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2章 芸能界復帰編
『読者モデル』の発売 2
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~内山ルナ視点~
凛くんが表紙を飾った『読者モデル』の発売日である4/1となる。
その日の我が社は朝から大忙しだった。
「社長っ!例の『読モ』の増刷依頼が来ております!」
「こちらからも同様の要望が多数上がってます!」
仕事開始時刻である8時半を過ぎると同時に社内の固定電話が一斉に鳴り出し、社員がその対応に追われている。
アタシが代表取締役を務める芸能プロダクション『ソレイユ』の規模は小さい。
所属しているアイドルやモデルの数は大手より少なく、有名なアイドルが1人いるだけで、所属しているほとんどの人が無名と言っていい状態だ。
そのため、固定電話が鳴ることなんて少ない社内で全ての固定電話が一斉に鳴った時は、社員全員が驚いた。
「朝の段階で急上昇ワードに凛くんの名前があったから、売れ行きは良好だと思ってたが……まさかここまでとは……」
あまりの反響に驚きつつも、好調すぎて口元は緩み切ってしまう。
そんな中、社内で幹部の役職に就いている矢上がアタシのもとへ報告に来る。
「社長、例の『読モ』の件で、10時現在の状況を報告させていただきます。10時の段階で増刷依頼が10000件以上来ており、コンビニではもう手に入らないようです」
「くっ!もう少し多めに発行すればよかったか!」
凛くんのカッコよさは理解しており、表紙を飾ることで売り上げ上昇につながるとは思っていたが、想像の遥か上の結果となり、手に入らなかった人がたくさんいるようだ。
そのため、コンビニで手に入らないと分かった人たちがTSUT⚪︎YAなど10時に開店する雑誌販売店に押しかけ、謎の大行列ができているらしい。
「SNSでは『夏目凛』の名前がトレンド1位を獲得しており、盛り上がっております」
「炎上の方でな」
凛くんが問題を起こしたわけではないが、現在は収拾がつかないくらいの大炎上だ。
「増刷依頼の電話は店舗の場所と名前、追加の発行部数の確認を徹底しろ」
「了解しました」
アタシの指示に矢上が返事をする。
「それと一点、気になる電話もたくさんもらっております」
「ん?増刷依頼だけじゃないのか?」
「はい。増刷依頼以外に凛さんの住所や個人情報を教えてほしいという電話が多く来ております。これに関しては、すぐに切る等の対応で問題ないのですが、なぜか『夏目凛は昔、子役で活躍した夏目レンだろ?』等の電話も何件かもらってるようです」
「夏目レンだと?」
「はい。6年前まで子役として芸能界で活躍された夏目レンです」
夏目レンは天才子役と呼ばれており、彼の代表作である『マルモのおきてだよ』は平均視聴率20%超えと、超有名ドラマにもなった。
それに加え、『マルモのおきてだよ』で共演した愛甲真奈美ちゃんと歌った『マルマルモリモリ』という歌は、紅白歌合戦にも出場するほどの名曲となった。
「久しぶりに聞いたな、その名前」
6年前までは誰もが知る天才子役だった。
しかし、ある日を境に突然、芸能界を引退した。
引退した理由は色々と憶測が飛び交っているが、同時期に夏目レンの母親が亡くなったことが関係していると言われている。
「で、なぜか『凛くんは夏目レンだろ?』といった電話が数件来てるんだな」
「はい。そのようなことは本人から聞いてませんので本当かは分かりません。ですが……」
「成長すれば凛くんのような顔立ちになるな」
アタシは手に持っている『読モ』の表紙を眺めながら呟く。
「はい。私もそう思います」
アタシの呟きに矢上が同意する。
「よし。矢上は至急、凛くんに電話して夏目レンかを確認すること。そして、現在、事務所に所属しておらずフリーの状態なら、すぐに契約して来い」
「わかりました!」
アタシの指示を受け、矢上が動き出す。
その様子を見て、アタシは忙しなく動いている社員に向けて言う。
「久々に忙しい時間となるが、今は我が社の稼ぎどき!キッチリ臨時ボーナスを支給するから、みんな頑張ってくれ!」
「「「はいっ!」」」
臨時ボーナスの支給を聞いてから社員の動きが良くなる。
「それにしても凛くんに黙って表紙にしたけど大丈夫だったのだろうか。寧々さんは『サプライズだから黙ってていいですよ!』とか言ってたけど……」
『読者モデル』の収録日、凛くんが撮影されてる中、凛くんの写真を表紙で使うことを寧々さんに伝えた。
すると「そのことはお兄ちゃんに秘密にしてください!大丈夫です!絶対に反対はしませんから!」と言ってたので、勝手に表紙にしたことで凛くんから訴えられることはないと思う。
「まぁ、とりあえずは凛くんと契約できるか……だな。『読モ』の撮影を引き受けたことから事務所には所属してないと思うが」
