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幼少期編
18 置いてきてしまったもの
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「とりあえず、部屋からでて図書室に向かいましょう」
気を取り直して、今やるべきことを定める。
『父君のところへ殴り込みに行かなくても良いのか?』
「いいです、それは帰ってきた母に任せます。私より遥かに効果的ですよ」
『なるほど』
私なんかよりお母様のお説教の方がお父様には痛手となることだろう。
まあ私が「お父様なんか大っ嫌い!!!」と言うのもいいが。
「それに私は閉じ込められても不自由してません。ただ暇なだけです。それさえ解消できれば文句なしなんですから。むしろ貴族として振る舞わなくてもいいから一生この生活でも構いません」
『お主も奇妙よのぉ、閉じ込められても構わんとは』
『………寂しくない?』
ルスピニーもエアゥも私が寂しい思いをしていないか心配してくれているらしい。
「ーーーありがとうございます。でも、みんながいるから寂しくないですよ?みんなの話はいつも楽しいです」
『………そうか、よかった』
「………」
『寂しくないのか、いつまでも独り身でいて』
『もう、魔法の研究ばかり………、他にも大切なことがあるだろう?』
『早くいい人見つけて結婚しなさい!!!』
ーーー昔、周りから言われ続けていた言葉。
うんざりしていたが、今じゃあ嬉しいなんて。
あの人生は終わった、もう新しい人生が始まっている。
今の私はサラだ。
『………サラや、この生活が嫌になったならば、妾にすぐ申せよ』
「はい、頼りにしますね」
『当然だ、大船に乗った気持ちでいろ』
ルスピニーが私を撫でくりまわして髪をぐしゃぐしゃにした。
私はそれを整えつつ照れ隠しにこほんと咳をする。
「……じゃあ、さっそくここから出ましょうか。透過の魔法って自分にしかかけられないわけじゃないですよね?」
『そうだね』
『………「あー呪文ってなんですかね?」
なんとなく魔力を込めてみたが消費量が多そうな魔法なので補助である呪文を使いたかった。
本当は杖とかあったらいいのだが、あれは魔法石がないといけないし、この世界で需要があるかも謎だった。
『うーん、人間たちは大分長々とした呪文を唱えるみたいだけど、それって神の加護を受けるためだし、透過って唱えるだけで十分だと思うよ。なんなら僕のサポートつき』
「サポートって一緒に魔法を使うと言うことですか?」
『うん』
『当たり前じゃないか』
「高等技術なんですけど……」
前世の世界じゃ一握りしか使えない高等技術で使えるものは魔法の得意な双子くらいなものだった。
合わせるというところまで出来る力量と共鳴力がないといけない。
少なくとも魔力が共有できるなんて裏技が使えるくらいじゃないといけないのだから。
ちなみに私には出来なかった。
当たり前だが家族とは長らく絶縁に近かったし、シンパシーを感じるような相手もいなかったから。
というか仕事が忙しすぎてほぼ引きこもりと化していた。
『イメージで魔法が使えるからね。共同魔法もこういう風になれば良いなで解決だから』
「納得できないんですが」
言っておくがイメージ力を見に着に付けるなんて小学低学年生レベルだからね。
それがこの世界ではそれだけでほとんどの魔法が実現可能という……、チートじゃんチート。
私は現代(前世)で部下がよく言っていた言葉を思い出して懐かしく感じた。
あいつらは元気にしているだろうか、私がいなくなったことで仕事に追われ死者を出していないか。
現に私は死んだからね。
チートだチート!!!と口癖のように私に訴えていたのは秘書の代わりをしていた部下の一人だ。
やつは魔法が大好きで、いわく「ファンタジー実現したるでぇーーー!」とのこと。
ゲームが大好きでファンタジーと名が付くならばすべて触っていた。
せっかく貴重な休日をやるというのにやることは完徹でゲーム。
次の日には出勤日で目の下に真っ黒なクマ。
アホだと思ったが、それでもやつは楽しそうにゲームの話をしていた。
ああ話がずれてしまったか。
エアゥは急に黙り混んだ私を心配そうに見ている。
『大丈夫?』
「はい、まぁ。しょうがないですからね、こっちとあっちはもう別物なんです」
たとえ寂しくなっても、もうあそこには私の居場所はない。
きっと私がいない世界で何事もなく回っている。
会えないのは確かに寂しいが、今じゃあ別の家族もいるし結局それまでのこと。
さすがに五十になっているのに割りきれないのでは大人としては示しがつかないし。
