74 / 84
【本編後】蓮が咲いたら
生きとし生けるものどもよ 4
しおりを挟む
かくして今回も笹熊へ向かうのは翔雲だ。全くもって霊は見えないが、現地をよく知っている。
「橙狐、怪異に引かれる者の条件となると、俺達だれも当てはまらないがどうするんだ?」
「通行を止めたなら、人が来なくて腹を空かせてる。誰彼構わず襲ってくるだろうし、翔雲さんは遠巻きに見ててください」
「そうだな、これに限っては前に出たら邪魔になる。我慢我慢」
気さくな師範と橙狐はすぐ仲良くなり、円滑におしゃべりしている。物騒な道へ行くとは思えない明るい雰囲気だ。
「もし見えても手は出しちゃだめですよ。相手が強い証拠ってだけで、殴れるわけじゃないんで」
「それが不思議なんだよな、添花は殴れるんだろ?」
わいわい進むうち、突然ひやりと気温が下がる。例の木立に着いた。昼間なのに薄暗い。目を凝らせば、木々の幹にひたひたと手形が現れるのが分かった。
「なんか……前より小さい手形だけど、ずいぶん数が多いね」
「向こうもこっちをうかがってる。手だけ伸ばして体は隠れてる感じだ」
赤ん坊より小さな手形が何十もあるのは、人ならざるものとしての力が強まっていることを示す。相手がこちらをよく知らないうちに畳み掛けるべき。
「じゃあ、打ち合わせ通りかな。陣を描ける平らな地面はこの道が一番広い。描いてる間に本体つついて連れて来たらいいんでしょ?」
「うん。最後の一画を残して描きあげたら、俺も追い込みに合流する。途中は手が離せないから、何とか粘ってくれ。あとは……これだ」
橙狐が懐から出したのは、えらく画数が多い漢字のようなものが書かれた紙切れ。添花の気功に反応して、微弱だが退魔の力を発する。危機に使える切り札だ。
「使わずに済めばいいね」
緊張を帯びて、袷のところに差し込む。ふたりは頷き合い、それぞれの仕事にかかった。
金属の棒を使って、橙狐はまず大きく円を描く。それを基準にぐるりと一周、文字を並べていくのだ。通常の読み書きに使う文字とは異なり、翔雲はさっぱり読めない。
添花はそろりと道をはずれて、木立の中に入る。現れては木に染み込んで消える手形が、招くように移動していた。
「おかあさん……おとうさん……」
泣きべそをかいた子どもの声が、たくさん重なって聞こえてくる。
「どこにいくの……」
いくら悲痛そうな叫びをあげても、添花は人の親ではない。ただ相手の居場所を探る指標として声を聞いた。返事を返さないのが鉄則だ。
近付くと、手形ではなく蛇のようにうねって伸びる黒い手が見えるようになった。不規則な動きの中で、ひとつが添花の腕に触れる。
「……っ」
黒い手はひどく冷たく、するりと染み込んでくる感覚がある。不快感に顔を歪めて、声を我慢しても反射的に掴んで引き剥がす。一瞬だけ膝から力が抜けたが、すぐ地面を踏み締める。手が引っ込んでいった先には熊の三頭分はあろうかという巨大な毛むくじゃらがいた。
「みぃつけたぁ」
大人ひとり頬張れそうな口をあけて、毛むくじゃらが笑った。橙狐はこの大きさを予想しているはずだから、きっと大きな陣を描いている。すぐに連れて行っては完成が間に合わない。
「あいつ、こんなとんでもない追いかけっこしてるんだ」
独り言とともに口の端が引き上がったが、欠片も楽しくない。足に自信があるのがせめてもの救いだ。
のしのしと走ってくる巨体は、添花の俊足にも付いてきた。闇雲に逃げる相手になら追いつく必要がないから、様子を見ながら合わせているのかもしれない。添花が跳び上がって木の枝につかまり、急に走る方向を変えた時には、立ち止まって黒い手を伸ばしてきた。毛束が変じてできたようなそれは、走る最中には出せないらしい。最初に触れた以来ずっと避けているから、あの気持ち悪さはそろそろ体から抜けた。右に左に撹乱しながら、陣を書き終わる頃合いを待つ。その時には声が聞こえる距離にいるのが理想的だ。
走り回る添花の姿が、翔雲から何とか見える所にきた。この辺で遭遇する獣よりずっと大きな黒い毛玉に追われている。相手を引きつけては飛び退いて、足を止めることがほとんどない。四肢の位置も正確な長さも不明瞭だし、ばかでかい口には添花がすっぽり入ってしまいそうだ。気功術を使うには忙しいし、いざ陣に入らせる時まで温存したいはずだ。手伝えないのがもどかしい。
そろそろ陣が描き終わる? もうちょっと。添花が橙狐と目線のやりとりをした刹那。
(しまった!)
