類の武器があった。



「いや、俺は素手でいい」

「ふん。後悔するなよ」



 詩音は会場へ向かい歩き出した。



「さあ! 続いての競技は新顔の右京! 対するはランスだぁ!! 早速だが、競技、始め!!」



 ランスは必至の形相で詩音に襲い掛かった。



 詩音は一歩踏み込み、ジャブを打ち込む。続いて右フックで更に脳を揺らす。完全に意識を失ったタイミングで回し蹴りで地面に叩きつけた。



 そして倒れたランスにゆっくり近づき、チョークを掛ける。



「せめて意識がないうちに苦しまないように……」



 そのまま詩音はランスを絞殺した。詩音は生まれて初めて人を殺めた。
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