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学園編
43 入学式前
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女子寮に入ってから五日後、入試テストが行われ、一週間後には入学式があった。
その一週間で私がしたことと言えば………。
「チェニー、そちらの本はすべてそろったしら?」
私は魔法で荷物を整理しながら確認を任せているチェニーに問う。
「お嬢様、こちらはすべてそろっています」
『……お主、こんなところにまで来て仕事か?』
ルスピニーが呆れた。
『だってやることなくて暇じゃないですか、学校生活……いや、学園生活』
私たちは与えられた部屋の一室を執務室にしていた。
「お嬢様、これで最後ですので、終わりましたら休憩にいたしましょう」
チェニーが手早く確認をしてくれて次の箱が最後らしいことが分かった。
「わーい、なら今日のお茶菓子はシフォンケーキにしましょう。苺で試作したのがうまくいきましたのよ。ルイ、お兄様を呼んできてちょうだい」
ルイは手際よく「かしこまりました」と言って出ていった。
ルイにはお兄様を連れてきてと頼んだのだが……。
「こんにちわ、お嬢さん。お久しぶりです」
何やら既視感のある男性を連れてきた。
記憶のかなたで眠っていたその名前を何とかひねり出してわざとらしく挨拶する。
「あら、エドモンド様、お久しぶりにございますわ。……なぜこちらに?」
「先ほどサラ嬢からメイドが来たと連絡を受けまして、タファは今実験中でしたので、私が代わりにやってきましたのです」
相変わらず、胡散臭い笑顔でそう言った。
いや、代わりって、要らないでしょ。
「……というのは建前でして、実はタファとは同級でして、今は仕事仲間として一緒に働いていますので、サラ嬢のことはよく話に聞くのです。ですから実際はどのような方なのかと思いまして……。本当にニコラス公爵夫人に似られて、噂以上の美人で吃驚しました」
「それはどうも」
適当に流した私は、まあ来てしまったものは仕方ないかと彼をお茶に誘うことにした。
「ではお言葉に甘えまして、失礼いたします」
お茶セットは自室だが、なまじ侯爵令嬢として部屋に入れるわけにはいかないので、彼を執務室に案内した。
「……えっと、ここは?」
「仕事部屋、ですわ」
困惑したのだろうか、彼は周りをきょろきょろとして苦笑いしている。
「……なるほど?」
彼が不躾に見渡している間にチェニーたちに準備をしてもらった。
部屋には一応応接用に机とソファーが設置してあったので、そこに彼を座らせる。
彼が座ったのを見てすかさずチェニーが紅茶とお菓子を前に置いた。
「大したものはないのですが、ごゆるりと」
「これは、ご丁寧にありがとうございます。……して、これは?」
彼は目の前のケーキを見て、驚愕と戸惑いが混じった表情をした。
「シフォンケーキですわ」
「ケーキ、ですか?これが?」
……言いたいことはわかる。
確かに、これは私が領地内でのみ作って販売していたので、他領にはないものである。
そしてこの世界でのケーキと言えば、あの第二王子の誕生パーティーの時に食べた、激アマクリーム盛りのやつだから。
「うちの領地で作られている、おいしいケーキですわ。まあ、一口食べてみられて」
私がそういうと彼はあまり気乗りしないようにケーキを口に入れた。
「―――!!!これは……!」
そう言うと、一口、また一口と無言でケーキを口に運ぶ。
そして、皿を殻にすると感激した声を上げた。
「素晴らしいです!これがケーキだなんて……。これを、ニコラス領で…?」
「はい、そうですわ」
うさん臭さはどうも消えないが、まぁおいしくご飯を食べるのは罪でないしね。
私はまた適当に返事をして、ケーキに手を付けないまま紅茶を一口飲んだ。
その一週間で私がしたことと言えば………。
「チェニー、そちらの本はすべてそろったしら?」
私は魔法で荷物を整理しながら確認を任せているチェニーに問う。
「お嬢様、こちらはすべてそろっています」
『……お主、こんなところにまで来て仕事か?』
ルスピニーが呆れた。
『だってやることなくて暇じゃないですか、学校生活……いや、学園生活』
私たちは与えられた部屋の一室を執務室にしていた。
「お嬢様、これで最後ですので、終わりましたら休憩にいたしましょう」
チェニーが手早く確認をしてくれて次の箱が最後らしいことが分かった。
「わーい、なら今日のお茶菓子はシフォンケーキにしましょう。苺で試作したのがうまくいきましたのよ。ルイ、お兄様を呼んできてちょうだい」
ルイは手際よく「かしこまりました」と言って出ていった。
ルイにはお兄様を連れてきてと頼んだのだが……。
「こんにちわ、お嬢さん。お久しぶりです」
何やら既視感のある男性を連れてきた。
記憶のかなたで眠っていたその名前を何とかひねり出してわざとらしく挨拶する。
「あら、エドモンド様、お久しぶりにございますわ。……なぜこちらに?」
「先ほどサラ嬢からメイドが来たと連絡を受けまして、タファは今実験中でしたので、私が代わりにやってきましたのです」
相変わらず、胡散臭い笑顔でそう言った。
いや、代わりって、要らないでしょ。
「……というのは建前でして、実はタファとは同級でして、今は仕事仲間として一緒に働いていますので、サラ嬢のことはよく話に聞くのです。ですから実際はどのような方なのかと思いまして……。本当にニコラス公爵夫人に似られて、噂以上の美人で吃驚しました」
「それはどうも」
適当に流した私は、まあ来てしまったものは仕方ないかと彼をお茶に誘うことにした。
「ではお言葉に甘えまして、失礼いたします」
お茶セットは自室だが、なまじ侯爵令嬢として部屋に入れるわけにはいかないので、彼を執務室に案内した。
「……えっと、ここは?」
「仕事部屋、ですわ」
困惑したのだろうか、彼は周りをきょろきょろとして苦笑いしている。
「……なるほど?」
彼が不躾に見渡している間にチェニーたちに準備をしてもらった。
部屋には一応応接用に机とソファーが設置してあったので、そこに彼を座らせる。
彼が座ったのを見てすかさずチェニーが紅茶とお菓子を前に置いた。
「大したものはないのですが、ごゆるりと」
「これは、ご丁寧にありがとうございます。……して、これは?」
彼は目の前のケーキを見て、驚愕と戸惑いが混じった表情をした。
「シフォンケーキですわ」
「ケーキ、ですか?これが?」
……言いたいことはわかる。
確かに、これは私が領地内でのみ作って販売していたので、他領にはないものである。
そしてこの世界でのケーキと言えば、あの第二王子の誕生パーティーの時に食べた、激アマクリーム盛りのやつだから。
「うちの領地で作られている、おいしいケーキですわ。まあ、一口食べてみられて」
私がそういうと彼はあまり気乗りしないようにケーキを口に入れた。
「―――!!!これは……!」
そう言うと、一口、また一口と無言でケーキを口に運ぶ。
そして、皿を殻にすると感激した声を上げた。
「素晴らしいです!これがケーキだなんて……。これを、ニコラス領で…?」
「はい、そうですわ」
うさん臭さはどうも消えないが、まぁおいしくご飯を食べるのは罪でないしね。
私はまた適当に返事をして、ケーキに手を付けないまま紅茶を一口飲んだ。
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