信じられない素早さで毛玉が体当たりしてきた。添花の背後にはひと抱えほどの岩がある、これでは頭を打つ──固く目を閉じ体を丸めたけれど、ごつん、などと鈍い音はしない。それどころか、何かふかふかしたものに包み込まれていた。
「添花!」
「だめだ! あんまり騒ぐと陣に気づかれる。あんたはあれに対抗できない」
翔雲を制止して、橙狐は懸命に描き続ける。もう少しで円を文字列が一周する。
「これで……あと一画! 俺が行く、陣に猫一匹近づけるなよ!」
上半身をふかふかに包まれた添花には、橙狐と翔雲のやりとりなど聞こえるはずもない。ただ、遠くから優しい声に呼ばれている。
「いいの? ねえ、寂しくないの?」
最初に聞いた、束になった子どもの声と違う。あったかくて、ふかふかで、どこかで聞いたことがあるような……ないような。
「頭をなでるのはお兄ちゃんだけでいいの? よく帰ったねって、頬に触れる手で足りるの? 寂しくないの? 添花を抱きしめて安心させてくれるひと……ほしいでしょ? おかあさんみたいに」
心の隙間を押しつぶすように、ふかふかの締め付けがきつくなった。なぜだか心地よい気がしてくる。頭を撫でられるのは昔から苦手だから、兄だけで良かった。紅龍の母の手はいつもあたたかいから安心できた。母親がいないのはもう長年のことだから慣れている、はず。
(いけない、言葉に引かれるな。この感じ覚えてる……霖だった自分に、首しめられた時のやつ。走馬灯出そうになった)
気力で音を耳から追い出すと、毛玉にぎりぎりと締め付けられているのが分かる。防御として腕を胸の前に出していたから、胴体を直接圧迫されてあばらが悲鳴を上げている。何より、息ができない。
朦朧とした頭には、つい思い出が浮かんでしまう。大きな案件の後や帯章を手にした時は、紅龍の母が抱きしめてくれたなあ。もっと前、巨竜の討伐後に倒れた時は、紅龍が抱えて運んでくれたなあ。背を包まれる温もりは十分知っている。皆、添花の帰りを待っている。
(自ら挑んで負けちゃあ、また紅に心配されるね……それは嫌だな)
気功を込めやすい手が袷の近くにある。まだ意識は手放さない、いける!
「グワァッ」
野太い悲鳴が上がるのと破裂音がするのは同時だった。添花が持つものに加え、橙狐も札を発光させていた。目がどこにあるか分からないが退魔の光に焼かれたらしく、毛玉は添花と距離をとってうずくまる。
「なんでェ……どうしてぇ……」
この地響きに似た声が本来のものなのだろう。添花は咳き込みながらも、何とか息を吸って返してやりたい言葉がある。駆けつけた橙狐に支えられて立ち、毛玉を見下ろした。
「あいにくと……帰る場所が、あるもんで」
さあ、やるよ。添花は橙狐の肩を陣の方向に押す。自分は粗い息もそのままに毛玉と距離を詰めた。相手が動揺しているうちが好機だ。
「いやだ……やだよぉ、寂しいよぉ」
何本もの黒い手が伸びてくる。肌に触れれば、怪異に引き寄せる感情を探して心をまさぐるのだろう。
これを上手く使うために、気を確かに保つために。添花はなるべく強く短い気持ちを心の中で叫ぶ。
(私は、帰る!)
