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7章 凛くん争奪戦
雨宮桃華との撮影 2
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川端さんから謎の圧をかけられた後、桃ちゃん以外の4人が後方へ下がり、撮影が始まる。
「では雨宮さんとの撮影を始めます」
カメラが回り始め、撮影が再開する。
「今からはモデルの雨宮桃華さんと課題クリアに向けて頑張っていこうと思います」
簡単に今からの撮影内容を説明し、桃ちゃんの方を向く。
「今からの課題は何になるんだ?」
「はいっ!私とクリアする課題は『南青葉駅を中心に半径10キロ以内にある駄菓子屋へ行く』です!」
桃ちゃんが元気よく課題を教えてくれる。
「半径10キロ以内か。結構広いぞ?しかも課題になるってことは、半径10キロ以内に駄菓子屋が一つしかないってことだろ?」
「そのように聞いてます!」
どうやらこの課題も簡単にクリアできそうにないらしい。
「とりあえず移動するか。南青葉小学校にいても人が少ないからな」
ということで俺たちは人通りの多い場所まで移動する。
その間、俺は桃ちゃんとの関係を話す。
「桃ちゃんと何処かに出かけるのは9年ぶりだな」
「そうですね。夏目様とお母様が共演した時は毎日のように遊んでましたからね」
俺と桃ちゃんは9年前に出会っている。
キッカケとなったのは俺が子役時代の頃、桃ちゃんのお母さんで女優でもあった東條林檎さんと共演した時。
林檎さんの演技の見学に来ていた桃ちゃんを俺が遊びに誘ったことで現在の関係となっている。
「実は俺が桃ちゃんって呼んでる理由を収録スタッフから聞かれたんだ。年上の桃ちゃんに敬語を使わず距離感も近いからな」
クイズの収録や障害物競走の時は桃ちゃんと呼んでおり、収録の合間も敬語を使わず距離感の近い俺たちの関係に疑問を持った人は多かったようだ。
「あ、それ私も聞かれました。なので私は夏目様を9年前から知ってることを伝えてます。そして何度も一緒に遊んだことも伝えてますよ」
「俺も似たようなことを伝えてるな」
そう言って昔話に花を咲かせる。
「あ、そういえば夏目様にお聞きしたいことがありました」
「ん?どうした?」
「私と夏目様は9年前にお会いしておりますが、私と出会うよりも前に仲良くなった女の子はいるのですか?」
「うーん、多分だがいないな」
「家の隣に可愛い幼馴染がいたとかもありませんか?」
「あぁ。そんなことはないぞ」
そう答えると桃ちゃんの顔がパーっと笑顔になる。
「では私が1番最初に仲良くなった女性ということですね!」
「そうだな。妹を除けば桃ちゃんが1番最初だろう」
その返答を聞いた瞬間、桃ちゃんが真奈美たちの方を向く。
(すごく嬉しそうな顔してるなぁ。あ、真奈美がスタッフに取り押さえられてる)
事あるごとに出会いの速さを持ち出す2人なので今の発言が真奈美の逆鱗に触れたらしい。
しかしスタッフに口を抑えられているので何も聞こえない。
そんな会話をしながら歩いていると、人通りの多い場所に辿り着いた。
「久々に夏目様とお出かけができるのでもう少し隣を歩きたかったのですが、人通りの多い場所に着いてしまいました」
少し残念そうに桃ちゃんが言う。
「じゃあ情報を集めてくるよ」
「はいっ!頑張ってくださいね!」
見惚れてしまうくらい可愛い桃ちゃんの笑顔に見送られ、俺は情報収集へと向かった。
通りすがる人へ駄菓子屋について聞くが、誰も分からないようで答えに辿り着くような情報を手に入れることはできなかった。
「桃ちゃん、全然ダメだ。ヒントください」
疲れ切った俺は早々にヒントを求める。
「はいっ!ちょっとお待ちくださいね!」
そう言って桃ちゃんが何故か胸の谷間を触りだす。
「っ!」
その様子を至近距離で直視してしまった俺は咄嗟に目を逸らす。
(あかんっ!“ふにゅっ!”って揺れてた!すっごく柔らかそうだった!)
目の前で形を変えながら揺れた巨乳が今も目に焼きついている。
「んっ…」
しかもエッチぃ声付きで。
「中々見つかりませんね……あんっ……」
(お願いだからはやく見つけてぇぇぇっ!)
エッチぃ声は俺しか聞こえないくらいの大きさなので、全国放送されることはないだろうが、このままだと俺が放送できない顔になる。
「あ、ありました!ヒントを書いたメモです!」
俺が理性と戦っていると、ようやく見つけた桃ちゃんが一枚の紙切れを見せる。
「はい、夏目様。温めておきました」
「秀吉かよ」
そうツッコミつつ受け取る。
(温かいなぁ。これ、ずっと桃ちゃんの胸の谷間にあったのか……って、そのことは忘れろ!)
