52 / 59
ブルトカール編
52、最後の仕上げ
しおりを挟む
(よし、やったぞ! ホールから抜け出せたぞ!! このまま出口まで行けば、逃げられる!!)
奴隷商人は必死に走った。誰もいない通路を駆け抜けて、正面口につながるホールの前で足を止める。
(何だ……? この岩壁のようなものは……?)
触ってみてもビクリともしない、まさに岩そのものだった。通路を塞いでいて、これ以上前には進めない。しかも、この壁の向こうから、かすかに叫び声が聞こえてくる。
こんな所でモタモタしていては、捕まる可能性がある。そう判断して、他の出口にむかって走り出した。
(ダメだ……! どこの出口も開かない!!)
奴隷商人は焦った。複数ある出口は、どこもドアノブは回るのに扉が開かなかった。
(まさか、この建物に閉じ込められているのか……? それなら、どこかに隠れてやり過ごすか……見つからなければ、あとで抜け出せるはずだ)
そうして、すぐに逃げ出せるように、出口の近くにある待合室に身を潜めた。
(ここでやり過ごせば、なんとかなるだろう……はぁ、なんて日だ。もう全てメチャクチャだ。あの時、話に乗らなければよかった————)
あの時の自分の決断をおもいだして、後悔の念がおしよせる。そもそも、あの変異種が仮面の男ならば、噂自体が意図的に流されたのではないかと思いあたった。
(クソゥ! この私を罠にはめたんだな! クソゥ!!)
その時、待合室にフワリと風が流れ込んできた。不思議に思った奴隷商人は部屋のなかを見渡してみる。
そこにいたのは、六枚の漆黒の翼を広げたレオンだった。
「っ……!!」
叫びそうになるのを必死に抑える。両手で口を覆って、なんとかこらえた。
(何でアイツが、ここにいるんだ!?)
同化はちゃんと発揮されているはずだ。だから、アイツには私の姿は見えないはずだ。
なのに、何故、真っ直ぐにこちらにむかって来るんだ!?
心臓が早鐘のように鼓動して、全身からは冷や汗がふきでている。カタカタと震えそうになるのを、うずくまって耐えていた。
「隠れてもムダだ。気配感知でわかるんだよ。残念だったな」
(何だと!? 気配感知だと!? そんな————)
「放電」
奴隷商人の意識はそこで途絶えた。
***
クリストファー国王が、宰相と数人の近衛騎士を引き連れてやってきたのは、レオンたちが貴族と奴隷商人をすべて片付けた頃だった。
もちろん、これも計画通りだ。国王たちは、貴族の屋敷から奴隷たちを解放するために、駆けまわっていたのだ。テオたちが作ったリストを元に、一人残らず解放できたら合流する予定だった。
ここからは国王であるクリストファーに引き継ぎをして、レオンたちは任務完了となる。
「本当に……全て片付いているのか?」
「もちろんです。いま結界を解除しますね」
ノエルはいつもの微笑みを浮かべながら、パチンと指を鳴らす。それと同時にバリンバリンと、コンサートホールを覆っていた淡い青白い結界が解除されていった。
「では、どうぞ。ご案内します」
ノエルと国王たちはコンサートホールの中へと、足を進めた。入ってすぐに三人のヒグマ種の貴族たちが、床に転がっていた。いたる所で服が溶けて、肌がむき出しになっている。
側には穏やかな微笑みのエレナが立っていた。
近衛騎士たちは倒れている貴族たちに、レオンにつけていたのと同じ囚人用の首輪をつけていった。
「エレナ、これ解除してくれる?」
「承知しました」
エレナが岩壁を解除すると、そこには悪魔族の角をつけたレオンが奴隷商人を抱えて立っていた。
「コイツも頼む」
近衛騎士に奴隷商人を渡すと、「ホールに行ってるな」と飛び去ってしまった。
(レオン……コイツを閉じ込めた結界を壊したね? まぁ、ちゃんと捕まえてるからいいけど)
「国王陛下、少し……我らの隊員たちが暴れたようで、施設に被害が出ているようです」
「ハハハッ! そんなものは気にするな! これだけのことをやり遂げたのだ」
クリストファーの力強い言葉に、ノエルは「それでは」とオークション会場へ進んでいく。
「これは……すごいな」
オークション会場には参加した貴族や奴隷商人たちが、いたる所に転がっていた。
黒焦げになっている者や、切り刻まれている者、また、氷漬けになっている者もいる。