いくつかの黒い手が貼り付いても構わず、掴みやすい数本を握りしめる。橙狐の足音は陣の近くまで行っている、もう頃合いだ。
「橙狐、怪異に引かれる者の条件となると、俺達だれも当てはまらないがどうするんだ?」
「通行を止めたなら、人が来なくて腹を空かせてる。誰彼構わず襲ってくるだろうし、翔雲さんは遠巻きに見ててください」
「そうだな、これに限っては前に出たら邪魔になる。我慢我慢」
気さくな師範と橙狐はすぐ仲良くなり、円滑におしゃべりしている。物騒な道へ行くとは思えない明るい雰囲気だ。
「もし見えても手は出しちゃだめですよ。相手が強い証拠ってだけで、殴れるわけじゃないんで」
「それが不思議なんだよな、添花は殴れるんだろ?」
わいわい進むうち、突然ひやりと気温が下がる。例の木立に着いた。昼間なのに薄暗い。目を凝らせば、木々の幹にひたひたと手形が現れるのが分かった。
「なんか……前より小さい手形だけど、ずいぶん数が多いね」
「向こうもこっちをうかがってる。手だけ伸ばして体は隠れてる感じだ」
赤ん坊より小さな手形が何十もあるのは、人ならざるものとしての力が強まっていることを示す。相手がこちらをよく知らないうちに畳み掛けるべき。
「じゃあ、打ち合わせ通りかな。陣を描ける平らな地面はこの道が一番広い。描いてる間に本体つついて連れて来たらいいんでしょ?」
「うん。最後の一画を残して描きあげたら、俺も追い込みに合流する。途中は手が離せないから、何とか粘ってくれ。あとは……これだ」
橙狐が懐から出したのは、えらく画数が多い漢字のようなものが書かれた紙切れ。添花の気功に反応して、微弱だが退魔の力を発する。危機に使える切り札だ。
「使わずに済めばいいね」
緊張を帯びて、袷のところに差し込む。ふたりは頷き合い、それぞれの仕事にかかった。
金属の棒を使って、橙狐はまず大きく円を描く。それを基準にぐるりと一周、文字を並べていくのだ。通常の読み書きに使う文字とは異なり、翔雲はさっぱり読めない。
添花はそろりと道をはずれて、木立の中に入る。現れては木に染み込んで消える手形が、招くように移動していた。
「おかあさん……おとうさん……」
泣きべそをかいた子どもの声が、たくさん重なって聞こえてくる。
「どこにいくの……」
いくら悲痛そうな叫びをあげても、添花は人の親ではない。ただ相手の居場所を探る指標として声を聞いた。返事を返さないのが鉄則だ。
近付くと、手形ではなく蛇のようにうねって伸びる黒い手が見えるようになった。不規則な動きの中で、ひとつが添花の腕に触れる。
「……っ」
黒い手はひどく冷たく、するりと染み込んでくる感覚がある。不快感に顔を歪めて、声を我慢しても反射的に掴んで引き剥がす。一瞬だけ膝から力が抜けたが、すぐ地面を踏み締める。手が引っ込んでいった先には熊の三頭分はあろうかという巨大な毛むくじゃらがいた。
「みぃつけたぁ」
大人ひとり頬張れそうな口をあけて、毛むくじゃらが笑った。橙狐はこの大きさを予想しているはずだから、きっと大きな陣を描いている。すぐに連れて行っては完成が間に合わない。
「あいつ、こんなとんでもない追いかけっこしてるんだ」
独り言とともに口の端が引き上がったが、欠片も楽しくない。足に自信があるのがせめてもの救いだ。
のしのしと走ってくる巨体は、添花の俊足にも付いてきた。闇雲に逃げる相手になら追いつく必要がないから、様子を見ながら合わせているのかもしれない。添花が跳び上がって木の枝につかまり、急に走る方向を変えた時には、立ち止まって黒い手を伸ばしてきた。毛束が変じてできたようなそれは、走る最中には出せないらしい。最初に触れた以来ずっと避けているから、あの気持ち悪さはそろそろ体から抜けた。右に左に撹乱しながら、陣を書き終わる頃合いを待つ。その時には声が聞こえる距離にいるのが理想的だ。
走り回る添花の姿が、翔雲から何とか見える所にきた。この辺で遭遇する獣よりずっと大きな黒い毛玉に追われている。相手を引きつけては飛び退いて、足を止めることがほとんどない。四肢の位置も正確な長さも不明瞭だし、ばかでかい口には添花がすっぽり入ってしまいそうだ。気功術を使うには忙しいし、いざ陣に入らせる時まで温存したいはずだ。手伝えないのがもどかしい。
そろそろ陣が描き終わる? もうちょっと。添花が橙狐と目線のやりとりをした刹那。
(しまった!)
