髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。

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6章 ドラマ撮影編

立花香帆の想い 3

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~立花香帆視点~

 ――私も真奈美を見習って素直にアプローチしてみせる!

 そう思ってた時期が私にもありました。

「これあげるわ。麦茶よ」
「おぉー!ちょうど喉が乾いてたんだ!ありがと!立花さんっ!」
「っ!べ、別に凛のためにもらってきたわけじゃないわ!私も喉が乾いてたからついでにもらってきただけよ!感謝しなさいよね!」
「お、おう……ありがと、立花さん」

 とか…

「あっ!そういえば監督から椅子を用意しとけって言われてたんだ!」
「それなら私がやっておいたわ。凛は忙しそうだったからね」
「マジで!ありがと、立花さんっ!」
「っ!か、勘違いしないでよね!撮影をスムーズに行うためにやっただけよ!凛のためにやったわけじゃないんだからね!」
「も、もちろん、勘違いなんかしないぞ。俺の手際が悪いから立花さんが動く羽目になったんだろ?ごめんな、俺が不甲斐ないせいで」

 とか、漫画でよく見るツンデレヒロインのような対応をひたすらしていた。



「死にたい……」

 凛と友達になってから数日後。
 私は誰もいない廊下で体育座りの姿勢で俯いていた。

「どーやって凛に好意を伝えればいいか全くわからないわ」

 大嫌いから大好きへと気持ちが変わったからか、元々私が好きな人に対して素直になれない性格なのかは分からないが、全然素直にアプローチできない。

「しかも凛が鈍すぎて変な勘違いしてるし……」

 先日、凛が「なぁ、寧々。俺と立花さんって友達になったんだよな?全然、俺への態度が変わってないんだけど?むしろ友達になる前より嫌われてるんだけど?」と、寧々に言ったらしい。

「もういや。真奈美みたいに素直になりたい……」

 今日の真奈美も積極的で、凛から頭をナデナデしてもらっていた。
 ちなみに、その様子を見た私は嫉妬のあまり凛を睨みつけた。

「凛のことが好きなのに何で私は……」

 そんなことをブツブツと呟きながら体育座りのまま俯いていると…

「そんな立花さんに良いニュースを持ってきました!」

 と、高らかに言う女性の声が聞こえてきた。

「……え?」

 私はその声に反応し、顔を上げる。
 そこには凛のマネージャーである矢上さんがいた。
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