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登録者突破記念 おまけ
幼少期編完結ありがとう閑話 アイヴァーン商会裏側1
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私はキース。
ニコラス公爵家に代々仕える執事の一人。
その家で長男だった私は当然、執事としてわが身も仕える身であった。
しかし、弟の方が執事としては優秀であったために、ご当主様の専属執事ではない。
ご当主様であるエリック様はすぐさまその瞳で私の素質を見抜き、今は商業系等で活躍させてもらっている。
このまま何もできずにただ腐っていくものだと思っていた私にとって、世界を変えるような出来事だった。
そのためエリック様には本当に感謝してもしきれない。
一生、仕えていく所存であった。
そんなエリック様が珍しく、話したいことがあると呼び出された。
忙しい身であるエリック様は、直接お会いできることは数少なく、いつもはメイドの手紙経由だったからだ。
私は肩に力をいれて緊張しながら扉をノックした。
「キースです。只今馳せ参じました」
「入れ」
このやり取りも久しぶりである。
一体どのような要件なんだろうか?
エリック様は今日も机に大量の書類を乗っけている。
しかし、前よりも三割ほどだろうか、その量が少ない。
「お久しぶりにございます。今日はどのようなご用件でしょうか?」
「キース、お前商会を営業してみないか?」
「……ニコラス商会、でございましょうか?」
はて、なにをするつもりなのだろうか。
現在のニコラス公爵家には既に商会があるが、普段通りというか、特に問題があるわけでもなし。
人数が足りないわけでもない、給料がいいから競争率が高いのだ。
「違う、新しい商会だ」
しかし、エリック様は別の商会を建てるという。
ますます分からない。
私が頭上にはてなを浮かべていると、エリック様は答え合わせだとばかりにふんと笑った。
「愛娘が新しい玩具を作った。ほら、これだ」
差し出されたそれは手のひら大の大きさの箱に入った、分厚い紙が何枚も入ったものだ。
中を取り出してみると一枚一枚に不思議な模様と数があった。
「これは?」
「トランプという。これで複数の遊びをすることが出来るそうだ。ルールも簡単だぞ」
エリック様は懇切丁寧に一つ一つ遊び方を話す。
「ーーーというわけだ。どう思う?」
「……売れます」
確実だ。
貴族の内でも玩具を使った遊びはチェスしかない。
チェスは奥深いとは思うが、ルールが難しすぎて子供や教育レベルの低い低級貴族たちは遊べないのだ。
しかし、これは違う。
どのゲームもルールが単純なものばかり、しかしつまらないというわけではない。
しかも原価が紙とインク代のみときた。
売れないわけがない。
「……とんでもないですよ。これをサラお嬢様が?」
「ああ、そうだ。サラが考えたものらしい」
ーーーあり得ない。
サラお嬢様はお会いしたことはないが、確か今四、五歳ほどだったはず。
そんな子供がこれを?!
私は驚きでエリック様の顔を凝視した。
エリック様は真剣なご様子だ。
それでこれが現実なんだと確証を得る。
「……これをサラが考えたと公開するわけにはいかない。しかし、このチャンスを逃すつもりもない。ーーー任せられるか?」
「ーーー畏まりました。お任せくださいませ」
私の返答はもちろん、YESだ。
「領内一の商会にしてみせましょう」
「頼もしいな、頼んだぞ」
私はそれだけで、気分が満たされた。
ニコラス公爵家に代々仕える執事の一人。
その家で長男だった私は当然、執事としてわが身も仕える身であった。
しかし、弟の方が執事としては優秀であったために、ご当主様の専属執事ではない。
ご当主様であるエリック様はすぐさまその瞳で私の素質を見抜き、今は商業系等で活躍させてもらっている。
このまま何もできずにただ腐っていくものだと思っていた私にとって、世界を変えるような出来事だった。
そのためエリック様には本当に感謝してもしきれない。
一生、仕えていく所存であった。
そんなエリック様が珍しく、話したいことがあると呼び出された。
忙しい身であるエリック様は、直接お会いできることは数少なく、いつもはメイドの手紙経由だったからだ。
私は肩に力をいれて緊張しながら扉をノックした。
「キースです。只今馳せ参じました」
「入れ」
このやり取りも久しぶりである。
一体どのような要件なんだろうか?
エリック様は今日も机に大量の書類を乗っけている。
しかし、前よりも三割ほどだろうか、その量が少ない。
「お久しぶりにございます。今日はどのようなご用件でしょうか?」
「キース、お前商会を営業してみないか?」
「……ニコラス商会、でございましょうか?」
はて、なにをするつもりなのだろうか。
現在のニコラス公爵家には既に商会があるが、普段通りというか、特に問題があるわけでもなし。
人数が足りないわけでもない、給料がいいから競争率が高いのだ。
「違う、新しい商会だ」
しかし、エリック様は別の商会を建てるという。
ますます分からない。
私が頭上にはてなを浮かべていると、エリック様は答え合わせだとばかりにふんと笑った。
「愛娘が新しい玩具を作った。ほら、これだ」
差し出されたそれは手のひら大の大きさの箱に入った、分厚い紙が何枚も入ったものだ。
中を取り出してみると一枚一枚に不思議な模様と数があった。
「これは?」
「トランプという。これで複数の遊びをすることが出来るそうだ。ルールも簡単だぞ」
エリック様は懇切丁寧に一つ一つ遊び方を話す。
「ーーーというわけだ。どう思う?」
「……売れます」
確実だ。
貴族の内でも玩具を使った遊びはチェスしかない。
チェスは奥深いとは思うが、ルールが難しすぎて子供や教育レベルの低い低級貴族たちは遊べないのだ。
しかし、これは違う。
どのゲームもルールが単純なものばかり、しかしつまらないというわけではない。
しかも原価が紙とインク代のみときた。
売れないわけがない。
「……とんでもないですよ。これをサラお嬢様が?」
「ああ、そうだ。サラが考えたものらしい」
ーーーあり得ない。
サラお嬢様はお会いしたことはないが、確か今四、五歳ほどだったはず。
そんな子供がこれを?!
私は驚きでエリック様の顔を凝視した。
エリック様は真剣なご様子だ。
それでこれが現実なんだと確証を得る。
「……これをサラが考えたと公開するわけにはいかない。しかし、このチャンスを逃すつもりもない。ーーー任せられるか?」
「ーーー畏まりました。お任せくださいませ」
私の返答はもちろん、YESだ。
「領内一の商会にしてみせましょう」
「頼もしいな、頼んだぞ」
私はそれだけで、気分が満たされた。
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