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ギルドとは
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「ギフー、さっきのってどこのギルドの人なの?」
エナがギフに問いかけた。
実は僕もちょっと気になっていたことだ。
「ああ、ありゃ多分だがギルドとは名ばかりのチャレンジャーパーティーだな」
ギルドとは名ばかりのチャレンジャーパーティー?
なんだそれは。
「おっ、フトーも気になるか?」
「まあ、少しは」
「だよね~」
「あれはたぶん、チャレンジャーパーティー単位でギルド申請してる人達なのですよ。四人以上が集まってれば、管理ギルドに申請すればギルドはカンタンに作れるのです」
「おい」
「えー、うっそ~!」
自慢気に知識を披露するリン。
そして、おいしいところをリンに持っていかれたギフが、ちょっと不貞腐れたような顔をした。
そして僕はちょっと複雑な顔をしていることだろう。
ギルドって簡単に作れたのか。
でも、四人以上必要ということは……いや、ないな。この情報を知っていたとしても、僕はきっとギルドには所属してなかっただろう。
「最初から知ってたらさ~あ、フトーさんとキョウコちゃんとシンジとわたしの四人でギルド作ってたのにな~」
「いや、それはなかったなと、ちょうど今考えてたところでした」
「え~、なんでよ~」
「残念でした~なのです。むふっ」
「リン?!」
地下二階を進むにしては、少々緊張感のない
会話になってしまった。ただ、レーダーとクレアボヤンスには怪しい者は何も映っていないし、アラートも鳴ってない。
さっきのパーティーが追ってきていた時は、アラートが鳴りっぱなしだったのでちょっとイライラしていた。それもあって、あの足掬いが少し強くなってしまったのだと思う。
「コボルトファイター、ウォリアーらしき四匹がいるわ」
少し進んだ所で、ノーラが何者かを感知した。スカウトのスキルはなかなかに便利なものだ。ノーラが先にぜんぽうを確認してきたところ、それはコボルト達だった。
報告の後、ノーラがまた少し下がり、ギフとエナが前に出る。
僕とリンはノーラの後ろについていく。魔法攻撃をするのと、後方から敵が来ないかを見張るのが役目となっている。
これは事前に話し合って決めたフォーメーションだ。
左にうねった道を少し進めば会敵だ。
この階では、魔法攻撃は乱戦の中で撃つという話になっている。ギフが敵を引き付け、エナとノーラが攻撃をする中で、この二人を支援するくらいの魔法を使ってほしいということだった。
「……■■■■」
リンが呪文を唱え、発動させずにキープする。呪文はストーンバレットだ。既に二つの石が現れるであろう場所に、魔力の塊というか淀みのような物ができている。なるほど、こういう使い方もあるのか。
前方では、ギフ一人では四匹を抑えることができず、二匹がエナとノーラに行ってしまっている。
ノーラは、コボルトウォリアーが繰出す連撃を受けるのに徹するので精一杯のようだ。だからシールドで支援することにした。
「ノーラ、次の攻撃を弾くから隙を見逃さないで」
「分かったわ!」
僕はコボルトウォリアーの右手の攻撃をシールドを張って弾いた。見えない何かにぶつかって腕を弾かれたことに驚いたのか、コボルトの動きが一瞬止まる。その隙を逃さず、ノーラの短剣がコボルトウォリアーの右肩に思い切り振り下ろされた。これでコボルトウォリアーの攻撃回数と攻撃力は数段下がったはずだ。
「サンキューフトー! やっぱり好きかも!」
「ノーラ戦闘中に何言ってんのよ! フトーさーん、こっちにもヘルプー!」
「ストーンバレット!」
ゆっくりと移動して射線を作ったリンが、ストーンバレットを放った。エナの前にいるコボルトファイターの顔面と、武器を持つ右腕に飛んでいくが、顔面に向かった物はギリギリで盾で弾かれてしまった。だが、右腕に飛ばした物が本命だ。コボルトファイターは手に持つ剣を落としはしなかったが、攻撃が止まり胴体がガラ空きになった。
「スラッシュ!」
エナの剣撃スキルが、そのガラ空きの胴にズバッと決まった。
コボルトファイターはその一撃がトドメになった。
「ありがとうは?」
「あ、り、が、と、う、ございましたっ!」
リンのお礼の要求に、ふざけた感じでありがとうを返すエナ。そしてすぐさまギフが惹きつけているコボルトファイターの背後に回り込み、ジャンプして無防備な頭に、上段に振り上げた長剣を振り下ろした。
これで大局は決まった。
あとは後から近付いてくる敵をどうするかだけど……。
攻撃してくるようなら動けなくなるレベルまで叩いちゃってもいいかな。でも、そうすると今日のチャレンジは終わりになってしまうし。どうするか。
残りの二匹は、ギフも攻撃に参加することですぐに片付いた。
その瞬間のことだ。
「リン! フトー!」
ノーラの叫び声が上がった。
魔物を倒して安心した隙をついて、背後から先程のアホパーティーが攻撃してきたのだ。
「きゃ」
振り返ったリンが悲鳴を上げた。
「てめぇ! さっきはよくもやりやがったな!」
「ポーション代代わりに一切りさせろや!」
さっき、僕が足を払って転ばせた二人が、逆恨み節全開で突っ込んできたのだ。
僕はリンに突っ込んできた男の顔面に小さなシールドを張った。そして僕に剣を突き出してきた男の剣を、ミスリル三節棍の一部で叩き落しつつ、三節棍の反対の棒で腹を叩いた。
片方は顔面を強く打って体を仰け反らせて後頭部から地面に落ち、もう片方は手放した剣と共に岩壁にぶち当たって倒れた。
三節棍による二段攻撃はなかなか難しいけど、これはなかなか面白い武器かも知れない。
「フトー、ありがとうなのです」
と言いながら、リンは少し怯えるように僕の背中を掴んできた。
いや、実際、人間から敵意満載で襲われるのは怖いことだ。
「おめえら、越えちゃいけねえ線を越えやがったな!?」
ギフが後ろで追撃体勢をしていた残る四人に向かって吠えた。
「う、うるせえ! そこの中華ヤローが先に手え出してきたんだろうが!」
そう言って戦士っぽい男がギフに突っ込んで来た。中華ヤローって僕のことか? もしかして三節棍を使ってるから?
