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【本編後】蓮が咲いたら
花薄荷が咲くだいぶ前に 1
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竜鱗の町に自生する花薄荷は、初夏には小花で人の目を楽しませる。しかし塩が貴重な土地柄、葉の香りによって料理の味付けを助ける側面がある。また薬草としても効能があるため、春に生えて来た元気な葉を摘み取っては、干してせっせと蓄える。
医師と共に町の医療を担う看人達が葉を摘んでいる。そのひとり、深好がふと顔を上げた時、覚えのあるような姿が町に入って来た。
「あれっ。添花さん……?」
前の年に、町を困らせていた巨竜の討伐に参加して活躍した青藍龍道場の準師範だと思う。癖の強い髪が少し伸びて、風に暴れるのを邪魔そうにかきあげている。久しぶりに見るせいか、近くを通るまで確信が持てなかった。邪魔になったらすぐ髪を切りそうな性格であるし。
「あ、深好。久しぶり」
「やっぱり添花さんよね。なんだか雰囲気が違うから、人違いと思って声を掛けるのためらっちゃった」
山の中で岩窟住居を掘っている町だ、岩の間から様々な風が吹く。少し喋るのに立ち止まっただけでも、右に左に翻弄された髪で添花の目元が塞がってしまう。
「自分じゃよく分からないけど、そうなんだ。髪が伸びたからかな?」
今度は両手で髪をかきあげたら、押さえたままにしてしっかり顔を出す。深い青の目は変わらず美しいけれど、以前にも増してきりっとした印象に、深好は少し萎縮する。他のところに注目すると、顔色のいいことが分かった。
「でも元気そうで良かったわ」
「そういえば、前に会った時は具合悪いのばれてたね。帰郷してからはずっと元気だよ」
風が止んだのを見計らい、添花はしゃべりながら荷物をさぐる。手拭いを取り出して細長く畳み直すと、深好をじっと見ながら頭に巻く。顔周りの髪が仕事の邪魔をしないよう、深好はいつも細い巻き布をして留めている。どうやら真似ているらしい。
「やっぱり調子が悪いの隠してたのね。戦う人の気遣いって看人には困りごとなのよ、怪我でも病気でも大丈夫とばかり言うんだから。紅龍くんがあなたの心配するのも当然だわ」
「あいつ、いまだにそんなに心配してるの?」
「今? 本当に最近となると……どうかな。あっ、ちょうどいい所に雄人くーん!」
主に深好が紅龍と関わるのは彼が怪我をした時だ。顔を合わせれば軽い世間話はするが、共に修行をする間柄の方が最近の様子に詳しいはずだ。
「おー、巻き布お揃いじゃん、仲良し……って、なんか雰囲気違うな。添花だよな?」
「こんな顔丸出しなのに確認する?」
何を言っているんだお前は。口に出さなくても表情で言いたいことが分かる。表情が豊かになったということだろうか。
深好は仲良しと評されたことにどきどきしていたし、雄人がお喋りなので話題は違う方へ転がっていった。いつの間にか、今夜はこの三人に紅龍を加えて飯でも食おうという話になっている。それぞれに用事もあるので、この場はすぐ解散した。
夜までの間は、仕事をこなしながら少し前のことを思い出した。去年の蓮の頃、紅龍が添花と一緒に帰郷するのを見送った日のことだ。
紅龍が一時的に帰郷することになった。竜鱗に来て二年、初めて相棒の紅蓮と離れる。
見送りに立った雄人や深好は、紅龍にしか心を許さない紅蓮を心配している。同時に、彼が添花と一緒に帰ることも気になっていた。
「なんか心配そうだな?」
「あなたもでしょう。……私は、添花さんの顔色がよくない気がしたから、ちょっと」
「ゆうべ会ったときは元気そうだったけどな。まあ夜だから顔色はよくわかんねえか」
旅立ちが早い時間だったとはいえ、それぞれ仕事が始まるまで余裕がない。それでもつい、雄人と深好はその場に留まってしまう。
