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魔鉱窟ダンジョン開放と
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この世界に来て、もう、約半年以上の時が流れた。
あと三週間程でこの世界の一年の終わりの日がやって来るそうだ。
特に名称はないらしいが、新しい年を迎える時には街全体が夜通し明るく照らされて、お祭り騒ぎになるのだという。
日本にいた頃のように、今は寒い季節というわけでもないし、特に年末や年越しを煽るイベントもないので、師走の慌ただしい雰囲気を思い出すこともない。
ただ、年が明けると税金の徴収があるらしい。これがイベントと言えばイベントなのかも知れない。
そして、街は今、別の話題で盛り上がっていた。
それはつい昨日、魔鉱窟ダンジョンが復活したという大ニュースがもたらしたものだ。
そして今、東門付近には数ヶ月前のようにチャレンジャーが溢れている。
いくつかの店は閉まってしまっている為、魔鉱窟がなくなったあとも営業を続けていた店が客で溢れていた。
「ったくよー。せっかく大根の方でも食ってけるようになったってのに、今度は大根が消えちまうなんてなー」
「まあいいじゃないの。また街から近い所の方が楽だし?」
「つってもよー、こっちも大根並に魔物が強くなってるからな。まあ、大根修行のおかげでなんとか戦えっけどさ」
「だね。コボルト戦士とか最初はキツかったよね。マジで死ぬかと思ったもん」
そう。既に大根(大樹の根のダンジョン)は踏破されて入口が消失してしまっていた。
大樹の周りに造られた闘技場は、今後は新人チャレンジャーの訓練や、イベントで使われるそうだ。
魔鉱窟ダンジョンのように、大樹の根のダンジョンも復活するかも知れないという期待もあるらしく、とりあえずは施設の維持をしていくそうだ。
そして、僕には他に気になることがあった。
それは売りに出した三軒の建物の状況だ。
財テクとは言ったものの、すぐに税金が発生するこの時期に買い手がつくかどうか。
一応、年が開けたら値上げします、とは補足してもらってある。
ちなみに、以前、今の僕の住まいでカフェをやっていた人が、またここでカフェを開きたいから家を譲ってくれないかと訪ねてきたんだけど、既に何箇所か改装してしまってるのでごめんなさい、と、丁重にお断りさせていただいた。
この人は、カフェを西門の方に移転して繁盛してたみたいだけど、訓練場が残ったとはいえ、やはり西門付近を歩く人影はかなり減ってしまったようで、それはそのままお客さん減少に繋がっているそうだ。
可哀想とは思うけど、移転は自分の判断でしたことなのだから、こういうリスクも受け入れるべきだろう。
まあ、判断の原因が僕のダンジョン踏破に無関係と言えないのが心苦しいところではあるのだが。
大通りから少し路地に入った所にある二軒はすぐに売れた。片方は元の持ち主で、もう片方はさっきのカフェの人だ。
それぞれ、金貨一八〇枚と二〇〇枚で売れた。
元手が八五枚と九〇枚だったので、金貨二〇五枚増えたことになる。
手数料で金貨四枚引かれたけど。
それでもまあ、よかったよかった。
あとは金貨三三〇枚で買った大通りに面したお店だ。
年内に売れなければ、年明けから金貨一六〇〇枚に値上げしてほしいとギルドには伝えてある。これなら、税金を考えても年内に買って、すぐに商売を始めた方が得だと計算してくれる人もいるだろうと予想している。
僕、というかヒヤミのこの値段の提示方法に、この期に自分の店を売りたい人が同じ値段提示をしてきているらしい。周りが同調してくれれば、高くても「仕方ないか」と買ってくれる人が出てきそうな気がする。ただ、手法を真似されたことで、僕以外の物件が先に売れてしまう可能性はあるんだけどね。
まあ、果報は寝てまて、だ。
ずっと気にしてても仕方ないし、ギルドに販売をお願いした時点で鍵なども預けてあるから、年越し前に顔を出しに行けばいいかな。
じゃあ、そろそろナーグマンの店に行くとしますか。
この間お願いしたミスリルキューブの件について、ミスリル職人が僕に話を聞いてから造るかどうかを判断したいと言ってきたらしくて、今からナーグマンの店で会って話すことになったんだよね。
オーダーメイドの武器(?)作成になるから、こういうこともあるのかも知れない。
僕は、その程度の認識でナーグマンの店に向かった。