盾を持った男も前に出てきて、後ろには弓を構える猫目の男と、呪文の詠唱を始めた女が見えた。
本気で対人戦が始まってしまったようだ。
どこまでやってしまっていいんだろうか。
「こんな程度の奴らあ、殺さずに制圧すんぞ!」
ギフが「やり過ぎないように」とでも言うように仲間を鼓舞した。
「ぶわぁ~か、そんな甘っちょろいこと言ってっからお前らはここで死ぬんだよ!」
ガキーン、と剣と盾がぶつかった音が響く。
クレアボヤンスで見る限り、リン、エナ、ノーラはこの状況に反応できないでいるようだ。いや、恐怖で動けないのかも知れない。
僕は後方で矢を放とうとしている男と呪文を唱えている女に、ロックバレットを撃ち込んだ。もちろん、腹を貫通させないように威力は調節してある。
「ぐはっ!」
「ぎゃっ!」
ロックバレットを喰らった二人が、四つん這いになって動かなくなった。
そして向かってきた盾持ちの大男に向かって走り、三節棍を棍状態に戻して相手が構えた盾を狙って思いっきりフルスイングした。
バガンというあまり聞いたことのない音が鳴り響き、大男は壁に打ち付けられて倒れた。盾が砕けただけでなく、おそらく腕も折れているだろうけど自業自得だ。
戦士はギフに任せて、僕は奥に吹っ飛ばされてげーげー吐いている弓使いと魔女を拘束するためにそちらに向かった。
エナがギフに問いかけた。
実は僕もちょっと気になっていたことだ。
「ああ、ありゃ多分だがギルドとは名ばかりのチャレンジャーパーティーだな」
ギルドとは名ばかりのチャレンジャーパーティー?
なんだそれは。
「おっ、フトーも気になるか?」
「まあ、少しは」
「だよね~」
「あれはたぶん、チャレンジャーパーティー単位でギルド申請してる人達なのですよ。四人以上が集まってれば、管理ギルドに申請すればギルドはカンタンに作れるのです」
「おい」
「えー、うっそ~!」
自慢気に知識を披露するリン。
そして、おいしいところをリンに持っていかれたギフが、ちょっと不貞腐れたような顔をした。
そして僕はちょっと複雑な顔をしていることだろう。
ギルドって簡単に作れたのか。
でも、四人以上必要ということは……いや、ないな。この情報を知っていたとしても、僕はきっとギルドには所属してなかっただろう。
「最初から知ってたらさ~あ、フトーさんとキョウコちゃんとシンジとわたしの四人でギルド作ってたのにな~」
「いや、それはなかったなと、ちょうど今考えてたところでした」
「え~、なんでよ~」
「残念でした~なのです。むふっ」
「リン?!」
地下二階を進むにしては、少々緊張感のない
会話になってしまった。ただ、レーダーとクレアボヤンスには怪しい者は何も映っていないし、アラートも鳴ってない。
さっきのパーティーが追ってきていた時は、アラートが鳴りっぱなしだったのでちょっとイライラしていた。それもあって、あの足掬いが少し強くなってしまったのだと思う。
「コボルトファイター、ウォリアーらしき四匹がいるわ」
少し進んだ所で、ノーラが何者かを感知した。スカウトのスキルはなかなかに便利なものだ。ノーラが先にぜんぽうを確認してきたところ、それはコボルト達だった。
報告の後、ノーラがまた少し下がり、ギフとエナが前に出る。
僕とリンはノーラの後ろについていく。魔法攻撃をするのと、後方から敵が来ないかを見張るのが役目となっている。
これは事前に話し合って決めたフォーメーションだ。
左にうねった道を少し進めば会敵だ。
この階では、魔法攻撃は乱戦の中で撃つという話になっている。ギフが敵を引き付け、エナとノーラが攻撃をする中で、この二人を支援するくらいの魔法を使ってほしいということだった。
「……■■■■」
リンが呪文を唱え、発動させずにキープする。呪文はストーンバレットだ。既に二つの石が現れるであろう場所に、魔力の塊というか淀みのような物ができている。なるほど、こういう使い方もあるのか。
前方では、ギフ一人では四匹を抑えることができず、二匹がエナとノーラに行ってしまっている。
ノーラは、コボルトウォリアーが繰出す連撃を受けるのに徹するので精一杯のようだ。だからシールドで支援することにした。
「ノーラ、次の攻撃を弾くから隙を見逃さないで」
「分かったわ!」