「しかし、あいつらって実のところ、どういう関係なんだろな」
「幼馴染みとしか聞いていないわ。何でも勘繰るの、雄人くんの悪い癖よ」
本当は、深好も人のことを言えない。昨晩は添花が同室に寝床を借りていた。せっかくの機会に、紅龍とどういう関係なのか聞こうとしたのだ。聞けなかったのが惜しいから、つい雄人に当たってしまう。
「浮ついた話をしては、さっきみたいに蹴られてばかりじゃない。背中にしっかり足跡が残っているわ」
「こればっかりは、本当に気になってるからな~。見てりゃ大体わかるけど、拗ねちゃうっていうか……はは、お互いに、報われない立場だねぇ」
皮肉そうな笑みは雄人らしくない。紅龍が砕けて話す相手だからって、つい言いすぎただろうか。深好は、仲良く背中に並んだ足跡を払ってやった。
「そんな言い方、あなたの気持ちもバラしたようなものだけど、いいの?」
「いいの。こんな話、他のやつにできねえだろ」
どうやら、雄人は添花のことが好きらしい。太陽はもう上がった。頬の赤みは彼の色。
彼女が竜鱗を訪れてから、髪を短くしようか検討した女性が何人かいる。深好もそのひとりだ。同性から見ても添花は魅力的だった。凛とした立ち居振る舞いは、培ってきた力に自信があるから。奢ることなく、誰かに助けられれば感謝を表す。髪を切ったくらいで、あの美しさは手に入らない。だから深好の髪は今でも長い。
「私の場合、気が付いてないのは紅龍くんだけだけどね……確かに、あなたになら愚痴をこぼしやすいかも」
「俺が惚れっぽいからって、てきとうに言ってんだろ。添花ちゃんについては、近年稀にみる本気なんだからな」
振り向いた雄人の口は、見事なへの字。瞳は真剣そのものだから、まあ、嘘ではないのだろう。
「本当に報われないわね。紅龍くんの大事な人が誰かなんて、あなたの方が分かってるでしょう」
紅龍が怪我でもしない限り、深好との接点はない。いつも一緒に鍛錬している雄人は、羨ましいくらい彼に詳しいはずだ。
「あいつには、大事な人がいっぱいいるんだ。そん中のひとりなのか、特別なのかが問題」
竜鱗に来た目的のひとつに、父の汚名返上があるらしい。家族思いの紅龍は、兄弟同然に育った添花について、家族とも表現する。
「添花さんにとっても、やっぱり紅龍くんは大事なんでしょうね」
「そりゃな」
相槌とともに雄人が思い出すのは、竜討伐で紅龍が負った傷を見た添花だ。感情が顔に出にくい性質との印象があったが、あの時は遠目にも分かりやすく沈んでいた。
「自分がフラフラな時でも心配するくらいには、大事みたいだよ」
当時添花の手当をした深好は、雄人がいつの話をしているのか分かる。彼女の見舞いに来た紅龍の様子を話したら、雄人は落ち込むだろうか。それでも知りたいだろうか。呆れた表情も、熱を確かめに額に触れる手も、しょうがないやつだなと零したため息まで、全部が優しかった。だから深好は敵わないと思って、髪を切れないのだ。なのに、あの眼差しに胸が締め付けられる。諦めるには、まだ彼のことを好きすぎる。
「……紅龍くんも、きっと同じね。自分だって疲れてるはずなのに、お見舞いに来ていたわ」
「あれで恋人らしくしててくれりゃあ、諦めもつくのにな」
「ええ。家族みたいに、当たり前にそばにいる」
よく風の吹く竜鱗のこと、ため息は隠せる。思い切り吸い込んで、さあ吐き出すぞという時に、遠くから声がかかる。
「雄人! いつまで油売ってんだ!」
「いっけね」
今日の雄人は餌番だ。あまり遅れると竜に吼えられる。ぺろりと舌を出してから、深好に笑いかける。
「じゃあな深好、励ますんでも何でも、話しやすい友達がいると思って安心しようぜ」
「ええ……」
こんなの傷の舐め合いだ。分かっていながら深好は頷き、手を振る。紅龍を好いている女同士では、添花の悪口が出そうだから。深好にとって彼女は憧れで、憎むべき敵ではない。自分の気持ちを吐露するのに、雄人の前がいちばん楽な気がした。看人の仕事を離れてしまうと、幼い頃から変わらず何とも情けない人間だ。
