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第三章★
071:夕方会議_第二ステージについて②
しおりを挟む差し込む夕日が部屋を黄昏色に染めてしまっていて、スクリーンがよく見えない。
なので草野さんが生徒会室のカーテンを締める。一気に部屋が暗くなる。
飛鳥が生徒会室の電気をつける。
少し目が眩むがすぐに慣れてくる。
スクリーンを見ると会長のMSPのホーム画面が映されている。
「それでは会議を始めるわ。皆は前方のスクリーンを見て」
会長はMSPを操作する。
スクリーンに映し出されてる映像が切り替わる。
メール画面が表示され、最新のメールを押す。するとクチナワからの最新のメールが表示される。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
件名:【重要】第二ステージについて
――――――――――――――
[添付ファイル]
生き残っている皆様へ★
本日、2度目の配信になります。
2回戦まで皆様お疲れ様でした。
学校間大戦は楽しんでいただけてますでしょうか。
さらなる盛り上がりのために、第二ステージからは一部ルールを改訂し、取り組んでいただきたく思います。
要点は2つ。
・これからは大戦期間を定めません。宣戦布告の手続きも不要になります。奇襲を仕掛けてももちろん良いです。
・学校同士の共闘を認めます。また合併についても認めます。
以上、よろしくお願いします★
クチナワ
━━━━━━━━━━━━━━━━━
メールの内容はとてもシンプルなものだった。だけどとても衝撃的な内容。
「……………おい。これって根本から変わってくるじゃねーか」
アリスが呟く。
俺はシンプルな文章を読み直していた。
「ええ。休戦期間はなくなり、いつ攻められてもおかしくはないわ」
逆に攻められないこともあるのかも知れない。強すぎて戦いを近隣の学校が避けてくれたら無傷で生き残り続けることも……そんなに甘くないか。
「一番怖いのが、共闘されることね」
「……要するに、立心館高校が2つの学校に同時に攻め込まれるってことか?」
会長が草野さんに頷く。
そんなことになれば立心館高校はひとたまりもない。
実は生徒数としてはかなり少ないのではないかと思う。確か総生徒数が今は300名前後くらいのはず。大凶高校とも星華高校とも苦戦したことで負けて消えてしまった生徒が多い。
「それって今の立心館では勝ち目がないですよね?」
沙也加が隣で会長に話す。
「正直戦力不足ね。生徒数、平均Lv全てが物足りないわ」
「近隣の学校はどんな感じなんですか?」
「平均Lvは約80ね。だけど生徒数は一番少ないところでも500人は越えてるわ」
会長はMAPアプリに切り替える。
すると立心館を中心にいくつかのマークが地図上についている。
マークをタップすると学校名と総生徒数、平均Lvまで分かる。
学校代表のMSPってこんな機能まであったんだ…。てかこれって…。
「これって当然、立心館高校の総生徒数も他校に把握されてるってことですよね?」
飛鳥が会長と草壁さんに聞く。
2人は頷く。
「そうなのよ。そこが一番の問題ね」
「ウチが学校代表なら確実に人数で勝てるところをターゲットにしちゃいます…」
植村さんに同意見だ。
でも一つ気になることがある。
「立心館の平均Lvってどのくらいなんですか?」
「平均Lv74ね。少し低めなのよね」
会長が朝、俺達にLv上げに取り組んで欲しいと言っていた意味が分かる。立心館はほぼ間違いなくターゲットにされるだろう。
「質問だ。平均Lvってのは会長のLvも反映されての数値なのか?」
「良い質問ね。実はこれは私のLvは入ってないわ。どの学校も同じよ。どうしてそうなのかは分からないけど」
「なら、勘違いして攻め込んでくるおバカな学校もいるってことか!」
「その話なんだけど、もう一つ共有したいことがあるの。今日このメールの前に情報解禁があったわ」
会長はその内容について話す。
色々と興味深い内容が多いが、それで気づく。
「ええ、個人ランキングに私のLvが載ってるわ」
まさかの全国3位。
そんなにうちの会長って強かったんだ…
でも、これって…
「会長を警戒して、それこそ共闘で来られる可能性がぐんっと上がる気がする…それに会長を確実に封じ込める作戦を立ててきそう…」
俺は会長に伝える。
会長もそれが分かってたみたい。
「そうなのよね。そこで皆に相談があるわ」
また会長はMSPを操作し始めた。
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