髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。

昼寝部

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5章 ドラマ撮影開始まで

『鷲尾の家族に乾杯』の放送 9

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~夏目寧々視点~

「そして次は……あ、お兄ちゃんが『恋占いの石』で女の子たちとイチャイチャした時も盛り上がってるね」

 そう呟いてコメント欄を見る。

〈『恋占いの石』でリン様からアドバイスもらえるとか羨ましいよ!〉
〈絶対、自分の恋を叶える気ない人たちがリン様からアドバイスをもらってるだろ〉
〈俺もリン様と触れ合うためだけに『恋占いの石』にチャレンジしたと見た〉
〈リン様からアドバイスをもらえるなら今の恋が叶わなくても問題ないでしょ!〉

 等々、『恋占いの石』の役割である恋愛成就をガン無視しているコメントが多々見られた。

「お兄ちゃんと触れ合う機会かぁ。確かに貴重な体験だよね。まぁ、私は毎日お兄ちゃんと触れ合ってるけど」

 どこぞの誰かにマウントを取る発言をしながら、私はスマホをスクロールする。

 すると…

「やっぱり、お兄ちゃんが着物を着た時が一番盛り上がってるね」

 案の定、お兄ちゃんの着物姿にメロメロになったファンが色々なコメントをしていた。

〈リン様の着物姿ヤバすぎでしょ!〉
〈えっ!神降臨!?〉
〈カッコ良すぎよ!今まで見てきた着物男子たちが霞んで見える!〉
〈リン様の着物姿を見てから鼻血が止まらないんだけどっ!〉
〈&\€%#$&@っ!〉
〈最後のやつ、何言ってるか分からんのだがww〉

 等々、お兄ちゃんの着物姿を絶賛する声がたくさん見られた。

 他にも…

〈氷鶴ちゃんめっちゃ可愛いんだが!?〉
〈夏目凛に褒められて照れる氷鶴ちゃん、可愛いすぎだろ!〉
〈俺、氷鶴ちゃんと会うために京都まで行ってくるわ〉
〈氷鶴ちゃんの店、リン様が着た着物を飾ってるんだって!見に行かなきゃ!〉
〈氷鶴ちゃん、絶対リン様の着た着物をクンカクンカしてるよ!羨ましいっ!〉

 等々、お兄ちゃんにデレデレな氷鶴ちゃんに関するコメントも多々見られた。

「ふむふむなるほど」

 私は一通りコメントを確認してスマホを閉じる。

「お兄ちゃんの評価がまた一つ上がったようだね」

 そのことを嬉しく思い、自然と笑みが溢れる。

「まぁ、お兄ちゃんは周りの人の評価なんて一切気にしてないけど」

 お兄ちゃんはSNSの評価を一切気にしてないため、毎回自分で自分の名前を検索欄に入れるエゴサーチなんてしない。
 そのため、定期的に私がSNSでの評価を簡単に説明している。

(今回に限ってはお兄ちゃんにエゴサーチをする時間はないと思うけどね)

 きっと今頃は3人から様々な質問攻めを受け、忙しなくメッセージを送っているだろう。
 そんな鈍感お兄ちゃんに「はぁ…」とため息を溢しつつ、私はリビングに飾っているカレンダーへ目を向ける。

「来週もお兄ちゃんの活躍が見られるからね。すごく楽しみだよ」

 来週には桃華さんとの写真集が発売され、美奈ちゃんとのCMが放送される。
 そして6月1日にはお兄ちゃん単独の写真集発売が決定している。
 私は持っていたスマホをポケットに入れて立ち上がる。

「よしっ!3人からのメッセージで困ってるであろうお兄ちゃんの様子を見に行こっと!」

 そう呟いて、私はお兄ちゃんの部屋へ向かった。
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