矢上から『読モ』の代役をお願いした時、「俺の事務所を通してから」等の発言はなかったらしい。
アタシは凛くんと契約できることを祈りながら、仕事に取り掛かった。
凛くんが表紙を飾った『読者モデル』の発売日である4/1となる。
その日の我が社は朝から大忙しだった。
「社長っ!例の『読モ』の増刷依頼が来ております!」
「こちらからも同様の要望が多数上がってます!」
仕事開始時刻である8時半を過ぎると同時に社内の固定電話が一斉に鳴り出し、社員がその対応に追われている。
アタシが代表取締役を務める芸能プロダクション『ソレイユ』の規模は小さい。
所属しているアイドルやモデルの数は大手より少なく、有名なアイドルが1人いるだけで、所属しているほとんどの人が無名と言っていい状態だ。
そのため、固定電話が鳴ることなんて少ない社内で全ての固定電話が一斉に鳴った時は、社員全員が驚いた。
「朝の段階で急上昇ワードに凛くんの名前があったから、売れ行きは良好だと思ってたが……まさかここまでとは……」
あまりの反響に驚きつつも、好調すぎて口元は緩み切ってしまう。
そんな中、社内で幹部の役職に就いている矢上がアタシのもとへ報告に来る。
「社長、例の『読モ』の件で、10時現在の状況を報告させていただきます。10時の段階で増刷依頼が10000件以上来ており、コンビニではもう手に入らないようです」
「くっ!もう少し多めに発行すればよかったか!」
凛くんのカッコよさは理解しており、表紙を飾ることで売り上げ上昇につながるとは思っていたが、想像の遥か上の結果となり、手に入らなかった人がたくさんいるようだ。
そのため、コンビニで手に入らないと分かった人たちがTSUT⚪︎YAなど10時に開店する雑誌販売店に押しかけ、謎の大行列ができているらしい。
「SNSでは『夏目凛』の名前がトレンド1位を獲得しており、盛り上がっております」
「炎上の方でな」
凛くんが問題を起こしたわけではないが、現在は収拾がつかないくらいの大炎上だ。
「増刷依頼の電話は店舗の場所と名前、追加の発行部数の確認を徹底しろ」
「了解しました」
アタシの指示に矢上が返事をする。
「それと一点、気になる電話もたくさんもらっております」
「ん?増刷依頼だけじゃないのか?」
「はい。増刷依頼以外に凛さんの住所や個人情報を教えてほしいという電話が多く来ております。これに関しては、すぐに切る等の対応で問題ないのですが、なぜか『夏目凛は昔、子役で活躍した夏目レンだろ?』等の電話も何件かもらってるようです」
「夏目レンだと?」
「はい。6年前まで子役として芸能界で活躍された夏目レンです」
夏目レンは天才子役と呼ばれており、彼の代表作である『マルモのおきてだよ』は平均視聴率20%超えと、超有名ドラマにもなった。
それに加え、『マルモのおきてだよ』で共演した愛甲真奈美ちゃんと歌った『マルマルモリモリ』という歌は、紅白歌合戦にも出場するほどの名曲となった。
「久しぶりに聞いたな、その名前」
6年前までは誰もが知る天才子役だった。
しかし、ある日を境に突然、芸能界を引退した。
引退した理由は色々と憶測が飛び交っているが、同時期に夏目レンの母親が亡くなったことが関係していると言われている。
「で、なぜか『凛くんは夏目レンだろ?』といった電話が数件来てるんだな」
「はい。そのようなことは本人から聞いてませんので本当かは分かりません。ですが……」
「成長すれば凛くんのような顔立ちになるな」
アタシは手に持っている『読モ』の表紙を眺めながら呟く。
「はい。私もそう思います」
アタシの呟きに矢上が同意する。
「よし。矢上は至急、凛くんに電話して夏目レンかを確認すること。そして、現在、事務所に所属しておらずフリーの状態なら、すぐに契約して来い」
「わかりました!」
アタシの指示を受け、矢上が動き出す。
その様子を見て、アタシは忙しなく動いている社員に向けて言う。
「久々に忙しい時間となるが、今は我が社の稼ぎどき!キッチリ臨時ボーナスを支給するから、みんな頑張ってくれ!」
「「「はいっ!」」」
臨時ボーナスの支給を聞いてから社員の動きが良くなる。
「それにしても凛くんに黙って表紙にしたけど大丈夫だったのだろうか。寧々さんは『サプライズだから黙ってていいですよ!』とか言ってたけど……」
『読者モデル』の収録日、凛くんが撮影されてる中、凛くんの写真を表紙で使うことを寧々さんに伝えた。
すると「そのことはお兄ちゃんに秘密にしてください!大丈夫です!絶対に反対はしませんから!」と言ってたので、勝手に表紙にしたことで凛くんから訴えられることはないと思う。
「まぁ、とりあえずは凛くんと契約できるか……だな。『読モ』の撮影を引き受けたことから事務所には所属してないと思うが」
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