クリストファーは近衛騎士たちに目配せして、次々と首輪をつけてさせてゆく。
テオやベリアルたちは、転がっている獣人族を一か所に集めて、作業が早く進むように協力していた。
「お! 来たな。こっちにもいるからなー!」
ステージから聞こえてきたのは、レオンの声だ。何やらステージのど真ん中に、ぽっかりと穴が空いている。
その中から大蛇をズルズルと引き出していた。
「あれは! 獣化したドルイトスか!? まさか……アレまでも倒したのか……しかも無傷で……何という……」
「国王陛下、あとはお願いしてもよろしいですか?」
はっとしたクリストファーが慌ててうなずく。
「あ、あぁ! もちろんだ。それから例の奴隷は、そろそろこちらに到着する頃だろう」
「ありがとうございます。では」
「うむ、こちらも城に戻ったら使いを出す。ではな」
無事に引き継ぎをすませて、ノエルたち祓魔師は引き上げて宿屋へと飛んでいった。
グレシルとライルとアシェルは、串焼きを買ってから宿屋にむかうとはしゃいでいた。
俺とベリアルはコンサートホールの正面入り口で、届け物を受け取るために、荷物の到着を待っている。中身がなんなのか俺は聞いたけどベリアルにはまだ話していない。
ちょっとしたサプライズだ。
「あ、来たみたいだな」
「ようやく来たの? どれだけ待たせ————」
目の前に止まった馬車から、ウェーブのかかった赤い髪の悪魔族が降りて来る。フラフラとした足取りで、付き添いの近衛騎士に支えてもらっていた。
ベリアルは、驚きのあまり息もできないようだった。そしてクシャリと顔をゆがませて、涙をこらえている。
「ロシエルが見つかったから、連れ来てもらったんだ」
「うそ……本当に? ……ロシエル?」
「そうだよ。ほら行ってこい」
その言葉にベリアルは弾けるように、ロシエルの元へと駆けだした。
「ロシエル!!」
「…………? ぇ……お姉……ちゃん?」
「ロシエル! ロシエル! 会いたかった!! 会いたかったぁぁ!!」
「うっ……ううっ……お姉ちゃんっっ!!」
魔力がほとんど残っていないロシエルは、髪に艶はなく痩せこけてボロボロになっていた。それでも愛しくて愛しくて仕方ない様子で、ベリアルは涙を流してキツく抱きしめている。
「ずっと、ずっと……探してた……」
「ごめっ……ごめんなさいっ……!」
ロシエルの翡翠色の瞳から、ポロリと涙がこぼれ落ちる。ベリアルの愛情が染み込んでいくごとに、ポロポロと次から次へと涙がながれ落ちていった。
そんなふたりを、レオンは穏やかな微笑みで見守っていた。
奴隷商人は必死に走った。誰もいない通路を駆け抜けて、正面口につながるホールの前で足を止める。
(何だ……? この岩壁のようなものは……?)
触ってみてもビクリともしない、まさに岩そのものだった。通路を塞いでいて、これ以上前には進めない。しかも、この壁の向こうから、かすかに叫び声が聞こえてくる。
こんな所でモタモタしていては、捕まる可能性がある。そう判断して、他の出口にむかって走り出した。
(ダメだ……! どこの出口も開かない!!)
奴隷商人は焦った。複数ある出口は、どこもドアノブは回るのに扉が開かなかった。
(まさか、この建物に閉じ込められているのか……? それなら、どこかに隠れてやり過ごすか……見つからなければ、あとで抜け出せるはずだ)
そうして、すぐに逃げ出せるように、出口の近くにある待合室に身を潜めた。
(ここでやり過ごせば、なんとかなるだろう……はぁ、なんて日だ。もう全てメチャクチャだ。あの時、話に乗らなければよかった————)
あの時の自分の決断をおもいだして、後悔の念がおしよせる。そもそも、あの変異種が仮面の男ならば、噂自体が意図的に流されたのではないかと思いあたった。
(クソゥ! この私を罠にはめたんだな! クソゥ!!)
その時、待合室にフワリと風が流れ込んできた。不思議に思った奴隷商人は部屋のなかを見渡してみる。
そこにいたのは、六枚の漆黒の翼を広げたレオンだった。
「っ……!!」
叫びそうになるのを必死に抑える。両手で口を覆って、なんとかこらえた。
(何でアイツが、ここにいるんだ!?)
同化はちゃんと発揮されているはずだ。だから、アイツには私の姿は見えないはずだ。
なのに、何故、真っ直ぐにこちらにむかって来るんだ!?
