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学園編
92 初代ニコラスの話
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「家族の中で知らないのはサァラだけだね。実は十歳の誕生日に話すっていう決まりなんだけど、サァラ、そのころ忙しかったでしょ?まあ、その後は忘れていたみたいだけどね。今回の件で思い出して、急にその場を設けたというわけだよ」
お兄様は、知っていたようでペラペラとその話をする。
曰く、初代当主は平民で魔王を討伐した後は爵位をもらい、静かに暮らしていたのだとか。
そして、二代目になってじゃあどうしようかととりあえず領地を授かり、統治し、現在。
お父様で十代目。
ニコラス公爵家は由緒正しい公爵家の代表のような家柄だ。
勇者というだけあって、魔力が高く、その子孫たちも魔力量が多く、魔法に優れていたため衰退せずにここまでのし上がっている。
私はその初代の生まれ変わり、いわゆる隔世遺伝というやつだと言う。
そして、聖竜が現れたということで……。
「たぶん、魔王が復活してるよね~」
国王はのほほんと言った。
いや、そんなのんびりできるような内容じゃないでしょ!?
「まぁ仮に勇者が君なんだとして、じゃあ魔法使いと聖者と戦士は誰なんだぁってなるでしょ?実はその勇者と一緒に旅をしたメンバーは皆侯爵家として残っている。三侯爵ってわかる?」
―――なるほど。
私はその名前を聞いて納得した。
「はい、魔法の名門『エドモンド侯爵家』、剣の名門『アンゲリカ侯爵家』、宗教貴族『ハーピック侯爵家』ですわ。我らが国ライオネリアを支える第三柱です」
私の答えに陛下は拍手をした。
「満点、だね。教師並みの回答だよ。それで、今、そのうちの二家には君と近い年齢の子供がいるね」
「……エドモンド侯爵家長男のエド・アール・エドモンド様とアンゲリカ侯爵家次男のロナルディ・アール・アンゲリカ様ですね」
私の回答にまたもや陛下が「よくできましたぁ」と褒める。
いや、さすがに国の重要な家系である御三家の情勢は知っている。
特にハーピック家には注意をしているし。
私が言うのに少しためらったのは、その二人との接点がありすぎるからだ。
ただの知り合いというにはかかわりすぎている二人である。
「そうそ。儂は二人も生まれ変わりだと睨んでいる。サラちゃんは周りに優秀な人が居すぎて気が付いてないかもだけど、二人とも天才って言われるくらいには優秀なんだよ?」
「存じていますわ」
エドモンド様は社交界では緑薔薇なんて言われているし、ロナルディは学園で鬼神って言われている。
ちなみに、お兄様は氷結華など言われている。
見目麗しいが下手に近づくと(目線での)冷気を当てられるかららしい。
「まあ、これで後そろってないのは聖者なんだけど……、ちょうど学園に光魔法を使う少女がいたよね?」
私は可愛らしく話の通じない桃色の髪の少女を思いだした。
確か彼女は平民だったはずだが……、確かに光魔法が使えたと思う。
「何だっけ?ああ、メロディとかいう少女ね。調べてみたらハーピック家の情事でできたメイドとの庶子みたいなんだ。というわけで、役者は全員そろったね!」
ニコニコと楽しそうに言う陛下。
内容はとんでもなくむごいものだが、関係ないらしい。
「……私に魔王討伐しろってことですか?」
ため息交じりにつぶやくと、陛下は顎を支えるように椅子に肘をついて菓子を手に取った。
「時が来たらね。まだ本当に復活するかどうかはわからないわけだし?サラちゃんが嫌だっていえばそこまでなんだよね~。儂、エリックに殺される」
何ということはないという風に言う王様はさすが長年の幼馴染といったところだろうか。
「本題はそこじゃなくて、ドラゴンをどうするかって話なんだよねぇ。伝承では聖者がドラゴンと一緒にいたことになっているから、今回もそうだとしたらってね。というか、まだ幼竜みたいだし。公爵家なら世話できるだろうけど、一応城で預かることもできるよってね」
「うーん、それなんですけれど……」
私は王にファニの魔力吸収のことについて話した。
「……なるほど、確かにそれは難しいね。王宮魔法使いでもそんな魔力量を誇る人材はいないしなぁ……。複数出来るだろうけど、そんな余裕ないし」
「最低、四十人は要りますね。……改めてサァラの無限のような魔力量の凄さを感じさせられるよ」
「四十……、そんないるのか!?無理だな、無理!王宮じゃ手に負えん!」
あっさりと投げ出す王。
まあ、そうだよね。
エイブル先生曰く、王宮魔法使いは魔力一、二万が基本らしいし。
結局、これからもファニは私が育てることとなった。
ついでに、学園でもそのように手配してくれるらしい。
ありがたい。
お兄様は、知っていたようでペラペラとその話をする。
曰く、初代当主は平民で魔王を討伐した後は爵位をもらい、静かに暮らしていたのだとか。
そして、二代目になってじゃあどうしようかととりあえず領地を授かり、統治し、現在。
お父様で十代目。
ニコラス公爵家は由緒正しい公爵家の代表のような家柄だ。
勇者というだけあって、魔力が高く、その子孫たちも魔力量が多く、魔法に優れていたため衰退せずにここまでのし上がっている。
私はその初代の生まれ変わり、いわゆる隔世遺伝というやつだと言う。
そして、聖竜が現れたということで……。
「たぶん、魔王が復活してるよね~」
国王はのほほんと言った。
いや、そんなのんびりできるような内容じゃないでしょ!?
