50 / 165
幼少期編
20 登場前
しおりを挟む
今日はお母様が旅行から帰ってくる日だ。
さて、このままほっておいてもお母様からお怒りを受けるだろうけれどもとりあえずこんなことがもう二度とないように釘刺しくらいはしとこうか。
お母様は屋敷のお守り役。
屋敷での清掃や食事などの家事をしきっているのはお母様だ。
だからうちで働いている人は当主であるお父様よりもお母様の方が人気がある。
まあ、お父様があんなの(親バカ)だからみんなしっかりしているお母様の方が安心するのかもしれないけれど。
今朝はなるべく早くに起きてしまった、お母様が帰ってくるのはお父様とお兄様の件を抜きにしても楽しみなのだ。
なんせお母様は厳しいけど優しいし綺麗だし常識人だし……。
私も一応お母様遺伝子とお父様遺伝子で悪い容姿ではないと思うが(両親ともに美形)、私はお母様のオッドアイが大好きなのだ。
私は違うよ、普通の紫一色。
まぁ、紫も前世では珍しい色だけどね。
今日はリバートとフェルが遊びに来ている。
そしてかく属性ごとの妖精たちもいる。
数日前から側にくっついて離れない妖精たちはいつの間にかメンバーが変わっていたりしている。
みんなに聞いてみても『大丈夫だ』と言うだけでなぜなのかまったくわからない。
小さくて可愛いので許しちゃうが。
ちいさな発見だが属性ごとで髪の色が同じですぐに誰の配下かすぐわかってしまう。
ちなみに彼らは私が王であるルリミアたちの加護を貰っているため強制契約状態らしい。
なにそれ、怖い。
『ふっ、今日はサラの母親が帰ってくるんだったな。ついているな、こんな当たりの日に来れるなんて』
『はは……私は争うごとは遠慮したいね……』
そう言ってフェルが頬をかく。
こう言っちゃ悪いかもしれないがちょっと意外だった。
なんていうか、フェルの服装はみんなのなかで一番戦いが好きそうというか、防具みたいな感じだし。
「服装と言っていることがマッチしてませんが……」
『ん?ああ、こいつな戦いは好きだぞ、物理のな。精神系は嫌いなんじゃないか?むしろルスピニーとかルリミアとか好きじゃないだと思うぞ、あいつらは俺たちのなかで一番人間に近い感情を持っているからな』
確かに、ルスピニーは好きそう。
でもルリミアは初耳だなぁ、あの見た目で……、腹黒そう。
扉がこんこんとノックされた。
「お嬢様、おはようございます」
チェニーが起こしにきたようだ。
「はい、起きていますわ。『とりあえず、お母様が帰ってくるまで待ってみましょうか』」
『そうだな』『そうね』
私はチェニーに部屋に入ってくるように促した。
「おはよう、チェニー。ねぇ、お母様はいつ頃帰ってこられるのかしら」
チェニーはワゴンを運び入れて朝の目覚めの紅茶を用意し始める。
私が少し前からお願いしているのだが、前世の習慣である目覚めコーヒーが抜けなかったためだ。
コーヒーではないが、これはこれでさっぱりする。
もちろんストレートで。
「昼食前を予定しているようです。お嬢様、今日は趣向を変えてジャスミンにレモンをいかがでしょうか。」
「いいわね、いただきましょう」
激甘ティーじゃなければいい。
激甘ティーは私の家族がよく飲むあの砂糖とミルクが凄まじいお茶のことである。
ジャスミンは少し薬草茶っぽいが、匂いが好きなのでわりかし好きなほうだ。
「……本当に、変わられたのですね……」
ぼそりと呟いたためよく聞こえなかった。
「え、なにかしら?」
「いえ、よかったです」
だからなにがよ。
私はチェニーをガン見する。
しかし、華麗にスルーされた。
「今日はどのようにされるおつもりでしょうか」
恒例の今日の予定確認が入る。
私、子供だから仕事とかスケジュールとかないしね。
『私、剣がしたい。それかあの小さいお花を縫うところが見たい』
『いいな、俺もあの小さい細かい花は好きだぞ。プロンとソォーにはプレゼントしたんだろ。俺も欲しい』
おそらく、刺繍のことだろう。
前にたまたまあった裁縫セットで刺繍して見せたらすごい喜んでいたからついあげちゃったのだ。
裁縫は魔法訓練でぼろぼろになる服を直すのに嫌になるくらいしたからね、得意だよ。
「今日はお母様がくるまで裁縫でもしたいわ。手配してくれる?」
「はい、かしこまりました。奥様がお戻りになられましたら、お知らせいたします」
「よろしくね」
さて、このままほっておいてもお母様からお怒りを受けるだろうけれどもとりあえずこんなことがもう二度とないように釘刺しくらいはしとこうか。
お母様は屋敷のお守り役。
屋敷での清掃や食事などの家事をしきっているのはお母様だ。
だからうちで働いている人は当主であるお父様よりもお母様の方が人気がある。
まあ、お父様があんなの(親バカ)だからみんなしっかりしているお母様の方が安心するのかもしれないけれど。
