万の称号を持つ男 〜称号が全てを決める世界〜

しょう

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帰って来たディモン

5話 ディモンの幼少期

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「おい!起きろ!」

気絶したカインを連れ、アスカと共に、アスカ達の家に着いたディモンは、リビングにある、ソファの上にカインを放り投げ、カインを起こした

「うっ!…う~ん…何処だここ?」

ソファに投げられた衝撃で、気絶から目を覚ましたカインは、身体を起こして周りを見渡した

「お前ん家だよ」

「なっ!ディモン!俺を病院から連れ出したのか!」

ディモンに自分の実家だと教えられたカインは、驚き、病院から連れ出された事に怒り、ディモンに詰め寄った

「はぁ~、お前を怪我させた剣王なら、もう剣王じゃないから安心しろ、俺が両腕を斬り落としておいたからな!」

カインに詰め寄られたディモンは、カインを落ち着かせる為に、カインを怪我させた剣王の両腕を斬り落とした事を伝えた

「は?」

ディモンの話を聞いたカインは、目を見開き、口を開けたまま、固まってしまった

「今日、久しぶりに、故郷に帰って来てみたら、お前を怪我させた剣王が、婆ちゃんの店にいてな…婆ちゃんから、お前を怪我させたって聞いたから、両腕を斬り落としておいた」

固まっているカインに、ディモンは、ローナの店で起きた事を伝えた

「…まさかディモン、お前、剣帝に成ったのか?」

ディモンの話を聞いたカインは、恐る恐るディモンに剣帝の称号持ちに成ったのかを聞いた

「いや、剣帝のさらに上、剣神だ!」

カインに、剣帝かどうか聞かれたディモンは、指で天を指しながら、自慢気に答えた

ディモンが、自慢気に答えた時、丁度お茶を持って来たアスカが、リビングに戻って来た

「「えぇぇぇぇ!!!」」パッリーン!