(名にある好の字は嫌いじゃない。でも、私を好いてくれる人なんているかしら? 添花さんみたいに胸を張って歩いたら、少しは魅力的に見えるのかな)
医師と共に町の医療を担う看人達が葉を摘んでいる。そのひとり、深好がふと顔を上げた時、覚えのあるような姿が町に入って来た。
「あれっ。添花さん……?」
前の年に、町を困らせていた巨竜の討伐に参加して活躍した青藍龍道場の準師範だと思う。癖の強い髪が少し伸びて、風に暴れるのを邪魔そうにかきあげている。久しぶりに見るせいか、近くを通るまで確信が持てなかった。邪魔になったらすぐ髪を切りそうな性格であるし。
「あ、深好。久しぶり」
「やっぱり添花さんよね。なんだか雰囲気が違うから、人違いと思って声を掛けるのためらっちゃった」
山の中で岩窟住居を掘っている町だ、岩の間から様々な風が吹く。少し喋るのに立ち止まっただけでも、右に左に翻弄された髪で添花の目元が塞がってしまう。
「自分じゃよく分からないけど、そうなんだ。髪が伸びたからかな?」
今度は両手で髪をかきあげたら、押さえたままにしてしっかり顔を出す。深い青の目は変わらず美しいけれど、以前にも増してきりっとした印象に、深好は少し萎縮する。他のところに注目すると、顔色のいいことが分かった。
「でも元気そうで良かったわ」
「そういえば、前に会った時は具合悪いのばれてたね。帰郷してからはずっと元気だよ」
風が止んだのを見計らい、添花はしゃべりながら荷物をさぐる。手拭いを取り出して細長く畳み直すと、深好をじっと見ながら頭に巻く。顔周りの髪が仕事の邪魔をしないよう、深好はいつも細い巻き布をして留めている。どうやら真似ているらしい。
「やっぱり調子が悪いの隠してたのね。戦う人の気遣いって看人には困りごとなのよ、怪我でも病気でも大丈夫とばかり言うんだから。紅龍くんがあなたの心配するのも当然だわ」
「あいつ、いまだにそんなに心配してるの?」
「今? 本当に最近となると……どうかな。あっ、ちょうどいい所に雄人くーん!」
主に深好が紅龍と関わるのは彼が怪我をした時だ。顔を合わせれば軽い世間話はするが、共に修行をする間柄の方が最近の様子に詳しいはずだ。
「おー、巻き布お揃いじゃん、仲良し……って、なんか雰囲気違うな。添花だよな?」
「こんな顔丸出しなのに確認する?」
何を言っているんだお前は。口に出さなくても表情で言いたいことが分かる。表情が豊かになったということだろうか。
深好は仲良しと評されたことにどきどきしていたし、雄人がお喋りなので話題は違う方へ転がっていった。いつの間にか、今夜はこの三人に紅龍を加えて飯でも食おうという話になっている。それぞれに用事もあるので、この場はすぐ解散した。
夜までの間は、仕事をこなしながら少し前のことを思い出した。去年の蓮の頃、紅龍が添花と一緒に帰郷するのを見送った日のことだ。
紅龍が一時的に帰郷することになった。竜鱗に来て二年、初めて相棒の紅蓮と離れる。
見送りに立った雄人や深好は、紅龍にしか心を許さない紅蓮を心配している。同時に、彼が添花と一緒に帰ることも気になっていた。
「なんか心配そうだな?」
「あなたもでしょう。……私は、添花さんの顔色がよくない気がしたから、ちょっと」
「ゆうべ会ったときは元気そうだったけどな。まあ夜だから顔色はよくわかんねえか」
旅立ちが早い時間だったとはいえ、それぞれ仕事が始まるまで余裕がない。それでもつい、雄人と深好はその場に留まってしまう。
「しかし、あいつらって実のところ、どういう関係なんだろな」
「幼馴染みとしか聞いていないわ。何でも勘繰るの、雄人くんの悪い癖よ」
