髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。

昼寝部

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7章 凛くん争奪戦

選考会という名の修羅場 10

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 桃ちゃんのえっちぃ姿から目が離せないでいると…

「おぉーっと!速くも小鳥遊さんが3つ目の障害物、平均台へと挑戦します!」

 との声が聞こえ、視線を美奈へ移す。
 そこには太さが10cmしかない平均台を難なく進む美奈の姿があった。

「さすがアイドルですね。バランス感覚が素晴らしいです」

 平均台から落ちた場合、平均台のスタート位置に戻ることとなりタイムロスとなるが、美奈が平均台から落ちる気配はない。
 それくらい安定した歩きを見せている。

「ここで浜崎さんも平均台へ到着!立花さんは網くぐりをクリアしました!」

 現在の順位は美奈がぶっちぎりでトップを走り、浜崎さん、立花さん、真奈美と続く。
 そして桃ちゃんが5位を走っている。

「全然進まないよぉーっ!」
「なんですか、この網はっ!ものすごく進みにくいです!」

 網くぐりに苦戦している巨乳2人の声が聞こえてくる。

「真奈美と桃ちゃんはまだかかりそうですね」
「この位置では3位の立花さんに追いつくのは難しいでしょう」

 つまり真奈美と桃ちゃんで最下位争いをすることになりそうだ。

「おぉっと!平均台の方で立花さんが浜崎さんを追い上げています!」

 バランス感覚が優れているのか、立花さんが浜崎さんを追い上げており、先ほどよりも差が縮まっている。

「へー、立花さんってバランス感覚が良いんだ」
「そのようですね。実際、先頭の美奈さんと同じくらいのペースで進んでますから」

 そんなことを話しつつ全体を見渡すと、巨乳の2人が網くぐりを抜けており、平均台へと向かっていた。

「愛甲さんと雨宮さんが網くぐりを抜けたみたいですね!」
「そのようですね。2人とも疲弊し切ってますが」

 どうやら網くぐりにかなりの体力を使ったようで、2人とも疲弊している様子。
 桃ちゃんなんか肩で息をしており、先程よりも巨乳を揺らしながら走っていた。

(2人とも胸に重りを背負ってるからなぁ。走るだけでも大変そうだ)

 そんなことを思ってしまう。

「おぉーっと!小鳥遊さんが平均台をクリアし、最後の障害物であるパン食い競走に到着しました!」

 ぶっちぎりでトップを走る美奈が最後の障害物に到着する。
 そこにはスタッフが5つのパンを吊るしており、美奈は口でパンを咥えなければならない。

「小鳥遊さんは一発でパンを咥えることができるのでしょうか!?」

 一之瀬さんと共に固唾を飲んで美奈を見る。

「えいっ!」

 そんな可愛らしい声をあげながら美奈がジャンプする。
 しかし、吊るされたパンまで口が届かず、そのまま落下する。

「惜しいっ!数cmほど届かずっ!」
「もう少し膝を曲げてジャンプした方がいいかもしれませんね」

 俺の言葉が届いたのかは分からないが、美奈は先程よりも膝を曲げて溜めを作る。
 そして「えいっ!」と可愛らしい声をあげて再びジャンプをする。
 しかしパンを咥えることはできずに落下する。

「惜しいっ!先程よりも惜しかったです!」

 ほんの少し届かなかった美奈が「次こそはーっ!」と気合を入れている。
 しかし何度もジャンプをするが、残念ながらパンを咥えることはできない。

「どうやら小鳥遊さんは吊るされたパンが高くて届かないようです!」
「5人の中で1番背が低いですからね。1番背の高い桃ちゃんに合わせて高さ調整してると思いますので、美奈にとっては不利な状況ですね」

 運動神経は良いのでジャンプ力はあるが、背が低すぎてパンに届かないようだ。

「むぅ~っ!次こそはっ!」

 気合の入った声とともに“ぴょんぴょん”とその場でジャンプをするが、あと少しのところで届かず悔しそうな顔をしている。

 そんな美奈を見て無性に応援したくなった俺は…

「頑張れっ!美奈っ!」

 と、大きな声で美奈を応援する。

「リン様っ!」

 その声が届いたのか、美奈が俺の方を向く。

「リン様が応援してくれましたっ!絶対、1位になってみせます!」

 そう呟いた美奈が少し助走をとり、一気に駆け出す。
 そして思いっきりジャンプして、遂にパンを口で咥えることに成功する。

「ふぁっふぁーっ!」

 咥えた状態なので何を言ったかは分からないが、満面の笑みで俺を見ているので、とても喜んでいるのだろう。
 そんな美奈に俺も笑顔で返す。
 そして美奈はパンを咥えたままゴールし、一位となる。

「リン様のおかげでゴールできましたー!」

 俺の方を向き、“ぴょんぴょん”と跳ねながら可愛らしい笑顔を見せる。

「あぁ。見てたよ。よく頑張ったな」
「えへへ~!」

 そして嬉しそうにはにかむ。

(やっぱり美奈の笑顔は人を元気づける力があるよ)

 そんなことを思った。
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