少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部

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芸能界編

撮影前夜

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 ミレーユさんの家に再びお邪魔することを約束し、今日のところは家に帰ることとなった。

「ごめん、ちょっと電話かけてもいいかな?」
「はい!」

 俺はミレーユさんから了承を得てスマホを取り出す。

(さっきは着信のせいでポケットからゴムを落とす羽目に)

 もちろん着信のせいではなく俺の不注意が招いた結果だが、タイミングが悪すぎたこともあるので着信者にも一言言いたい。
 そんなことを思いつつ着信履歴を確認する。

(桜からの電話か。どうでもいい内容だったら文句を言ってやろうか)

 そんなことを思いつつ電話をかける。

『あ、もしもし、お兄ちゃん』
『ごめんな、さっきは電話に出られず。何の用だ?』
『お母さんが今日の夜、カレーと鍋どっちがいいって』
『………』

(まさか晩御飯の内容だったとは。こんな内容のせいで俺は……)

『聞いてる?お兄ちゃん?』
『あー、うん。聞いてる聞いてる。カレーでいいよ、カレーで。あと電話をかけるタイミングが悪すぎだ。もうちょっと早くしてほしかった』
『ちょっ、お兄ちゃん!そんな風に言ったらっ!』
『あら。せっかく聞いてあげたのに、そんなこと言うのね』

 どうやら近くで母さんも聞いていたようで通話に混ざる。

『真白くんはカレーでいいのね。カレーで。なら晩御飯はカレーにするわ』

 そこで通話が終了する。

 桜が悪いわけではないが、緊急性のない電話すぎて一言だけ文句を言ってしまった。

「シロ様、電話は終わりましたか?」
「あぁ。そういえば本当に帰りも送ってくれるのか?」
「はいっ!あ、車に乗るまではお母様に見つからないようお願いします。またウチが引き付けておきますので」

 とのことでリンスレットの案内に従い、何事もなく高級車に乗り込む。
 その後、しばらくしてミレーユさんも乗車したので車が走り出す。

「今日はありがと。おかげで明日からの俳優業はなんとかなりそうだ」
「いえいえ!シロ様のお役に立てて嬉しいです!」

 笑顔で応えるミレーユさん。
 そんな感じで他愛のない話を行い、あっという間に帰り着いた。

「今日はあまりお話しできなかったから、今度はたくさんお話しようか」
「はい!また連絡します!」

 その返答を聞いて車から降りる。

「あ、シロ様。忘れ物があります」

 するとリンスレットが忘れ物を届けるために車から降りる。

「あれ?何か忘れ物したっけ?」

 そう思い手荷物を確認するが、貴重品類は全て所持していた。

「貴重品ではありません。コチラでございます」

 そう言って何故か避妊具を手渡される。

「いらんわ!」

 渡された避妊具は即座にリンスレットへ返す。

「わかりました。次回のお嬢様とのデートまで私が預かっております」
「そういう意味で返したわけじゃないんだけど!?」
「では私はこれで。今日はありがとうございました」

 俺の言葉は華麗にスルーしてリンスレットが車に乗り込む。

(なかなか癖のあるメイドだな。できる限り関わらないようにしよう)

 本気でそう思った。



 ミレーユさんたちを見送り玄関を開ける。
 するとカレーの良い匂いが漂ってきた。

(おぉ、食欲がそそられるぜ)

 そんなことを思いながら手を洗い、リビングに入る。

「ただいま。母さん、俺のご飯ある?腹減って死にそうなんだよ」
「おかえり、テーブルに用意してあるわ」
「ありがと、母さん」

 母さんの気遣いに感謝しつつ自分の席に座る。
 すると、目の前には調理前のカレールウと生肉、カットされてない玉ねぎとジャガイモ、そして玄米が皿に盛られていた。

「あ、あのぉ。母さん?俺のカレーは?」
「あら、そこに置いてるわよ」
「いや、これはカレーの材料であってカレーとは呼べなくて」
「なにを言ってるの?それらを一緒に食べたら口の中でカレーになるわ」
「え、えーっと――」
「はやく食べないと冷めるわよ?お腹が空いて死にそうなのでしょ?」
「カレーでいいとか生意気なこと言ってすみませんでしたっ!あと桜に八つ当たりしてすみませんでしたっ!俺は母さんお手製の美味しいカレーが食べたいですっ!」
「そう。なら電話の時にそう言いなさい」

 俺の返答に満足したのか、母さんが熱々のカレーをよそう。

「お兄ちゃん、あの返答はダメだよ。しかも私に文句言ってたし。お母さん、あの後怒ってたよ?」
「うっす。以後、気をつけます」

 相変わらず母さんには逆らえないようです。



 その後、カレーを食べた俺は母さんから演技指導を受ける。
 ちなみに台本に関しては俺が代役を断れない状況に追い込む……ではなく代役を断らないと思っていたようで、母さんが台本を家に持って帰っていた。
 そのため台本をもとに演技指導が行われた。

「今のセリフは親友である主人公に言うセリフなの。だから主人公のことを大事に思っていることが伝わるように」

 と、言われたり…

「なんでセリフを忘れるのかしら?1分後にもう一度やるから覚え直して」

 などなど、超スパルタな演技指導が深夜3時まで行われたが、無事母さんから合格をもらう。

「お、終わったぁ」
「お疲れ様。さすがモモさんの血を引く真白くんね。指導すれば指導するほど上達するわ。正直、今日は合格をあげる予定なかったもの」
「作者である母さんが俺が演じるキャラの心境を的確に教えてくれたからな。それがなければ厳しかったよ。でもこれで明日は何とかなるな」
「えぇ、明日撮影するシーンはね。他のシーンの練習も追々やっていくわよ」

 こうして付け焼き刃ではあるが母さんと練習し、撮影本番を迎えた。
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