「まぁ仮に勇者が君なんだとして、じゃあ魔法使いと聖者と戦士は誰なんだぁってなるでしょ?実はその勇者と一緒に旅をしたメンバーは皆侯爵家として残っている。三侯爵ってわかる?」
―――なるほど。
私はその名前を聞いて納得した。
「はい、魔法の名門『エドモンド侯爵家』、剣の名門『アンゲリカ侯爵家』、宗教貴族『ハーピック侯爵家』ですわ。我らが国ライオネリアを支える第三柱です」
私の答えに陛下は拍手をした。
「満点、だね。教師並みの回答だよ。それで、今、そのうちの二家には君と近い年齢の子供がいるね」
「……エドモンド侯爵家長男のエド・アール・エドモンド様とアンゲリカ侯爵家次男のロナルディ・アール・アンゲリカ様ですね」
私の回答にまたもや陛下が「よくできましたぁ」と褒める。
いや、さすがに国の重要な家系である御三家の情勢は知っている。
特にハーピック家には注意をしているし。
私が言うのに少しためらったのは、その二人との接点がありすぎるからだ。
ただの知り合いというにはかかわりすぎている二人である。
「そうそ。儂は二人も生まれ変わりだと睨んでいる。サラちゃんは周りに優秀な人が居すぎて気が付いてないかもだけど、二人とも天才って言われるくらいには優秀なんだよ?」
「存じていますわ」
エドモンド様は社交界では緑薔薇なんて言われているし、ロナルディは学園で鬼神って言われている。
ちなみに、お兄様は氷結華など言われている。
見目麗しいが下手に近づくと(目線での)冷気を当てられるかららしい。
「まあ、これで後そろってないのは聖者なんだけど……、ちょうど学園に光魔法を使う少女がいたよね?」
私は可愛らしく話の通じない桃色の髪の少女を思いだした。
確か彼女は平民だったはずだが……、確かに光魔法が使えたと思う。
「何だっけ?ああ、メロディとかいう少女ね。調べてみたらハーピック家の情事でできたメイドとの庶子みたいなんだ。というわけで、役者は全員そろったね!」
ニコニコと楽しそうに言う陛下。
内容はとんでもなくむごいものだが、関係ないらしい。
「……私に魔王討伐しろってことですか?」
ため息交じりにつぶやくと、陛下は顎を支えるように椅子に肘をついて菓子を手に取った。
「時が来たらね。まだ本当に復活するかどうかはわからないわけだし?サラちゃんが嫌だっていえばそこまでなんだよね~。儂、エリックに殺される」
何ということはないという風に言う王様はさすが長年の幼馴染といったところだろうか。
「本題はそこじゃなくて、ドラゴンをどうするかって話なんだよねぇ。伝承では聖者がドラゴンと一緒にいたことになっているから、今回もそうだとしたらってね。というか、まだ幼竜みたいだし。公爵家なら世話できるだろうけど、一応城で預かることもできるよってね」
「うーん、それなんですけれど……」
私は王にファニの魔力吸収のことについて話した。
「……なるほど、確かにそれは難しいね。王宮魔法使いでもそんな魔力量を誇る人材はいないしなぁ……。複数出来るだろうけど、そんな余裕ないし」
「最低、四十人は要りますね。……改めてサァラの無限のような魔力量の凄さを感じさせられるよ」
「四十……、そんないるのか!?無理だな、無理!王宮じゃ手に負えん!」
あっさりと投げ出す王。
まあ、そうだよね。
エイブル先生曰く、王宮魔法使いは魔力一、二万が基本らしいし。
結局、これからもファニは私が育てることとなった。
ついでに、学園でもそのように手配してくれるらしい。
ありがたい。
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