途中で買い物に来ていたリンとエナに会って、何故か二人もナーグマンの店に一緒に付いてくることになった。
あと三週間程でこの世界の一年の終わりの日がやって来るそうだ。
特に名称はないらしいが、新しい年を迎える時には街全体が夜通し明るく照らされて、お祭り騒ぎになるのだという。
日本にいた頃のように、今は寒い季節というわけでもないし、特に年末や年越しを煽るイベントもないので、師走の慌ただしい雰囲気を思い出すこともない。
ただ、年が明けると税金の徴収があるらしい。これがイベントと言えばイベントなのかも知れない。
そして、街は今、別の話題で盛り上がっていた。
それはつい昨日、魔鉱窟ダンジョンが復活したという大ニュースがもたらしたものだ。
そして今、東門付近には数ヶ月前のようにチャレンジャーが溢れている。
いくつかの店は閉まってしまっている為、魔鉱窟がなくなったあとも営業を続けていた店が客で溢れていた。
「ったくよー。せっかく大根の方でも食ってけるようになったってのに、今度は大根が消えちまうなんてなー」
「まあいいじゃないの。また街から近い所の方が楽だし?」
「つってもよー、こっちも大根並に魔物が強くなってるからな。まあ、大根修行のおかげでなんとか戦えっけどさ」
「だね。コボルト戦士とか最初はキツかったよね。マジで死ぬかと思ったもん」
そう。既に大根(大樹の根のダンジョン)は踏破されて入口が消失してしまっていた。
大樹の周りに造られた闘技場は、今後は新人チャレンジャーの訓練や、イベントで使われるそうだ。
魔鉱窟ダンジョンのように、大樹の根のダンジョンも復活するかも知れないという期待もあるらしく、とりあえずは施設の維持をしていくそうだ。
そして、僕には他に気になることがあった。
それは売りに出した三軒の建物の状況だ。
財テクとは言ったものの、すぐに税金が発生するこの時期に買い手がつくかどうか。
一応、年が開けたら値上げします、とは補足してもらってある。
ちなみに、以前、今の僕の住まいでカフェをやっていた人が、またここでカフェを開きたいから家を譲ってくれないかと訪ねてきたんだけど、既に何箇所か改装してしまってるのでごめんなさい、と、丁重にお断りさせていただいた。
この人は、カフェを西門の方に移転して繁盛してたみたいだけど、訓練場が残ったとはいえ、やはり西門付近を歩く人影はかなり減ってしまったようで、それはそのままお客さん減少に繋がっているそうだ。
可哀想とは思うけど、移転は自分の判断でしたことなのだから、こういうリスクも受け入れるべきだろう。
まあ、判断の原因が僕のダンジョン踏破に無関係と言えないのが心苦しいところではあるのだが。
大通りから少し路地に入った所にある二軒はすぐに売れた。片方は元の持ち主で、もう片方はさっきのカフェの人だ。
それぞれ、金貨一八〇枚と二〇〇枚で売れた。
元手が八五枚と九〇枚だったので、金貨二〇五枚増えたことになる。
手数料で金貨四枚引かれたけど。
それでもまあ、よかったよかった。
あとは金貨三三〇枚で買った大通りに面したお店だ。
年内に売れなければ、年明けから金貨一六〇〇枚に値上げしてほしいとギルドには伝えてある。これなら、税金を考えても年内に買って、すぐに商売を始めた方が得だと計算してくれる人もいるだろうと予想している。
僕、というかヒヤミのこの値段の提示方法に、この期に自分の店を売りたい人が同じ値段提示をしてきているらしい。周りが同調してくれれば、高くても「仕方ないか」と買ってくれる人が出てきそうな気がする。ただ、手法を真似されたことで、僕以外の物件が先に売れてしまう可能性はあるんだけどね。
まあ、果報は寝てまて、だ。
ずっと気にしてても仕方ないし、ギルドに販売をお願いした時点で鍵なども預けてあるから、年越し前に顔を出しに行けばいいかな。
じゃあ、そろそろナーグマンの店に行くとしますか。
この間お願いしたミスリルキューブの件について、ミスリル職人が僕に話を聞いてから造るかどうかを判断したいと言ってきたらしくて、今からナーグマンの店で会って話すことになったんだよね。
オーダーメイドの武器(?)作成になるから、こういうこともあるのかも知れない。
僕は、その程度の認識でナーグマンの店に向かった。
途中で買い物に来ていたリンとエナに会って、何故か二人もナーグマンの店に一緒に付いてくることになった。
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