『Nightm@re』という異世界に召喚された学生達が学校間大戦とLevel上げで学校を発展させていく冒険譚。

なすか地上絵

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第二章★

026:茜色の下着が見えた。

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――大凶高校戦終結後
■立心館_体育館
 (大和 真)


 俺は不意に目覚め、身体を起こした。
 周りにはビニールシート、救護施設、負傷者。ここは立心館高校……体育館だよね。

「大丈夫か真? 」

「……恭二? 」

「私も生きてるよー」

 振り返ると恭二と沙也加がにっこりと微笑んでいた。

「あれ?大戦はどうなったの? 」

 沙也加が俺の疑問に答えてくれる。

「勝ったみたい。生徒会長がケリをつけたらしいよー」

「へっ? 会長が? 」

「いやー、圧倒的だったらしいぞ。色々とあったけどひとまず勝って良かったぜ」

 周りを見渡すと、負傷者が治療を受けている。副会長やナル、藤吉も治療されていた。体育館の窓を見ると太陽の日が差していて、長い長い夜が終わったみたいだ。安堵が身体中に満たされる。俺は生き残れたんだな。それが一番嬉しい。

 ふと、手元を見ると草薙刀と本があった。あれ?…なんだっけこの本?

「ああ、その本だがお前が大事に抱いてたからさ」

「なんも書いてなかったよ?変な本だよねー」

 ページを捲ると何も書いていない。なんだこりゃ?確か大凶高校の地下施設にいた時はこんなの持ってなかったぞ?

 恭二と沙也加は怪我は治っているのか俺の寝ている布団の側に座り込む。俺達は自分の経験した戦いなどを話し合う。

 しばらくして沙也加がMSPを取り出した。

「ねぇ、そういえば個人に対しても賞金があるらしいしよ。見てみない? 」

「そうだな。使い道も含めて確認しとくか」

 恭二と沙也加がMSPを取り出したので俺も見ることにした。

――ピ…ピピピ…ピ

 MSPのページを捲ると賞金の使い方のホームページがあった。色々と買えるみたいで個人では武器や鎧などが買えるみたいだ。

 まだ使えないみたいだが…【学校"創り"】のアイコンをクリックすると色々と出てくる。【建物】【設備】【城壁】【乗り物】【空】etc…といった感じだがこれを今後戦っていく中で建てることができるようになるのだろうか。

 ここから先はタップができないようになっている。
 しばらくMSPを弄っていると藤吉とナルが回復させてもらったのか俺らの所に歩み寄ってくる。

「いやー!凄いね相坂さんの能力は!」

「おうおう。真も無事だったみたいだなー。いやー九死に一生を得たわー」

 藤吉とナルも俺の側に座りくつろいでいる。

「藤吉は分かるが君は誰だ? 」

 恭二がナルに尋ねる。

「僕はナルです。真君と同じ攻撃組にいたんだよ。それで仲良くなったんだよね!」

「うん。そうだね。ナルには色々と助けてもらったんだ」

「おお、それはありがとうな。真のダチかー」

「なんか可愛い感じの男の子だね。まさか…そういう趣味なの?」

「あははー。ご想像にお任せするね」

 ナルも悪ノリする。恭二と沙也加が笑う。ちなみに俺にその趣味はないです。おっぱい大好きです。

 俺は生き残ったんだ。不思議と視界は明るい。藤吉がいくつか自販機から飲み物を買ってきてくれていたので俺はそれを飲む。しばらく俺達は他愛のない話をしていた。

――ザ…ザザ…ザ

 不意に放送が入り、体育館にマイクが入る。

『…生徒会長の霜月 零よ。まず、皆はよく頑張ってくれたわ。戦争は私達立心館が勝利したわ』

 生徒会長の声が体育館に響き渡る。全校放送だ。

『まずは皆さんお疲れ。大事な連絡をいくつかあるの。まずは、勝利に応じて手に入った賞金は大凶高校とウチを合併させるのに使うわ。敷地を増やすと考えてくれればいいわ。それの残額からは制服を強化させるのに使うわ。耐熱性、衝撃吸収など防御力が上がるので生存率が一気に高くなるはず』

 会長は一呼吸を置く。

『それと…大凶校の生き残りの生徒もこれからは仲間になるわ。色々と複雑でしょうけど仲良くしなさい。もし問題のある生徒がいたら生徒会にすぐに相談してください。そこは責任もって対処するわ』

 なるほど、敵だった大凶高校の生徒も味方になるわけか。

『しばらくは休戦期間になるので各自ゆっくり休むこと。思うところ色々とあるでしょう。ただ、引き続き一緒に生き残っていきましょう。また連絡事項が出てきたら放送するわ』

 放送が終わる。

 ひとまず終わったんだな。
 俺はほっとする。束の間ではあるが休めるのは嬉しい。

 体育館には朝日が差し込んでいてとても少しポカポカしている。
 ゆっくり休養を取りたいところだった。

 しかし、数分後まさかの俺と恭二と沙也加は生徒会室に呼び出されることになる。大凶高校戦で俺は完全に役立たずだったわけでそのお咎めだろうか。よー分からん。俺達は首を傾げながら体育館を出て行く。

 廊下に出て、階段を上がる。
 そして屋上に向かう。

 窓から朝日が差し込んでいて戦いの疲れが不思議と癒えていく気がした。屋上に向かう途中に色んな教室を覗くと意外と生徒がいた。皆は基本は自分のクラスをまだ寝床にしているみたいだ。

 屋上に続く階段を昇り終える。扉を開く。少し涼しい風が身体を通り抜けていく。

 立心館の生徒会室は最上階の5階にある。俺の前で階段を昇っていく沙也加のスカートが気になってしまう。
たまに見えそうになる時がある。

 あ、オレンジ色だ。

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