信じられない素早さで毛玉が体当たりしてきた。添花の背後にはひと抱えほどの岩がある、これでは頭を打つ──固く目を閉じ体を丸めたけれど、ごつん、などと鈍い音はしない。それどころか、何かふかふかしたものに包み込まれていた。
「添花!」
「だめだ! あんまり騒ぐと陣に気づかれる。あんたはあれに対抗できない」
翔雲を制止して、橙狐は懸命に描き続ける。もう少しで円を文字列が一周する。
「これで……あと一画! 俺が行く、陣に猫一匹近づけるなよ!」
上半身をふかふかに包まれた添花には、橙狐と翔雲のやりとりなど聞こえるはずもない。ただ、遠くから優しい声に呼ばれている。
「いいの? ねえ、寂しくないの?」
最初に聞いた、束になった子どもの声と違う。あったかくて、ふかふかで、どこかで聞いたことがあるような……ないような。
「頭をなでるのはお兄ちゃんだけでいいの? よく帰ったねって、頬に触れる手で足りるの? 寂しくないの? 添花を抱きしめて安心させてくれるひと……ほしいでしょ? おかあさんみたいに」
心の隙間を押しつぶすように、ふかふかの締め付けがきつくなった。なぜだか心地よい気がしてくる。頭を撫でられるのは昔から苦手だから、兄だけで良かった。紅龍の母の手はいつもあたたかいから安心できた。母親がいないのはもう長年のことだから慣れている、はず。
(いけない、言葉に引かれるな。この感じ覚えてる……霖だった自分に、首しめられた時のやつ。走馬灯出そうになった)
気力で音を耳から追い出すと、毛玉にぎりぎりと締め付けられているのが分かる。防御として腕を胸の前に出していたから、胴体を直接圧迫されてあばらが悲鳴を上げている。何より、息ができない。
朦朧とした頭には、つい思い出が浮かんでしまう。大きな案件の後や帯章を手にした時は、紅龍の母が抱きしめてくれたなあ。もっと前、巨竜の討伐後に倒れた時は、紅龍が抱えて運んでくれたなあ。背を包まれる温もりは十分知っている。皆、添花の帰りを待っている。
(自ら挑んで負けちゃあ、また紅に心配されるね……それは嫌だな)
気功を込めやすい手が袷の近くにある。まだ意識は手放さない、いける!
「グワァッ」
野太い悲鳴が上がるのと破裂音がするのは同時だった。添花が持つものに加え、橙狐も札を発光させていた。目がどこにあるか分からないが退魔の光に焼かれたらしく、毛玉は添花と距離をとってうずくまる。
「なんでェ……どうしてぇ……」
この地響きに似た声が本来のものなのだろう。添花は咳き込みながらも、何とか息を吸って返してやりたい言葉がある。駆けつけた橙狐に支えられて立ち、毛玉を見下ろした。
「あいにくと……帰る場所が、あるもんで」
さあ、やるよ。添花は橙狐の肩を陣の方向に押す。自分は粗い息もそのままに毛玉と距離を詰めた。相手が動揺しているうちが好機だ。
「いやだ……やだよぉ、寂しいよぉ」
何本もの黒い手が伸びてくる。肌に触れれば、怪異に引き寄せる感情を探して心をまさぐるのだろう。
これを上手く使うために、気を確かに保つために。添花はなるべく強く短い気持ちを心の中で叫ぶ。
(私は、帰る!)
いくつかの黒い手が貼り付いても構わず、掴みやすい数本を握りしめる。橙狐の足音は陣の近くまで行っている、もう頃合いだ。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
アガルタ・クライシス ―接点―
来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。
九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。
同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。
不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。
古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる