髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。

昼寝部

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2章 芸能界復帰編

復帰後初仕事 2

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 スタッフたちが騒ぎながら監督に問い詰める間、俺たちは雑談をしながら過ごす。
 そして、スタッフたちが落ち着いたところで収録が再開される。

「子役時代の芸名を聞いてもいいですか!?」

 先ほどと同じやり取りを行い、俺は下田さんの質問に答える。

「もちろんです!俺、昔は夏目レンって芸名で活動してました!」

 俺の発言に、今度は誰も声を上げることなく収録が続く。

「えっ!夏目レンですか!?」

 そして下田さんがオーバーなリアクションを取る。

「言われてみれば、夏目レンの面影を感じますね!」
「子供は成長が速いって言いますからね。6年も経てば、面影が残ってる程度しか感じないと思いますよ」
「でも私は『読モ』の表紙を飾ってる凛くんを見て、すぐに夏目レンだって気づいたよ!」
「真奈美の場合は夏目レンの本名が夏目凛であることを知ってたからな。幾分か勘付きやすかったかもしれんぞ」
「あ、そっか!」

 真奈美が「確かに!」と言って納得する。

「そういえば、お2人は『マルモのおきてだよ』で共演されましたね」
「そうですね。俺が真奈美の弟役でした」
「同い年ということで、共演が終わってからも凛くんとは交流がありました。特にドラマ終了後は、私と凛くんで歌った『マルマルモリモリ』が大ヒットしましたからね。何度もスタジオで凛くんと歌いましたよ」
「あの頃は喉のケアをいつも以上に大切にしたなぁ」

 そんなことを真奈美と話しながら、昔を思い出す。

「実は俺、夏目レンの大ファンだったんです。復帰するのを心の底から待ってたんですが……『読モ』の夏目さんを見ても夏目レンと結びつけることができませんでした」

 そう言って下田さんが落ち込む。

「仕方ありませんよ。先ほども言いましたが6年も経ってますので、面影が残ってる程度しか感じないと思います」
「それもそうですが……あーっ!悔しいっ!」

 下田さんが悔しそうに地団駄を踏む。

「ちなみに『読モ』の表紙を見て、夏目さんが夏目レンと同一人物であることに気づいた人はいたのですか?」
「いたらしいですね。事務所宛に俺=夏目レンかを確認する電話が数件ほどあったようなので」
「すごいですね、その方々は!俺もその1人になりたかった!」
「おかげで事務所は電話対応に追われて大変だったらしいですけどね」

 俺は笑いながら下田さんへ言う。
 そんな感じで、夏目レンの話題を中心に3人で語りあった。
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