少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部

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芸能界編

シロ様が人気な理由

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 俺は写真集の販売に対して了承する。

 そして『写真集を単独で発売するくらい、俺って実はカッコいいのでは?』という難問に対して思考を巡らせていると…

「では、2つ目の要件になります。実は日向さんへ仕事の依頼が山ほどきております」
「俺に?」
「はい。その中から社長と私が目を通し、日向さんにオススメできる依頼を数十件ほどピックアップしておりますので、受けても良いものを選んでください」

 神野さんが説明を終えると、俺たち3人にピックアップした依頼と仕事内容の書かれた紙を渡す。

「ふむふむ、俳優の仕事にバラエティ、握手会や近々行われるイベントでのゲスト参加など色々ありますね」

 俺は多種多様な依頼に驚く。

(これ、ホントに俺への依頼か?誰かと間違ってるんじゃないのか?)

 芸能界デビューしたばかりの俺が受ける仕事内容ではない気がする。
 そんなことを思いながら目を通していると、桜が大声を上げる。

「お兄ちゃん!これ、お爺ちゃんとお婆ちゃんの住んでる街だよ!」
「ん?おー、ホントだ。母さんの実家がある街だな。そこからも依頼が来たのか」

 桜が見せてきたのは、小さな街で行われる節分の祭りに、ゲストとして参加してほしいとの依頼。
 その街は母さんの実家で、俺は父さんが母さんと再婚してから何度か訪れている。

「俺に依頼が来るのは偶然じゃないような気がするんだが、母さんは何か知ってるか?」
「知らないわね。私はお爺ちゃんにシロ様の正体が真白くんってことを伝えて、2月に行われる節分祭りのゲストに真白くんを呼べば良いんじゃないかしら?ってアドバイスしただけだもの」
「知ってんじゃねえか!」

 偶然ではありませんでした。

「ちなみにコチラの依頼は楓先生からお墨付きをいただいてますので、詳しく調べるようなことはしてません!」
「根回しまでしてるし!」

 どうやら母さんは俺に引き受けてほしいようだ。

「まぁ、久しぶりにお爺ちゃんとお婆ちゃんに会いたいから引き受けるか。どうせ、鬼の役をするだけだろ」
「ありがとう、真白くん。近年、祭りを開いても他所からの来客が少なくて困ってるらしいから」
「なるほど。俺がゲストとして参加しても来客が増えるとは思えないが」

 そんな会話をしつつ、他にもバラエティ等の仕事をいくつか受ける。

「では、しばらくは今日決めていただいた仕事と、今放送中のドラマ撮影を並行して行います!今日はありがとうございました!」

 との言葉を残して神野さんは家から出て行く。
 俺は神野さんを見送った後、先ほどまで疑問に思っていたことを桜と母さんに聞く。

「なぁ、俺がカッコいいってお世辞じゃないのか?」
「そんなわけないよ。本当にお兄ちゃんはカッコいいんだから」
「えぇ、私から見てもカッコいいと思うわ」

 どうやらお世辞ではなく、本気で言っているようだ。
 そこで俺は一つの結論に辿り着く。

「って、ことはだぞ?違うかもしれないが、もしかしてシロ様って顔がカッコいいから人気が出てるのか?」
「そうだけど――え、もしかして、今まで気づいてなかったの?」
「あ、あぁ。俺なんかになぜ仕事が舞い込んでくるのか不思議に思ってたくらいだ」
「えぇ……どこかのタイミングで気付いてるのかと思ってたんだけど」
「さすが、真白くん。気付いてなかったことに言葉を失うわ」

 2人から呆れられる。

「も、もしかしてだが、最初の読モがバカ売れしたのは?」
「表紙のお兄ちゃんがカッコいいから」
「この辺りでシロ様を探してる人がたくさんいたのは、俺に文句を言おうとしたからではなく?」
「お兄ちゃんを一目見ようとしたから」
「みんなから『この顔だから彼女いるよね?』って言われたのは?」
「お兄ちゃんがカッコいいから」
「SNSのフォロワーが増えるのは?」
「お兄ちゃんがカッコいいから」
「oh…」

 衝撃の事実を告げられる。

(でも、これなら今までの謎が全て解決する。つまり俺って実はカッコいいんだな。実感ないけど)

「桜。俺が実はカッコよくて、シロ様がカッコ良いから人気が出たことはわかった」
「うん。むしろ、なんで今までわかってなかったのか不思議だけど、ようやく理解してくれたんだね」
「あぁ」
「じゃあ、伸ばした髪で顔を覆い隠す必要もないね!」

 俺は目つきの悪さから自分の顔に自信がなく、昔から髪の毛を伸ばして顔を覆うようにしていた。
 しかし俺の顔はカッコいいらしいので、今後は顔を隠す必要がない。

「そうだな。これからは顔を隠す必要もないな」
「でしょ!ってことは髪を切ってもいいんだね!?」
「まぁ、そうなるな」
「私ね、お兄ちゃんは一回チヤホヤされた方がいいと思うんだ!自己評価の低さを改善するために!だから、すぐにでも髪を切ろうね!」
「待て待て。俺は言われるほど低くないぞ?それに今すぐ切る必要は――」
「もしもし、穂乃果さん!ついにお兄ちゃんが髪を切るって決断してくれたよ!」
「すぐ穂乃果に伝えたくなるようなことなの!?」

 桜が俺の言葉を無視して穂乃果に電話をかける。

 そして…

「お兄ちゃん!私と穂乃果さんが涼宮さんたちと協力して凄腕美容師にお願いするから安心してね!」
「いや、別に今すぐ切らなくても――まぁ、いいか。凄腕美容師にお願いしてくれるなら」
「うん!任せて!」

(さすがに帽子で前髪を隠しながら仕事をすることに限界があるからな)

 俺はこの夜、自分が実はカッコいいことと、シロ様に人気が出た理由を理解するとともに、髪の毛を切ることが決まった。
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