ディモンの剣神と言う言葉に、アスカとカインは驚き、アスカはお茶が入ったティーカップを床に落としてしまった

「あっ!【清掃】!」

お茶が入ったティーカップデが、割れた音を聞いたディィモンは、床に手を置き、【清掃】を使った

【清掃】は、自身を中心に、周りの汚れを集める魔法
範囲は称号のランクで変わる
下級清掃人の称号を持つと覚える事が出来る

ディモンが【清掃】を使うと、ディモンを中心に、部屋中にある汚れが、ディモンの目の前に集まり始めた

「これを…ほい」

目の前に集まった埃やゴミ、こぼれたお茶を、ディモンは、そのままゴミ箱に捨てた

「嘘…凄く綺麗になってる」

アスカは、ディモンの【清掃】により、綺麗になったリビングを見て、感動していた

「後は…【修復】!」

ディモンは、割れたティーカップを拾い上げ、【修復】を使った

【修復】は、物を治す魔法
称号のランクによって、治すスピードと修復時の出来が変わる
下級生産職のどれかの称号を持つと覚える事が出来る魔法

ディモンの【修復】により、割れたティーカップは、元の形に戻っていき、傷のない新品の状態になった

「…嘘だろ、ディモン、お前剣神の称号だけじゃなくて、まさか生産系の称号も持ってるのか?」

ディモンが【清掃】と【修復】を使うところを見ていたカインは、目を見開き、信じられない物を見た顔を浮かべ、ディモンに質問した

「まあな」

ディモンは、少し照れくさそうに答えた

「…お前、この5年間、いったい何処で、何をしてんだ?」

カインは、真剣な表情でディモンに質問した

「それは…」

真剣な表情のカインに質問されたディモンは、暗い表情を浮かべた

「頼むディモン、教えてくれ」

「そうね、昔のデモンちゃんと今のディモンちゃんは、別人って言われた方が、納得出来るほどの、力の差があるもの」

カインとアスカは、真剣な表情でディモンを見つめた

「はぁ~分かった…先に言っておくが、余り良い話じゃないぞ?それでも聞くか?」

カインとアスカに、真剣な表情で見つめられたディモンは、近くのソファに座り、カインとアスカに、余り良い話じゃない事を念押しした

「ええ、聞くわ」「ああ、聞くぞ」

アスカは、ソファに座りながら答え、カインはディモンを見ながら答えた

「はぁ~そうだな…全てを説明するには、俺が生まれてからの事を話さないとな…」

ディモンは、諦めた表情でため息を吐いた後、諦めた表情を浮かべながら、昔の事を思い出し始めた

「生まれてから?」

カインは、ディモンの、生まれてからという言葉に、疑問を感じ首を傾げた

「ああ、全ては、俺が生まれた時から始まっていたんだ…」




22年前、剣都リューズにて、警備隊隊長のボンドと、その妻、アルティーナの間に、ディモンは生まれた

赤ん坊の頃のディモンは、体が弱く、よく熱を出しては、祖母のローナや母アルティーナに看病されていた

ディモンは、2歳に成るまでに、計100回は風邪を引き、ほぼ毎日の様に、病院に連れて行かれる子だった

そんなディモンが、変わり始めたのが、5歳の頃からだった


5歳に成ったディモンは、これまで、ほぼ毎日の様に引いていた風邪を、全く引かなくなり、逆に活発的に動く様に成っていた

毎日の様に外に遊びに行き、泥だらけで帰って来る、体が弱かったのが、信じられない程、元気に毎日を過ごしていた


6歳に成る頃には、幼馴染のカイン共に、近所の子供をまとめ上げ、年上相手に毎日喧嘩を仕掛けていた

時には負けて、怪我をして帰って来る時も有ったが、怪我が治ると直ぐに、負けた相手にもう一度喧嘩を仕掛け、何度負けようとも、勝つまで挑み続けた

そんなディモンを、近所の大人達は『剣王リューズの生まれ変わり』と呼び、暖かい目で見守っていた


7歳に成る頃には、近所にディモンに勝てる同世代が居なくなり、大人達はディモンが少しは大人しくなると思っていた

しかし、ディモンは、近所だけじゃ飽き足らず、剣都リューズ全体に移動範囲を増やし、道場に通っている子や、下級の称号を待つ者達にも、タイマン勝負を仕掛け始めた

下級でも称号を持つ者には、まだ称号を持てない子供が、いくら努力しようが絶対に勝てないにも関わらず、タイマン勝負を仕掛けるディモンに、流石に大人達も驚きを隠せずにいた


8歳成る頃には、毎日の様に、下級の称号持ちと、戦っていたディモンは、勝てはしないが、最低限勝負が出切る程までに成長していた

大人達は、称号を持っていないにも関わらず、最低限勝負が出来るように成ったディモンが、将来必ず上級の称号を持つだろうと、噂していた


9歳に成る頃、毎日の様に戦っていたディモンは、誰とも戦わなく成っていた

ディモンは何故か、幼い頃の様に、また風邪を引き寝込む様になっていた

母アルティーナと祖母ローナは、何かの病なのではと思い、知り合いや親戚に頼み、聖者の称号を持つ者を呼び、ディモンの身体を調べてもらった

しかし、聖者の称号を持つ者でも、ディモンが、よく風邪を引き寝込む理由は分からなかった


ほぼ1年の間、風邪を引き寝込み続けた1ディモンは、10歳に成り、ようやく称号を持つ事が出来るように成った

大人達が予想した通り、ディモンは最初から、中級剣士と中級格闘家の称号を持っていた

これに大人達は、将来ディモンは、剣王の称号や武王の称号を持つだろうと、大喜びした

しかしディモンは、風邪ばかりを引き続け、全く修行をする事が出来ずにいた


11歳になる頃、風邪ばかりを引いて、寝込んでいたディモンは、風邪を引く頻度が少なく成って来ていた

ディモンは、風邪を引いていない時に、鈍ってしまった身体を動かす為、父ボルドと修行をしていたが、修行をした後、必ず1週間は風邪を引いて寝込んでいた

周りの大人達は、風邪を引き寝込むのを分かっているのに、修行をするディモンを心から応援していた


12歳に成る頃には、ディモンは、修行をした後、1週間ではなく、6日の間、風邪を引き寝込むように成っていた

その事に、このまま続ければ、後6年で風邪を引かなくなると、ディモンは喜んでいた

ディモンの考えた通り、13歳の頃に5日、14歳の頃に4日、15歳の頃に3日、16歳の頃に2日と、徐々に風邪を引き寝込む日数は、減っていった

風邪を引く日数が減るにあたって、ディモンは、より修行を厳しくし始め、16歳の頃には、上級剣士と上級格闘家の称号を持つまでに成長した

ディモンの称号が、上級剣士と上級格闘家に成った日は、周りの大人達も大いに喜んだ


17歳に成る頃は、ディモンの考えと違い、修行をしても、風邪を全く引かなく成っていた

風邪を引かなく成ったディモンは、より成長する為に、修行の旅に出る事にした

周りの大人達と父ボルドは賛成したが、母アルティーナと祖母ローナは反対した

しかし、ディモンの一ヶ月に及ぶ説得で、渋々認める事になり、ディモンは、周りの大人達や両親、祖母に見送られ、修行の旅に出た






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