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幼少期編
16 自由な王たち
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『ふふふっ、やーっと呼んでくれたのねぇ~。ずっと待ってたのよ』
天女のように、ふわりとスカートを揺らしながらゆっくりと降りてくる。
深緑の髪は光に当たるとちらちらと黄土色が見え隠れして美しい。
四肢を覆う生き生きとした草花たちと、下に垂れ下がった少しとんがりのある耳は、彼女が人間でないことをあらわしている。
『じゃぁーん、驚いたかしらぁ?』
和やかに、けれども面白そうに彼女は笑う。
そりゃあ、まあ…。
『もう、いつ私たちのこと思い出すかな思っていたら、一週間はたってたのよぉ。私たちにとって一週間って短いけど、とってもソワソワしながら待ってたんだからぁ』
ぷんすこといった感じでプランはおどけて見せる。
『そうねぇ、ルスピニーも呼んであげた方がいいかしら?ルスピニー、ここよぉ』
『あい分かった、今行こうか』
すると今度は妖艶な黒髪美女が降り立つ。
『っふ、ここがサラの部屋か。随分と可愛らしゅうな』
皮肉なのか本心からなのかわからないが、確かに私の部屋は可愛らしいだ。
ここに来て結構たつ私でも毛が立つようなフリフリとリボンの量。
そしてこれでもかと隅の方には人形が置いてある。
しかも、私並みにでかい。
部屋は全体的にピンク色でとてもじゃないが良い趣味とは言えない。
というか、最悪だと思う。
女の子は小学高学年でピンクを卒業するというのに、まったく…。
って、今の私は小学1年生なんでした(笑)。
などというのり突っ込みは置いておき、私もこの部屋を早々にどうにかしたいとは思っていたのだ。
ルスピニーには思わず痛いところを突かれてしまった。
「ははは………、精神的に辛いんでやめてください」
『なんでぇ?可愛いじゃない』
プロンはコテリと首を傾げる。
「ーーーこの際だから言いますけど、私、中身は五十代ですから。人間的には大分年老いた年齢なんですよ」
『まあな、そのくらいだろう。その落ち着き具合からしたらな』
ルスピニーは驚くどころか納得している。
『それでも私たちにとっては幼児みたいなものよぉ。ピンクも似合うわ!』
プロンに至っては話を聞いていなかったのかと聞き返したくなるほどだ。
ーーーこの妖精達…、自由すぎだろ。
「はぁ、まあ、いいです。本題に話を移しましょう」
プロンは『えー』と言うが、無視だ、無視。
「加護というものの存在はわかりましたが、妖精王の加護とはいかなる効果を持っているのですか?」
『そうねぇ…、簡単に言えば妖精王と会いたいときに会えるようになるわね。魔法を使うときに私たちにお願いすると、威力が大幅に増大すると思うわ。後は、私たちが自由にあなたを観察できることかしら』
やっぱり…、観察されてるのか…。
プロンもルスピニーも楽しそうにほほ笑んでいる。
悪趣味だ。
「ならば、今もこの状況を他の妖精王様方は見ていらっしゃるのですね」
『まあな』
「わかりました。それで、今日、お二人を呼んだのは…」
『ああ、退屈なんだろう。妾達が話し相手にでもなってやろうか?それともこの状況を打破してやろうか?後者ならば、少しばかり壊れるかもしれんがのぉ』
何がとは聞かないが、なにが壊れても嫌なので後者はお断りである。
「前者でお願いします」
茶番が多いのはこの人たちがそれほど暇をしているからなのだろうか。
なかなか話が進まない。
さすがに二人もこれ以上茶番を続ける気がないようなので『あい分かった』と返事をして、私の知らないこの世界のことについていろいろと教えてくれるようになったのだった。
天女のように、ふわりとスカートを揺らしながらゆっくりと降りてくる。
深緑の髪は光に当たるとちらちらと黄土色が見え隠れして美しい。
四肢を覆う生き生きとした草花たちと、下に垂れ下がった少しとんがりのある耳は、彼女が人間でないことをあらわしている。
『じゃぁーん、驚いたかしらぁ?』
和やかに、けれども面白そうに彼女は笑う。
そりゃあ、まあ…。
『もう、いつ私たちのこと思い出すかな思っていたら、一週間はたってたのよぉ。私たちにとって一週間って短いけど、とってもソワソワしながら待ってたんだからぁ』
ぷんすこといった感じでプランはおどけて見せる。
『そうねぇ、ルスピニーも呼んであげた方がいいかしら?ルスピニー、ここよぉ』
『あい分かった、今行こうか』
すると今度は妖艶な黒髪美女が降り立つ。
『っふ、ここがサラの部屋か。随分と可愛らしゅうな』
皮肉なのか本心からなのかわからないが、確かに私の部屋は可愛らしいだ。
ここに来て結構たつ私でも毛が立つようなフリフリとリボンの量。
そしてこれでもかと隅の方には人形が置いてある。
しかも、私並みにでかい。
部屋は全体的にピンク色でとてもじゃないが良い趣味とは言えない。
というか、最悪だと思う。
女の子は小学高学年でピンクを卒業するというのに、まったく…。
って、今の私は小学1年生なんでした(笑)。
などというのり突っ込みは置いておき、私もこの部屋を早々にどうにかしたいとは思っていたのだ。
ルスピニーには思わず痛いところを突かれてしまった。
「ははは………、精神的に辛いんでやめてください」
『なんでぇ?可愛いじゃない』
プロンはコテリと首を傾げる。
「ーーーこの際だから言いますけど、私、中身は五十代ですから。人間的には大分年老いた年齢なんですよ」
『まあな、そのくらいだろう。その落ち着き具合からしたらな』
ルスピニーは驚くどころか納得している。
『それでも私たちにとっては幼児みたいなものよぉ。ピンクも似合うわ!』
プロンに至っては話を聞いていなかったのかと聞き返したくなるほどだ。
ーーーこの妖精達…、自由すぎだろ。
「はぁ、まあ、いいです。本題に話を移しましょう」
プロンは『えー』と言うが、無視だ、無視。
「加護というものの存在はわかりましたが、妖精王の加護とはいかなる効果を持っているのですか?」
『そうねぇ…、簡単に言えば妖精王と会いたいときに会えるようになるわね。魔法を使うときに私たちにお願いすると、威力が大幅に増大すると思うわ。後は、私たちが自由にあなたを観察できることかしら』
やっぱり…、観察されてるのか…。
プロンもルスピニーも楽しそうにほほ笑んでいる。
悪趣味だ。
「ならば、今もこの状況を他の妖精王様方は見ていらっしゃるのですね」
『まあな』
「わかりました。それで、今日、お二人を呼んだのは…」
『ああ、退屈なんだろう。妾達が話し相手にでもなってやろうか?それともこの状況を打破してやろうか?後者ならば、少しばかり壊れるかもしれんがのぉ』
何がとは聞かないが、なにが壊れても嫌なので後者はお断りである。
「前者でお願いします」
茶番が多いのはこの人たちがそれほど暇をしているからなのだろうか。
なかなか話が進まない。
さすがに二人もこれ以上茶番を続ける気がないようなので『あい分かった』と返事をして、私の知らないこの世界のことについていろいろと教えてくれるようになったのだった。
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