本当は、深好も人のことを言えない。昨晩は添花が同室に寝床を借りていた。せっかくの機会に、紅龍とどういう関係なのか聞こうとしたのだ。聞けなかったのが惜しいから、つい雄人に当たってしまう。
「浮ついた話をしては、さっきみたいに蹴られてばかりじゃない。背中にしっかり足跡が残っているわ」
「こればっかりは、本当に気になってるからな~。見てりゃ大体わかるけど、拗ねちゃうっていうか……はは、お互いに、報われない立場だねぇ」
皮肉そうな笑みは雄人らしくない。紅龍が砕けて話す相手だからって、つい言いすぎただろうか。深好は、仲良く背中に並んだ足跡を払ってやった。
「そんな言い方、あなたの気持ちもバラしたようなものだけど、いいの?」
「いいの。こんな話、他のやつにできねえだろ」
どうやら、雄人は添花のことが好きらしい。太陽はもう上がった。頬の赤みは彼の色。
彼女が竜鱗を訪れてから、髪を短くしようか検討した女性が何人かいる。深好もそのひとりだ。同性から見ても添花は魅力的だった。凛とした立ち居振る舞いは、培ってきた力に自信があるから。奢ることなく、誰かに助けられれば感謝を表す。髪を切ったくらいで、あの美しさは手に入らない。だから深好の髪は今でも長い。
「私の場合、気が付いてないのは紅龍くんだけだけどね……確かに、あなたになら愚痴をこぼしやすいかも」
「俺が惚れっぽいからって、てきとうに言ってんだろ。添花ちゃんについては、近年稀にみる本気なんだからな」
振り向いた雄人の口は、見事なへの字。瞳は真剣そのものだから、まあ、嘘ではないのだろう。
「本当に報われないわね。紅龍くんの大事な人が誰かなんて、あなたの方が分かってるでしょう」
紅龍が怪我でもしない限り、深好との接点はない。いつも一緒に鍛錬している雄人は、羨ましいくらい彼に詳しいはずだ。
「あいつには、大事な人がいっぱいいるんだ。そん中のひとりなのか、特別なのかが問題」
竜鱗に来た目的のひとつに、父の汚名返上があるらしい。家族思いの紅龍は、兄弟同然に育った添花について、家族とも表現する。
「添花さんにとっても、やっぱり紅龍くんは大事なんでしょうね」
「そりゃな」
相槌とともに雄人が思い出すのは、竜討伐で紅龍が負った傷を見た添花だ。感情が顔に出にくい性質との印象があったが、あの時は遠目にも分かりやすく沈んでいた。
「自分がフラフラな時でも心配するくらいには、大事みたいだよ」
当時添花の手当をした深好は、雄人がいつの話をしているのか分かる。彼女の見舞いに来た紅龍の様子を話したら、雄人は落ち込むだろうか。それでも知りたいだろうか。呆れた表情も、熱を確かめに額に触れる手も、しょうがないやつだなと零したため息まで、全部が優しかった。だから深好は敵わないと思って、髪を切れないのだ。なのに、あの眼差しに胸が締め付けられる。諦めるには、まだ彼のことを好きすぎる。
「……紅龍くんも、きっと同じね。自分だって疲れてるはずなのに、お見舞いに来ていたわ」
「あれで恋人らしくしててくれりゃあ、諦めもつくのにな」
「ええ。家族みたいに、当たり前にそばにいる」
よく風の吹く竜鱗のこと、ため息は隠せる。思い切り吸い込んで、さあ吐き出すぞという時に、遠くから声がかかる。
「雄人! いつまで油売ってんだ!」
「いっけね」
今日の雄人は餌番だ。あまり遅れると竜に吼えられる。ぺろりと舌を出してから、深好に笑いかける。
「じゃあな深好、励ますんでも何でも、話しやすい友達がいると思って安心しようぜ」
「ええ……」
こんなの傷の舐め合いだ。分かっていながら深好は頷き、手を振る。紅龍を好いている女同士では、添花の悪口が出そうだから。深好にとって彼女は憧れで、憎むべき敵ではない。自分の気持ちを吐露するのに、雄人の前がいちばん楽な気がした。看人の仕事を離れてしまうと、幼い頃から変わらず何とも情けない人間だ。
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