僕はコボルトウォリアーの右手の攻撃をシールドを張って弾いた。見えない何かにぶつかって腕を弾かれたことに驚いたのか、コボルトの動きが一瞬止まる。その隙を逃さず、ノーラの短剣がコボルトウォリアーの右肩に思い切り振り下ろされた。これでコボルトウォリアーの攻撃回数と攻撃力は数段下がったはずだ。
「サンキューフトー! やっぱり好きかも!」
「ノーラ戦闘中に何言ってんのよ! フトーさーん、こっちにもヘルプー!」
「ストーンバレット!」
ゆっくりと移動して射線を作ったリンが、ストーンバレットを放った。エナの前にいるコボルトファイターの顔面と、武器を持つ右腕に飛んでいくが、顔面に向かった物はギリギリで盾で弾かれてしまった。だが、右腕に飛ばした物が本命だ。コボルトファイターは手に持つ剣を落としはしなかったが、攻撃が止まり胴体がガラ空きになった。
「スラッシュ!」
エナの剣撃スキルが、そのガラ空きの胴にズバッと決まった。
コボルトファイターはその一撃がトドメになった。
「ありがとうは?」
「あ、り、が、と、う、ございましたっ!」
リンのお礼の要求に、ふざけた感じでありがとうを返すエナ。そしてすぐさまギフが惹きつけているコボルトファイターの背後に回り込み、ジャンプして無防備な頭に、上段に振り上げた長剣を振り下ろした。
これで大局は決まった。
あとは後から近付いてくる敵をどうするかだけど……。
攻撃してくるようなら動けなくなるレベルまで叩いちゃってもいいかな。でも、そうすると今日のチャレンジは終わりになってしまうし。どうするか。
残りの二匹は、ギフも攻撃に参加することですぐに片付いた。
その瞬間のことだ。
「リン! フトー!」
ノーラの叫び声が上がった。
魔物を倒して安心した隙をついて、背後から先程のアホパーティーが攻撃してきたのだ。
「きゃ」
振り返ったリンが悲鳴を上げた。
「てめぇ! さっきはよくもやりやがったな!」
「ポーション代代わりに一切りさせろや!」
さっき、僕が足を払って転ばせた二人が、逆恨み節全開で突っ込んできたのだ。
僕はリンに突っ込んできた男の顔面に小さなシールドを張った。そして僕に剣を突き出してきた男の剣を、ミスリル三節棍の一部で叩き落しつつ、三節棍の反対の棒で腹を叩いた。
片方は顔面を強く打って体を仰け反らせて後頭部から地面に落ち、もう片方は手放した剣と共に岩壁にぶち当たって倒れた。
三節棍による二段攻撃はなかなか難しいけど、これはなかなか面白い武器かも知れない。
「フトー、ありがとうなのです」
と言いながら、リンは少し怯えるように僕の背中を掴んできた。
いや、実際、人間から敵意満載で襲われるのは怖いことだ。
「おめえら、越えちゃいけねえ線を越えやがったな!?」
ギフが後ろで追撃体勢をしていた残る四人に向かって吠えた。
「う、うるせえ! そこの中華ヤローが先に手え出してきたんだろうが!」
そう言って戦士っぽい男がギフに突っ込んで来た。中華ヤローって僕のことか? もしかして三節棍を使ってるから?
盾を持った男も前に出てきて、後ろには弓を構える猫目の男と、呪文の詠唱を始めた女が見えた。
本気で対人戦が始まってしまったようだ。
どこまでやってしまっていいんだろうか。
「こんな程度の奴らあ、殺さずに制圧すんぞ!」
ギフが「やり過ぎないように」とでも言うように仲間を鼓舞した。
「ぶわぁ~か、そんな甘っちょろいこと言ってっからお前らはここで死ぬんだよ!」
ガキーン、と剣と盾がぶつかった音が響く。
クレアボヤンスで見る限り、リン、エナ、ノーラはこの状況に反応できないでいるようだ。いや、恐怖で動けないのかも知れない。
僕は後方で矢を放とうとしている男と呪文を唱えている女に、ロックバレットを撃ち込んだ。もちろん、腹を貫通させないように威力は調節してある。
「ぐはっ!」
「ぎゃっ!」
ロックバレットを喰らった二人が、四つん這いになって動かなくなった。
そして向かってきた盾持ちの大男に向かって走り、三節棍を棍状態に戻して相手が構えた盾を狙って思いっきりフルスイングした。
バガンというあまり聞いたことのない音が鳴り響き、大男は壁に打ち付けられて倒れた。盾が砕けただけでなく、おそらく腕も折れているだろうけど自業自得だ。
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