思い切り首を振って邪な考えを振り切り紙を開く。
そこには…
『昔は駄菓子屋を営んでおり駄菓子のみを販売していましたが、今は駄菓子以外も売ってるので駄菓子屋だと気付く人は少ないです。なので昔からこの町に住んでいらっしゃる方にお聞きするのがよろしいと思います』
と書かれていた。
「とても分かりやすいヒントだよ。ありがと、桃ちゃん」
「いえいえ。夏目ガールとして相応しいヒントを与えるべく頑張りましたから」
どこかホッとしたような表情で桃ちゃんが答える。
「じゃあ前回と同じようにお年寄りの方に聞いてみるか」
そう思い行動に移しつつ、紙切れを探す桃ちゃんを思い浮かべる。
(身体的アプローチ……恐るべし……)
このようなことが続くと俺の心が持たないので、早急にクリアしようと思った。
「では雨宮さんとの撮影を始めます」
カメラが回り始め、撮影が再開する。
「今からはモデルの雨宮桃華さんと課題クリアに向けて頑張っていこうと思います」
簡単に今からの撮影内容を説明し、桃ちゃんの方を向く。
「今からの課題は何になるんだ?」
「はいっ!私とクリアする課題は『南青葉駅を中心に半径10キロ以内にある駄菓子屋へ行く』です!」
桃ちゃんが元気よく課題を教えてくれる。
「半径10キロ以内か。結構広いぞ?しかも課題になるってことは、半径10キロ以内に駄菓子屋が一つしかないってことだろ?」
「そのように聞いてます!」
どうやらこの課題も簡単にクリアできそうにないらしい。
「とりあえず移動するか。南青葉小学校にいても人が少ないからな」
ということで俺たちは人通りの多い場所まで移動する。
その間、俺は桃ちゃんとの関係を話す。
「桃ちゃんと何処かに出かけるのは9年ぶりだな」
「そうですね。夏目様とお母様が共演した時は毎日のように遊んでましたからね」
俺と桃ちゃんは9年前に出会っている。
キッカケとなったのは俺が子役時代の頃、桃ちゃんのお母さんで女優でもあった東條林檎さんと共演した時。
林檎さんの演技の見学に来ていた桃ちゃんを俺が遊びに誘ったことで現在の関係となっている。
「実は俺が桃ちゃんって呼んでる理由を収録スタッフから聞かれたんだ。年上の桃ちゃんに敬語を使わず距離感も近いからな」
クイズの収録や障害物競走の時は桃ちゃんと呼んでおり、収録の合間も敬語を使わず距離感の近い俺たちの関係に疑問を持った人は多かったようだ。
「あ、それ私も聞かれました。なので私は夏目様を9年前から知ってることを伝えてます。そして何度も一緒に遊んだことも伝えてますよ」
「俺も似たようなことを伝えてるな」
そう言って昔話に花を咲かせる。
「あ、そういえば夏目様にお聞きしたいことがありました」
「ん?どうした?」
「私と夏目様は9年前にお会いしておりますが、私と出会うよりも前に仲良くなった女の子はいるのですか?」
「うーん、多分だがいないな」
「家の隣に可愛い幼馴染がいたとかもありませんか?」
「あぁ。そんなことはないぞ」
そう答えると桃ちゃんの顔がパーっと笑顔になる。
「では私が1番最初に仲良くなった女性ということですね!」
「そうだな。妹を除けば桃ちゃんが1番最初だろう」
その返答を聞いた瞬間、桃ちゃんが真奈美たちの方を向く。
(すごく嬉しそうな顔してるなぁ。あ、真奈美がスタッフに取り押さえられてる)
事あるごとに出会いの速さを持ち出す2人なので今の発言が真奈美の逆鱗に触れたらしい。
しかしスタッフに口を抑えられているので何も聞こえない。
そんな会話をしながら歩いていると、人通りの多い場所に辿り着いた。
「久々に夏目様とお出かけができるのでもう少し隣を歩きたかったのですが、人通りの多い場所に着いてしまいました」
少し残念そうに桃ちゃんが言う。
「じゃあ情報を集めてくるよ」
「はいっ!頑張ってくださいね!」
見惚れてしまうくらい可愛い桃ちゃんの笑顔に見送られ、俺は情報収集へと向かった。
通りすがる人へ駄菓子屋について聞くが、誰も分からないようで答えに辿り着くような情報を手に入れることはできなかった。
「桃ちゃん、全然ダメだ。ヒントください」
疲れ切った俺は早々にヒントを求める。
「はいっ!ちょっとお待ちくださいね!」
そう言って桃ちゃんが何故か胸の谷間を触りだす。
「っ!」
その様子を至近距離で直視してしまった俺は咄嗟に目を逸らす。
(あかんっ!“ふにゅっ!”って揺れてた!すっごく柔らかそうだった!)
目の前で形を変えながら揺れた巨乳が今も目に焼きついている。
「んっ…」
しかもエッチぃ声付きで。
「中々見つかりませんね……あんっ……」
(お願いだからはやく見つけてぇぇぇっ!)
エッチぃ声は俺しか聞こえないくらいの大きさなので、全国放送されることはないだろうが、このままだと俺が放送できない顔になる。
「あ、ありました!ヒントを書いたメモです!」
俺が理性と戦っていると、ようやく見つけた桃ちゃんが一枚の紙切れを見せる。
「はい、夏目様。温めておきました」
「秀吉かよ」
そうツッコミつつ受け取る。
(温かいなぁ。これ、ずっと桃ちゃんの胸の谷間にあったのか……って、そのことは忘れろ!)
思い切り首を振って邪な考えを振り切り紙を開く。
そこには…
『昔は駄菓子屋を営んでおり駄菓子のみを販売していましたが、今は駄菓子以外も売ってるので駄菓子屋だと気付く人は少ないです。なので昔からこの町に住んでいらっしゃる方にお聞きするのがよろしいと思います』
と書かれていた。
「とても分かりやすいヒントだよ。ありがと、桃ちゃん」
「いえいえ。夏目ガールとして相応しいヒントを与えるべく頑張りましたから」
どこかホッとしたような表情で桃ちゃんが答える。
「じゃあ前回と同じようにお年寄りの方に聞いてみるか」
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