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「それでは ジ―ク様 お願いがございまして よろしいですか?」
「なんだ セバスチャン」
「私の部屋を使用人の部屋に移動させていただいて宜しいでしょうか どうも客室は落ち着かないのでございます」
「アハハ 長年のものだな いいだろう 一部屋使ってくれ あとアリス殿の部屋も変えよう マリアンナ アリス殿の部屋は 女主人の部屋を使うように」
「畏まりました」

「え!ジ―ク様 それはいけません!ジ―ク様の大切な方に申し訳ありません」

「貴女が大切な人ならどうする?」
「そんな こんな 親にも見放されるような者です どうか…」
「いや  商会の会長のお孫さんだ 軽い扱いは陛下にも叱られてしまう 変更は出来ないよ」
「でも………」
「大丈夫  さぁ ご飯にしよう  頭を使うと 腹が減る」


渋々ながら 了解して 食堂に移り 午後からは ジ―クに案内してもらった


「アリス殿達がいたのは 魔物の出る森で 隣国との境目になる この辺境伯は 代々魔物と隣国を相手にしてるんだ  母上の実家がここで 魔力の高いのが 俺しか居なくて 先代の 辺境伯のじい様が 亡くなった後に ここを継いだって訳  なりたくてなったんじゃないけど ほっぽりだすことも出来なくて でも 政務なんてやったこと無いし 書類なんか 見たでしょ あの高さになるんだ その分 対応が遅れて 領民に迷惑かけてるって ちょっと凹んでた  だからアリス殿がさっき 素早く整理してくれて もう 女神かと思ったよ」

「そんな事無いですよ  ジ―ク様お忙しいから もう少ししたら 馴れますよ 大丈夫です」
「それなら   アリス殿に手伝ってもらう方が 俺はいい」
「え?ジ―ク様?」
「まぁ 会長の所に行くまでね」
「そう ですよね」

ビックリした ずっとここに居てって言ってるかと 思っちゃった  そんな訳無いのに

俺 何言ってんだろ
ずっと 居て欲しいって 勘違いされる様な言い方して


やだ
                      意識しちゃって喋れない
駄目だ

ワン!
何言ってんだか 二人して
無意識ラブラブじゃん ジ―ク

「え?フェン何か言ったか?」

横に首をフリフリ

「ジ―ク様 フェンの言葉 分かるんですか?」
「分かるよ フェンは魔物だから」
「え―――――!」

「あ  フェンごめん しゃべってしまった」

ワオ~~ン!

雄叫びと 共に大きくなるフェン


「え―――――!フェン 大きい!」

「フェンはフェンリルって 魔物だから」

「違うわ 聖獣じゃ!」

「それでもいいけど アリス殿を守ってくれてるから」
「お主 愛がダダモレじゃぞ」

「!」
そうか  これは 愛なのか!

「お前 分かってなかったんか」

「おう!教えてくれて ありがとな!」
「教えるんじゃなかった……」


「あの~」
「あぁ フェンはアリス殿をちゃんと守ってくれる 信頼できるよ ま 聖獣だから」

「聖獣……フェンちゃん 偉いんじゃないの?私なんかを守るとかで いいの?」

「アリスは 俺が守るに値する 腹が減ってるのに 俺にクッキーくれたろ?それで十分」
「そうなの?ありがとね フェン」

もふもふした 首に抱きつく

「うわぁ 気持ちいい!」

「アリス殿 その辺でやめてもらえるかな」
ジ―ク様がフェンから私を引き離した
そして 私の手をつなぎながら 歩き出した

「えっと ジ―ク様 手を……」
「アリス殿が 転ばないように」
「多分大丈夫……」
「先の事は分からないから」

フェンは 大きくなったまま 後ろからついてきた







    
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