心臓が早鐘のように鼓動して、全身からは冷や汗がふきでている。カタカタと震えそうになるのを、うずくまって耐えていた。
「隠れてもムダだ。気配感知でわかるんだよ。残念だったな」
(何だと!? 気配感知だと!? そんな————)
「放電」
奴隷商人の意識はそこで途絶えた。
***
クリストファー国王が、宰相と数人の近衛騎士を引き連れてやってきたのは、レオンたちが貴族と奴隷商人をすべて片付けた頃だった。
もちろん、これも計画通りだ。国王たちは、貴族の屋敷から奴隷たちを解放するために、駆けまわっていたのだ。テオたちが作ったリストを元に、一人残らず解放できたら合流する予定だった。
ここからは国王であるクリストファーに引き継ぎをして、レオンたちは任務完了となる。
「本当に……全て片付いているのか?」
「もちろんです。いま結界を解除しますね」
ノエルはいつもの微笑みを浮かべながら、パチンと指を鳴らす。それと同時にバリンバリンと、コンサートホールを覆っていた淡い青白い結界が解除されていった。
「では、どうぞ。ご案内します」
ノエルと国王たちはコンサートホールの中へと、足を進めた。入ってすぐに三人のヒグマ種の貴族たちが、床に転がっていた。いたる所で服が溶けて、肌がむき出しになっている。
側には穏やかな微笑みのエレナが立っていた。
近衛騎士たちは倒れている貴族たちに、レオンにつけていたのと同じ囚人用の首輪をつけていった。
「エレナ、これ解除してくれる?」
「承知しました」
エレナが岩壁を解除すると、そこには悪魔族の角をつけたレオンが奴隷商人を抱えて立っていた。
「コイツも頼む」
近衛騎士に奴隷商人を渡すと、「ホールに行ってるな」と飛び去ってしまった。
(レオン……コイツを閉じ込めた結界を壊したね? まぁ、ちゃんと捕まえてるからいいけど)
「国王陛下、少し……我らの隊員たちが暴れたようで、施設に被害が出ているようです」
「ハハハッ! そんなものは気にするな! これだけのことをやり遂げたのだ」
クリストファーの力強い言葉に、ノエルは「それでは」とオークション会場へ進んでいく。
「これは……すごいな」
オークション会場には参加した貴族や奴隷商人たちが、いたる所に転がっていた。
黒焦げになっている者や、切り刻まれている者、また、氷漬けになっている者もいる。
クリストファーは近衛騎士たちに目配せして、次々と首輪をつけてさせてゆく。
テオやベリアルたちは、転がっている獣人族を一か所に集めて、作業が早く進むように協力していた。
「お! 来たな。こっちにもいるからなー!」
ステージから聞こえてきたのは、レオンの声だ。何やらステージのど真ん中に、ぽっかりと穴が空いている。
その中から大蛇をズルズルと引き出していた。
「あれは! 獣化したドルイトスか!? まさか……アレまでも倒したのか……しかも無傷で……何という……」
「国王陛下、あとはお願いしてもよろしいですか?」
はっとしたクリストファーが慌ててうなずく。
「あ、あぁ! もちろんだ。それから例の奴隷は、そろそろこちらに到着する頃だろう」
「ありがとうございます。では」
「うむ、こちらも城に戻ったら使いを出す。ではな」
無事に引き継ぎをすませて、ノエルたち祓魔師は引き上げて宿屋へと飛んでいった。
グレシルとライルとアシェルは、串焼きを買ってから宿屋にむかうとはしゃいでいた。
俺とベリアルはコンサートホールの正面入り口で、届け物を受け取るために、荷物の到着を待っている。中身がなんなのか俺は聞いたけどベリアルにはまだ話していない。
ちょっとしたサプライズだ。
「あ、来たみたいだな」
「ようやく来たの? どれだけ待たせ————」
目の前に止まった馬車から、ウェーブのかかった赤い髪の悪魔族が降りて来る。フラフラとした足取りで、付き添いの近衛騎士に支えてもらっていた。
ベリアルは、驚きのあまり息もできないようだった。そしてクシャリと顔をゆがませて、涙をこらえている。
「ロシエルが見つかったから、連れ来てもらったんだ」
「うそ……本当に? ……ロシエル?」
「そうだよ。ほら行ってこい」
その言葉にベリアルは弾けるように、ロシエルの元へと駆けだした。
「ロシエル!!」
「…………? ぇ……お姉……ちゃん?」
「ロシエル! ロシエル! 会いたかった!! 会いたかったぁぁ!!」
「うっ……ううっ……お姉ちゃんっっ!!」
魔力がほとんど残っていないロシエルは、髪に艶はなく痩せこけてボロボロになっていた。それでも愛しくて愛しくて仕方ない様子で、ベリアルは涙を流してキツく抱きしめている。
「ずっと、ずっと……探してた……」
「ごめっ……ごめんなさいっ……!」
ロシエルの翡翠色の瞳から、ポロリと涙がこぼれ落ちる。ベリアルの愛情が染み込んでいくごとに、ポロポロと次から次へと涙がながれ落ちていった。
そんなふたりを、レオンは穏やかな微笑みで見守っていた。
0
あなたにおすすめの小説
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。
名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。
絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。
運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。
熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。
そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。
これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。
「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」
知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
家の全仕事を請け負っていた私ですが「無能はいらない!」と追放されました。
水垣するめ
恋愛
主人公のミア・スコットは幼い頃から家の仕事をさせられていた。
兄と妹が優秀すぎたため、ミアは「無能」とレッテルが貼られていた。
しかし幼い頃から仕事を行ってきたミアは仕事の腕が鍛えられ、とても優秀になっていた。
それは公爵家の仕事を一人で回せるくらいに。
だが最初からミアを見下している両親や兄と妹はそれには気づかない。
そしてある日、とうとうミアを家から追い出してしまう。
自由になったミアは人生を謳歌し始める。
それと対象的に、ミアを追放したスコット家は仕事が回らなくなり没落していく……。
追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした
新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。
「ヨシュア……てめえはクビだ」
ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。
「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。
危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。
一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。
彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる