その悪役令嬢、今日から世界を救う勇者になる

ごーぐる

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学園編

47 入学式

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入試テストといっても、それは前世でのものとは違い、学校に入ったらばかりの実力テストのような扱いのそれは、入学式後に張り出されるそうだ。
私はチェニーに確認をとってのんびりと控え室でお茶を啜っていた。

今日は入学式で今は新入生代表挨拶のために舞台脇に控えている。
「お嬢様、そろそろ出番です」
「わかりましたわ」

席を立ち、司会が「新入生挨拶」といったところで舞台へ向かう。
そして中央にある机まで歩いた。
なのに。

「はい!」
元気よく挨拶をしたのは別の誰かだった。
その子はその場で立ち上がり、こちらに向かってくる。

ーーーえ、なんで?
よく分からない私はそのままなにも言わずに立ち止まってしまった。

「あれ、なんであなたがそこにいるのよ?!」
彼女は焦ったように声を荒げ、意味が分からないと騒いだ。
いや、私も分からないよ?

そして謎のまま先生たちに連れられていった女の子をポカーンと眺めて、なんだか既視感のある少女だったが、どこで見たんだろうか?
とりあえず、今やるべきことを果たすために私は声を拡張する魔法石をオンにした。

今日こんにち、桜の香りが満たし、目を楽しませてくれる春の澄みわたる空のもと。そのような良き日に私たち新入生の入学式を行えること、喜びと感謝で胸が一杯でございます。在校生及び先生方にはーーー」
などなど模範的な入学スピーチをして場を乗り切った。
ちなみに、前世でやったときと全く同じである。

「入学生代表、サラ・ニコラス」
終われば拍手をもらって、はぁよかったと壇上から降りて、生徒たちの中まで行く。
さすが、貴族の学校だけあって、人数は少ないし、席と席の間には広い隙間があった。
学園は上位貴族と魔力の高い人しか入れないからだ。

ちなみに、魔力が高ければ平民でも入れるらしい。
実力主義って素晴らしいね。
あ、お父様までのは嫌かも。

私はそこまで思い出して、またピリリとした。
あれ、なんか忘れてるんだよなぁ……。
さっきの女の子を見てから、頭の隅になにかがあるきがするが、思い出せない。
しばらく考えて、多分どうでもいいことだよなぁと最終的にそこに行き着いて、考えるのをやめた。

入学式が無事終わり、私はお父様とお母様のもとへと向かう。
「お父様、お母様」
木に寄り添い影のなか、目立たないはずのその場所は、美形両親がいるせいで、際立っていた。

「サラ、入学おめでとう。主席だったんだね、親として鼻が高いよ」
お父様はお外面でいつものだらしなさはなく、カリスマを放っていた。
「ありがとうございます、お父様」

「ふふふ、私も嬉しいわ。立派に育ってくれて、学園でも頑張るのよ」
曰く、入学主席でもだらけないで励めよ。
家での厳しい鬼のようなお母様をわかっている私は、言葉の裏にそう言っているんだなぁと理解した。

「ありがとうございますわ」
私も外面でそれだけ答えた。

お父様たちと挨拶したら、次は教室に案内すると教師たちが指揮をとった。
お兄様を探していたが、いないので仕方なくそのまま教室へと向かう。

案内されたのは1ーAクラスだった。
「さて、ここが皆様のクラスです。Aクラスは入試テスト上位十名で編成されています。三年間、同じクラスでいられるように、頑張ってくださいませ」
それっきりその先生はどこかへ行ってしまった。

へー、成績順でクラスが違うのか。
私ははしたくない程度に回りを見た。
その中には先程の少女もいる。
目が一瞬合って、すっと反らされた。
……もしかしてさっきの根に持ってますか?

仕方がないので、お友達づくりは諦めて教室に入った。
やはり、席と席が遠いので、席順でお友達を作るのは難しそうだなと残念に思う。

そして、最後に教室に入ってきた人物に一番驚かされた。
「きゃぁ!タファ様よ!」
「私、頑張ってこのクラスに入って良かったですわぁ!」
女の子たちがザワザワと騒ぐ。

ーーーお兄様っ!?
白衣を着たお兄様が教壇に上がり、教卓に荷物を置く。
お兄様は驚く私を見て楽しそうに笑った。
その一瞬の笑顔に女の子たちは撃ち抜かれる。

「ーーー今日からこのクラスの担任になる、タファ・ニコラスだ。担当は医療だ、よろしく」
それだけの短く素っ気ない自己紹介だったが、女の子たちの悶絶は止まらない。
あれ、無表情なんだけど、水が凍りそうな雰囲気放っているけど、やっぱり顔がよければすべてよしなのだろうか……。

私は今世でもその悩みにぶちあったった。
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