「とりあえず、やってみたいことがあるので試してみましょうか」
私は扉に『透過』の魔法をかけた。
気を取り直して、今やるべきことを定める。
『父君のところへ殴り込みに行かなくても良いのか?』
「いいです、それは帰ってきた母に任せます。私より遥かに効果的ですよ」
『なるほど』
私なんかよりお母様のお説教の方がお父様には痛手となることだろう。
まあ私が「お父様なんか大っ嫌い!!!」と言うのもいいが。
「それに私は閉じ込められても不自由してません。ただ暇なだけです。それさえ解消できれば文句なしなんですから。むしろ貴族として振る舞わなくてもいいから一生この生活でも構いません」
『お主も奇妙よのぉ、閉じ込められても構わんとは』
『………寂しくない?』
ルスピニーもエアゥも私が寂しい思いをしていないか心配してくれているらしい。
「ーーーありがとうございます。でも、みんながいるから寂しくないですよ?みんなの話はいつも楽しいです」
『………そうか、よかった』
「………」
『寂しくないのか、いつまでも独り身でいて』
『もう、魔法の研究ばかり………、他にも大切なことがあるだろう?』
『早くいい人見つけて結婚しなさい!!!』
ーーー昔、周りから言われ続けていた言葉。
うんざりしていたが、今じゃあ嬉しいなんて。
あの人生は終わった、もう新しい人生が始まっている。
今の私はサラだ。
『………サラや、この生活が嫌になったならば、妾にすぐ申せよ』
「はい、頼りにしますね」
『当然だ、大船に乗った気持ちでいろ』
ルスピニーが私を撫でくりまわして髪をぐしゃぐしゃにした。
私はそれを整えつつ照れ隠しにこほんと咳をする。
「……じゃあ、さっそくここから出ましょうか。透過の魔法って自分にしかかけられないわけじゃないですよね?」
『そうだね』
『………「あー呪文ってなんですかね?」
なんとなく魔力を込めてみたが消費量が多そうな魔法なので補助である呪文を使いたかった。
本当は杖とかあったらいいのだが、あれは魔法石がないといけないし、この世界で需要があるかも謎だった。
『うーん、人間たちは大分長々とした呪文を唱えるみたいだけど、それって神の加護を受けるためだし、透過って唱えるだけで十分だと思うよ。なんなら僕のサポートつき』
「サポートって一緒に魔法を使うと言うことですか?」
『うん』
『当たり前じゃないか』
「高等技術なんですけど……」
前世の世界じゃ一握りしか使えない高等技術で使えるものは魔法の得意な双子くらいなものだった。
合わせるというところまで出来る力量と共鳴力がないといけない。
少なくとも魔力が共有できるなんて裏技が使えるくらいじゃないといけないのだから。
ちなみに私には出来なかった。
当たり前だが家族とは長らく絶縁に近かったし、シンパシーを感じるような相手もいなかったから。
というか仕事が忙しすぎてほぼ引きこもりと化していた。
『イメージで魔法が使えるからね。共同魔法もこういう風になれば良いなで解決だから』
「納得できないんですが」
言っておくがイメージ力を見に着に付けるなんて小学低学年生レベルだからね。
それがこの世界ではそれだけでほとんどの魔法が実現可能という……、チートじゃんチート。
私は現代(前世)で部下がよく言っていた言葉を思い出して懐かしく感じた。
あいつらは元気にしているだろうか、私がいなくなったことで仕事に追われ死者を出していないか。
現に私は死んだからね。
チートだチート!!!と口癖のように私に訴えていたのは秘書の代わりをしていた部下の一人だ。
やつは魔法が大好きで、いわく「ファンタジー実現したるでぇーーー!」とのこと。
ゲームが大好きでファンタジーと名が付くならばすべて触っていた。
せっかく貴重な休日をやるというのにやることは完徹でゲーム。
次の日には出勤日で目の下に真っ黒なクマ。
アホだと思ったが、それでもやつは楽しそうにゲームの話をしていた。
ああ話がずれてしまったか。
エアゥは急に黙り混んだ私を心配そうに見ている。
『大丈夫?』
「はい、まぁ。しょうがないですからね、こっちとあっちはもう別物なんです」
たとえ寂しくなっても、もうあそこには私の居場所はない。
きっと私がいない世界で何事もなく回っている。
会えないのは確かに寂しいが、今じゃあ別の家族もいるし結局それまでのこと。
さすがに五十になっているのに割りきれないのでは大人としては示しがつかないし。
「とりあえず、やってみたいことがあるので試してみましょうか」
私は扉に『透過』の魔法をかけた。
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