今朝はなるべく早くに起きてしまった、お母様が帰ってくるのはお父様とお兄様の件を抜きにしても楽しみなのだ。
なんせお母様は厳しいけど優しいし綺麗だし常識人だし……。
私も一応お母様遺伝子とお父様遺伝子で悪い容姿ではないと思うが(両親ともに美形)、私はお母様のオッドアイが大好きなのだ。
私は違うよ、普通の紫一色。
まぁ、紫も前世では珍しい色だけどね。
今日はリバートとフェルが遊びに来ている。
そしてかく属性ごとの妖精たちもいる。
数日前から側にくっついて離れない妖精たちはいつの間にかメンバーが変わっていたりしている。
みんなに聞いてみても『大丈夫だ』と言うだけでなぜなのかまったくわからない。
小さくて可愛いので許しちゃうが。
ちいさな発見だが属性ごとで髪の色が同じですぐに誰の配下かすぐわかってしまう。
ちなみに彼らは私が王であるルリミアたちの加護を貰っているため強制契約状態らしい。
なにそれ、怖い。
『ふっ、今日はサラの母親が帰ってくるんだったな。ついているな、こんな当たりの日に来れるなんて』
『はは……私は争うごとは遠慮したいね……』
そう言ってフェルが頬をかく。
こう言っちゃ悪いかもしれないがちょっと意外だった。
なんていうか、フェルの服装はみんなのなかで一番戦いが好きそうというか、防具みたいな感じだし。
「服装と言っていることがマッチしてませんが……」
『ん?ああ、こいつな戦いは好きだぞ、物理のな。精神系は嫌いなんじゃないか?むしろルスピニーとかルリミアとか好きじゃないだと思うぞ、あいつらは俺たちのなかで一番人間に近い感情を持っているからな』
確かに、ルスピニーは好きそう。
でもルリミアは初耳だなぁ、あの見た目で……、腹黒そう。
扉がこんこんとノックされた。
「お嬢様、おはようございます」
チェニーが起こしにきたようだ。
「はい、起きていますわ。『とりあえず、お母様が帰ってくるまで待ってみましょうか』」
『そうだな』『そうね』
私はチェニーに部屋に入ってくるように促した。
「おはよう、チェニー。ねぇ、お母様はいつ頃帰ってこられるのかしら」
チェニーはワゴンを運び入れて朝の目覚めの紅茶を用意し始める。
私が少し前からお願いしているのだが、前世の習慣である目覚めコーヒーが抜けなかったためだ。
コーヒーではないが、これはこれでさっぱりする。
もちろんストレートで。
「昼食前を予定しているようです。お嬢様、今日は趣向を変えてジャスミンにレモンをいかがでしょうか。」
「いいわね、いただきましょう」
激甘ティーじゃなければいい。
激甘ティーは私の家族がよく飲むあの砂糖とミルクが凄まじいお茶のことである。
ジャスミンは少し薬草茶っぽいが、匂いが好きなのでわりかし好きなほうだ。
「……本当に、変わられたのですね……」
ぼそりと呟いたためよく聞こえなかった。
「え、なにかしら?」
「いえ、よかったです」
だからなにがよ。
私はチェニーをガン見する。
しかし、華麗にスルーされた。
「今日はどのようにされるおつもりでしょうか」
恒例の今日の予定確認が入る。
私、子供だから仕事とかスケジュールとかないしね。
『私、剣がしたい。それかあの小さいお花を縫うところが見たい』
『いいな、俺もあの小さい細かい花は好きだぞ。プロンとソォーにはプレゼントしたんだろ。俺も欲しい』
おそらく、刺繍のことだろう。
前にたまたまあった裁縫セットで刺繍して見せたらすごい喜んでいたからついあげちゃったのだ。
裁縫は魔法訓練でぼろぼろになる服を直すのに嫌になるくらいしたからね、得意だよ。
「今日はお母様がくるまで裁縫でもしたいわ。手配してくれる?」
「はい、かしこまりました。奥様がお戻りになられましたら、お知らせいたします」
「よろしくね」
0
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
幼馴染の許嫁は、男勝りな彼女にご執心らしい
和泉鷹央
恋愛
王国でも指折りの名家の跡取り息子にして、高名な剣士がコンスタンスの幼馴染であり許嫁。
そんな彼は数代前に没落した実家にはなかなか戻らず、地元では遊び人として名高くてコンスタンスを困らせていた。
「クレイ様はまたお戻りにならないのですか……」
「ごめんなさいね、コンスタンス。クレイが結婚の時期を遅くさせてしまって」
「いいえおば様。でも、クレイ様……他に好きな方がおられるようですが?」
「えっ……!?」
「どうやら、色町で有名な踊り子と恋をしているようなんです」
しかし、彼はそんな噂はあり得ないと叫び、相手の男勝りな踊り子も否定する。
でも、コンスタンスは見てしまった。
朝方、二人が仲睦まじくホテルから出てくる姿を……
他の投稿サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる