髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。

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7章 凛くん争奪戦

立花香帆との撮影 4

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 立花さんの発言に落ち込んだが、今は撮影中だと切り替えてお婆ちゃんを追う。
 その後、しばらくお婆ちゃんを交えた3人で談笑していると、前方に大きな校舎が現れた。
 その校舎は汚れや傷などの劣化が目立っており、一目で廃校していることがわかった。

「ここが私の母校、南青葉小学校よ」

 校門前で学校名を確認すると『南青葉小学校』と書かれていた。

「この学校は10年前に廃校が決定したの。そして在校生がいなくなってからは体育館や運動場などは貸し出してるけど、校舎自体は誰も使わなくなった」

 校舎には誰も入らないよう施錠されており、今では誰も使われていない。

「見るからにボロボロな校舎だけど私は今でもこの学校が好き。だから時々、ここに来て校舎を見て回ってるの」
「そうなんですね」

 お婆ちゃんの話を聞いて俺も愛着が湧く。

「だから凛さんや香帆さんも時折、足を運んでくれると嬉しいわ。誰も来なくなると寂しいからね」
「分かりました。近くに来た際は必ず足を運びます」
「私もここに訪れるようにします」
「ありがとう」

 そう言ってお婆ちゃんが笑う。
 こうして立花さんとの課題をクリアした。



 お婆ちゃんと別れ、川端さんと寧々、他の夏目ガール4人と合流する。

「「「「じーっ」」」」

 何故か夏目ガール候補生4人からの視線が痛いが。

「夏目さん。少しは自重してください。他の4人が乱入しそうになりましたので」
「そうだよ!お兄ちゃんが香帆ちゃんとイチャイチャしすぎたから私たち大変だったんだよ!」
「お、俺たちはイチャイチャなんかしてないぞ!?」
「そ、そうよ!私たちは普通に旅をしただけなんだから!」
「「「「ふーん」」」」

 と弁明するが、何故か夏目ガール候補生4人からの視線が痛い。
 俺だけではなく立花さんにも同様の視線を向けていることから、原因は俺だけではないようだ。
 みんなの視線に疑問を感じていると真奈美が俺に話しかける。

「どうだった?香帆ちゃんとのデートは?」
「そうだな。デートではないが楽しかったぞ」

 途中、何故か告白してもいないのに振られたが、楽しかったのは偽りのない本心だ。

「……本当に楽しかったの?」

 どうやら俺の言葉を疑っているようで、立花さんが不安そうな顔で問いかける。

「あぁ。本当に楽しかったぞ」
「……私、凛に強く当たってしまったのに?」
「あれくらい何とも思わないよ」

 訳もわからず振られたことはショックだったことは黙っておく。

「だからそんな不安そうな顔しなくて良いよ。俺は心の底から楽しかったと思ってるんだから」

 そう言って笑顔を見せる。

「~~~っ!あ、相変わらずカッコいいわね」

 すると顔を赤くした立花さんが俯いて何かを呟く。

 よく聞こえなかったため、立花さんに聞き返そうとすると…

「……香帆」
「ん?」
「こ、これからは私のこと、下の名前で呼んで」

 赤く染まった顔を上げながら、そうお願いしてくる。

「……いいのか?」
「えぇ。だって私たちは友達よ。だから……し、仕方なく呼ばせてあげるわ!」

 そう言って胸を張る立花さん。

「何で素直にお願いできないのかなぁ……」

 そんな寧々の声が聞こえてきたが、立花さんと仲良くなれるチャンスなので、俺は気にせず名前で呼ばせてもらう。

「分かった。これからは香帆って呼ぶよ」
「~~~っ!そ、そうしなさいよね!」

 と言ってそっぽを向く。

 その際「うぅ……何で私は上からでしか言えないのよ……」との呟きが聞こえてきた。

 そのため香帆に話しかけようとすると、俺のもとへ寧々が歩み寄る。

「さすがドMお兄ちゃん!香帆ちゃんの言葉遣いを全く嫌と思わないなんて!家に帰ったらドMお兄ちゃんが喜ぶご褒美をあげるよ!」
「おい妹よ。俺はドMじゃないぞ」

 香帆から「褒められて嬉しくない」や「仕方なく呼ばせてあげる」など言われたが、その発言に対して喜びは感じてないので全否定する。
 しかし何故か周りの人たちが反応する。

「まさかリン様がドMだったなんて……」
「私も驚いたけど香帆ちゃんの言葉を聞いても友達でいられる人なんてドMしかいないよね」
「ウチはそんな夏目さんでも嫌いになったりしませんよ!むしろ夏目さんが喜ぶのならドSになります!」
「夏目様にそのような趣味があったとは知りませんでした。これは美柑に報告して対策を取らなければ……」
「俺の話を聞いてぇぇぇっ!」

 俺にドMという性癖がないことを理解してもらうのに10分程度要しました。
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