【完結】婚約破棄された公爵令嬢 アンジェリカ様

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後片付けも終わったので

「さぁ ドルゴの街まで 
進めるぞ」
お父様が声を張り上げて
馬に乗りました

馬車は3台ですが
我が家の騎士団が居ます
移動の人数は多いのです

王宮の対応が気になるのですが
そこは
私よりもお父様の方が
専門なので
お任せです

ドルゴの街は
宿屋が多いのです
領地に帰るときには必ず立ち寄り
一泊します
宿屋の入り口には
『ブレシア公爵家様 御用達』
と 看板が掛かっておりましたわ

貸し切りをするのは
他のお客さんに申し訳ないので
騎士団さんには
別の宿屋を貸し切りにして
泊まってもらいますの

この街の方々には感謝されているようです
宿屋の食事も 
材料は地元の方々に売っていただくので
農家の方が喜ぶと教えていただきました

お父様もそこは 分かっていらっしゃるので
ここでは 散財されます

「公爵様 いらっしゃいませ
アンジェリカ様
 一層お美しくなられましたね
奥様に 似ていらして
 公爵様も先が楽しみでございますね」

「女将 毎年毎年口がうまくなるな
一泊頼むぞ」

「畏まってございます
お1つお耳に」

「うん …………そうか うむ成る程 
階は違うようにしてくれておるのだろ?」

「勿論でございます
彼方は3階に
公爵様方は 2階にしております
場所も あちらは右端から
公爵様達は 左端からにしております
ロビーでの 顔合わせ等は
ご容赦くださいませ」

「いや いつも済まないな
仕方の無いこともある
反対に 鉢合わせした時は
こちらから 挨拶をせねばならん
感謝する」

「いえ お世話になっている
公爵様です
少しでも 恩返しになればと思います」

「では
行こうか」

「はい」


案内されて部屋につく

「では お食事までごゆるりと」

「ありがとう」



部屋にはマリアのみ

「やはり疲れたわね
マリアも 程ほどで  体を休めてね」

「はい ありがとうございます」

「どなたか
 こちらに宿泊されているのかしらね?」

「先程の 女将さんが 
旦那様に耳打ちされておりましたね」

「後で お父様が教えてくださるかしら」

「たぶん
そうしないと
何処かの王族だったりしたら
たいへんですものね」

「そうね
あ  マリア
マルコとゆっくりしてね
だって マルコも今日はお料理しなくても
良いでしょ?
領地にかえるのだから
マチルダに お土産でも買って帰ったら
どうかしら」

「そうですね
久しぶりにですから
母さん 喜ぶものが あるといいのですが
後で 父さんと探してきます」

「ええ 行ってきなさい
私も お兄様と久しぶりに
お買い物に行こうかしら」

そんな事を言いながら
マリアはマルコとお買い物に行きましたわ

結構お時間が立ちましたの
ちなみに 昼食は みな 移動しながら
保存食を食べておりました
その分
ここまで走って
体を休めます


コンコン
「入って」

「失礼致します
お食事の準備が整いました
公爵様のお部屋に準備しております」
「ええ  分かったわ ありがとう」


マリアはまだ帰っていない

お父様の所に行くだけ
 隣のお部屋に行くだけよ


カチャ
隣のお部屋に行くだけよ



「ミャ~」

スリスリ スルン

「ミャ~~~」
下から見上げる 双眸
金の入った 瞳
グレーの毛並み
流れる動きの長いしっぽ

そう
そう
そう!

これは!


猫ちゃん!

「神よ この幸せを感謝します」

アンジェリカは 動物が好き
猫は特に好き

好きすぎて 
逆に家族から 飼うのを禁止されている

その猫ちゃんが 足元にじゃれている

なぜ こんなところに猫が……


「アン! アン!どこだ
アンジェリカ」

「はい?」

「ん?」


「アンジェリカ?そこにいるのか?」

「はい どなたでしょうか?
ね 猫ちゃん」

「ミャ~」
いつの間にか 抱っこである


階段から人が降りてくる様だ

お父様の所に行った方がいいわね
猫ちゃん抱っこしたままだけど

コンコン
「お父様 アンジェリカです」

「入りなさい」

「はい」

猫ちゃんを抱いたまま部屋に入る


階段からは人が降りてきた
20歳にならないくらいの
男の子












                              
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